エンゲルスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第五分冊は、社会全体の資本の循環について書かれている。
その要旨を短くまとめるなら
「労働者は商品を生産し、資本家から給料をもらい、その給料をもって、資本家のもとで自分が生産した商品を買って、、の繰り返し。この労働と消費の循環が、資本家と労働者と言う地位を永久に固定します」
第四分冊の要旨は「資本家の利潤は労働者のタダ働き」だったが、
この第五分冊では、その地位がどのように固定されているかが論じられる。
縦書きの計算式の書き方が独特で読みづらさがあるのと、
そもそも分析の結果と言うよりは、種々前提条件を合わせて、初めから結論を目指して式を組み立てている印象。
今読んでいるあたりは商品生産だけに焦点を当てていて、マルクス主義と言えば唯物論、と言われる所以も分かる気がする。
一つ感じることは、この本のタイトルは「共産主義論」ではなく『資本論』であり、マルクスはそのタイトルの通り、純粋に資本についてだけ論じている。
ここからどう展開するのか、まだ道半ば。 -
Posted by ブクログ
第四分冊。
この一冊全体にわたって、
資本主義的生産の利潤は可変資本(労働力)が生み出す剰余価値が資本家に移転することで生み出される、
と主張している。
つまり、資本家の儲けとは労働者をタダ働きさせて生み出した分の利益であり、売買の商取引の瞬間にそれが生まれるわけではない、というのがこの巻の主旨だ。
その前提には、前巻までにマルクスによって議論された、
・(純粋な)労働→「労働すること」によって実際に生み出される価値
と、
・労働力→ 労働者としての「人間」が生む価値への可能性
との混同及び、資本家によるその混同の濫用にある。
マルクスの批判をたどれば、アダム・スミスを初めとするマルクス以前の経済学者は、
不変資本(設備など)/可変資本(労働力)
の区別を
固定資本/流動資本
と混同しており、そのために労働者搾取の現実が隠蔽されているという。
その説明が延々と続く。
他にも、在庫や回転についての説明が冗長であるが、
それが「昔の新発見も今となっては常識」と言うことなのか、或いは深い意味が隠されているのか、今のところ読み取れなかった。
今後読み進めて確認したい。 -
Posted by ブクログ
共産主義者はすべての社会秩序を暴力的に転覆することで、その目的を達成しよう。支配階級を共産主義革命の前に戦慄させよう。労働者はこの革命によって鉄の鎖のほかに失うものはない。労働者が得るものは全世界。各国の労働者は団結しよう。労働者階級の解放は労働者自身で達成するべき。マルクス&エンゲルス『共産党宣言』1848
暴力による革命ではなく、議会を通じて言論で社会主義を目指すべき。エドゥアルト・ベルンシュタイン『社会主義の問題』1896
デモクラシーは腐敗した少数者の政治にとって代わった無能な多数者による政治である▼自由は責任を意味する。そのため、たいていの人間は自由を怖れる▼人生には二つの悲劇がある。一つは願望が達成されないこと。もう一つはそれが達成されることである。バーナード・ショウ『革命主義者のための格言』1903
※フェビアン協会(後の労働党)を創設。
鳥の歌声がいつも同じ調子にしか聞こえてこないというのは、無頓着な人間の粗雑な耳だけのことです。ローザ・ルクセンブルク『獄中からの手紙』
※スパルタクス団1916、ドイツ共産党を組織1918。ポーランド人。女性。
社会主義はすべての人類に文明を行き渡らせようと欲するものである。資本主義下では、文明は少数の特権階級の独占物である。カール・リープクネヒト。演説
国家はブルジョアがプロレタリアートを支配するための道具。国家がある限り、自由はない。国家の消滅が自由を打ち立てる。議会による漸進的な改良を目指す社会民主主義けしからん。今すぐ国家を廃止しようとする無政府主義者もけしからん(階級支配がなくなれば国家は死滅に向かう)。ウラジーミル・レーニン『国家と革命』1917
銃殺隊のいない革命など意味はない。流血の上に新しい社会システムを構築する。レーニン
