【感想・ネタバレ】共産党宣言のレビュー

あらすじ

「今日までのあらゆる社会の歴史は階級闘争の歴史である」という有名な句に始まるこの宣言は、階級闘争におけるプロレタリアートの役割を明らかにしたマルクス主義の基本文献。マルクス(一八一八―八三)とエンゲルス(一八二〇―九五)が起草、一八四八年の二月革命直前に発表以来、プロレタリア運動の指針となった歴史的文書である。

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Posted by ブクログ

「ヨーロッパには幽霊が出る―――共産主義という幽霊が。古いヨーロッパの強国は全て、この幽霊を退治しようとして神聖な同盟を結んでいる。教皇とツァー、メテルニヒとギゾー、フランス急進派とドイツ官憲。」は、本書の冒頭部分である。説明が必要なのは、ツァー=国王や有力領主、メッテルニヒ=オーストリアの外相、ギゾー=フランス王制最後の首相。「個人の獲得した財産、自ら働いて得た財産を、すなわち一切の個人的な自由、活動、独立の基礎をなす財産を、我々共産主義者は廃棄しようとする、という非難が我々はに対してなされる。働いて得た、苦労して得た自分で儲けた財産!諸君は、ブルジョア的財産以前からあった小市民の、小農民の財産のことを言っているのか?我々はそんなものを廃棄する必要を認めない。工業の発展がそれを廃棄したし、また毎日廃棄しつつある。それとも諸君は、近代のブルジョア的私有財産のことを言うのか?」
つまりは、マルクス・エンゲルスの言うところの共産主義はプロテリアアートにはブルジョアとは違い、階級闘争の役割があり、私有財産は保証されるとしている。すなわち、後のソ連邦のヨシフ・スターリンや中華人民共和国の毛沢東のそれは、共産主義ではない。笑えることに、統一教会やオウム真理教などの宗教団体は私有財産を認めない。
最終章では、暴力革命を標榜し労働者の団結を呼びかけて終わる。これを曲解して突き進んだのが全学連過激派である。「われわれは明日のジョーである。」よど号ハイジャック事件の首謀者たちはやはり、頭が悪い。漫画しか読まなかったのか?(笑)
弱者が強者に立ち向かう時、そこには言葉だけではどうしようもない状態が横たわる、今のパレスチナを見よ、イスラエルの死者数や拉致人質数に比して、ガザの死者数はいくらか?村上春樹がくしくも言った「一方に大きな壁があり、一方に壁に投げつけられる卵がある場合、私は卵の側に立つ」と。

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2025年03月17日

Posted by ブクログ

社会主義、共産主義についての超有名な古典らしい。
当時の各国の政治、経済、社会情勢を知ってないと理解できないことが多いものの、ブルジョア階級とプロレタリア階級の間の闘争など、抽象的な記述については現代にも通ずるところがあるように思う。現代日本はどのような状態にあるのか、アメリカほとではないが格差が生まれているということは自由資本主義の弊害であるのか。マルクス、レーニンの掲げた理想的な共産主義をもっと知りたいと思わせる一冊。

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2022年11月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

題の通り、当時の共産主義の理論と実践が記述されている。現代で共産主義というとイデオロギー的な他意を含みがちであるが、本書ではその根幹を成すロジックに触れることができる。

ありがちな誤解として一切の財産の私有の廃棄というものがあるが、本書ではそれは明確に否定されている。本書で述べられているのはあくまで生産手段たる資本の共有財産化であり、それはプロレタリアが元々所有していない、所有できないものを指している。また同時に、相続も資本の拡大と階級間の対立を助長するものにすぎないことから、これも否定している。

これらの原則は、突飛で理解に苦しむような類の思想というよりはむしろ、現代の価値観に照らしても妥当なもののようにも感じられる。多く働いた者、能力の高い者は社会への貢献も大きいことから高い報酬を得ることは正当化されるし、また同時に、この報酬が人々の社会貢献を動機づける。一方、多くの相続を受けた者はその財産の一部を資本として所有することで、働くこともなく資本が財を生み、報酬を受ける。この報酬を前者の報酬と比較すると、その正当性は低いように感じられる。労働とその成果こそが報酬を与えられるべきものであり、資本の所有に対する報酬は正当性に欠けることから、これを廃止し、資本を共有財産化する。それにより歴史上初めて階級間の対立を排除し、理想社会を実現できるのではないか。

一方で、現代の社会の観察を考察に含めると、本書の執筆当時と比べて二つの点で状況が異なっていることが分かる。1点目は、資本投資による生産性の向上である。資本主義社会では、資本家の資本投資により生産性が向上する。この生産性の向上こそが市場における競争の一つの恩恵である。競争がなければここまでの資本投資は実現しなかっただろうし、当時の社会では資本投資によって現代ほどの高い生産性が実現可能であるとも想像できなかったであろう。(本書執筆からの150年で生産性は100倍になったとも言われている。)2点目は、資本コストの低廉化である。当時想定していた資本というのは工場、機械、土地、といったものであり、それらは大きなコストを要求した。それ故、資本を持たぬ者たるプロレタリアには、労働による賃金を蓄積したところで資本の所有に到達することは不可能であるように思われた。(正確には、マルクスの資本論において労働賃金は労働の再生産費用に他ならないため、そもそも蓄積すること自体が不可能であるという理論であるが。) しかし、インターネットの到来以降資本の所有に必要なコストは下がり続け、現在では誰もが持つスマートフォン一つでもアプリケーション開発が可能となった。さらに、本書で述べられている生産諸関係も大きく変化した。当時は資本を持つブルジョワと資本を持たず労働で賃金を得るプロレタリアの関係構造であったが、現代では個人がブログ投稿やYoutube動画投稿によって広告収入を得られるようになり、その生産