共産主義の急進派は現実の客観的な状勢を無視し、公式通りに行動することで、誤ったり行きすぎたりする。ウラジーミル・レーニン『左翼小児病』1920
労働組合の運動は労働者の悲惨な労働環境を改善するためのもので、いかなる政治体制とも両立できる。シドニー・ウェッブ&ベアトリス・ウェッブ『産業民主制論』1927
※フェビアン協会(後の労働党)を創設。
企業の所有と経営が分離されるに伴い、企業者の機能の一部が職員層に委譲された。これにより労働者層とは区別されるホワイトカラー層が生まれた。マルクスが想定した労働者層の結束は弱まった。クローナ―『ホワイトカラーの社会学』1962
資本主義が成長すると、会社の所有(創業一族)と経営は分離されていく。大会社の社長はサラリーマンのトップにすぎなくなる。ホワイトカラー労働者が増え、炭鉱などで集団で働く労働者たちは減り、彼ら貧しい労働者の団結力は影を潜める。普通選挙で政治は平等になり、福祉で貧しい労働者は救済される。労働組合や労使交渉の法整備が進み、階級闘争は暴力性を失う。ラルフ・ダーレンドルフ『産業社会における階級および階級闘争』1964
グローバリゼーションと市場重視の(ネオリベラルな)政策により、貧富の差が拡大している。政治家は大企業を優遇。貧しい人は政治に不信感を覚え、投票にも来ない。コリン・クラウチCrouch『ポストデモクラシー』2000 -
Posted by ブクログ
「大洪水の前に:マルクスと惑星の物質代謝 (斎藤幸平著)」と「コモンの再生(内田樹著)」からの流れで本著を手に取った。
本著138頁からの{84}a=[40]の節、「こうして、ここに、自然発生的な生産用具と、文明によって創出された生産用具との差異が際立ってくる。(中略)第一の場合、つまり自然発生的な生産用群も場合には、諸個人は自然に服属させられ、第二の場合には労働の生産物に服属させられる。それゆえ、第一の場合には、所有(土地所有)もまた直接的・自然発生的な所有の支配として現れ、第二の場合には労働の、とりわけ蓄積された労働の支配として、つまり資本の支配として現れる。(後略)」に始まる本節をじっくりと吟味したいと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ経済ニュースを聞いていて、ふと資本主義について自分がしっかり説明できない状態だと感じたことが動機である。、
この本に関しては、資本論といえばマルクスだという安易な発想で調べたところ、どれも難しい内容ばかりだったのだが、この本はベースが漫画調になっており、架空のキャラクターが資本主義の荒波に巻き込まれながら会社を経営していくストーリーになっており、大変わかりやすかった。
投資家は余剰利益で利益を得ていて、余剰利益=人という考え方が根底にある。つまり機械で効率化させ人を減らした際に売上が増加しても利益率は下がるという考え方になるとの事。
さらには競争社会になるために、もっと良いものをもっと多く売り続けなければ会社が成り立たなくなる、切磋琢磨する中で類似ビジネスの利益率は平均化し、その中でも強者と弱者が生まれてくる。
またそうした競争の渦の中に巻き込まれるのは下請けで、下請けは依頼主が求める生産量に追いつくためにその生産量を補うためだけの増産設備を行い、過度な設備投資を行う(できないなら切られる…)これの事を「不均等的拡大」と呼ぶ。
この不均等的拡大は資本主義社会では往々にあり、もし依頼主のその商品が売れなくなった際には下請けへの発注が減る、下請けはその商品を拡大するために増加した設備なのでなかなか応用が効かずに赤字になる。そうすると工場を守るために人員削減などの手段に出るしかなくなり、職を失う労働者が後を立たなくなり、社会全体的に消費が減ることになるため依頼主の商品も売れなくなり…と負のループに入る。これが恐慌と呼ばれるもの。
本書曰く、資本主義社会ではこのようなリスクもあるが、社会が成長するというメリットもあるので一概に悪いと言えるものではないとのこと。
経済の仕組みさらっと知る上ではとても役に立つ本だった。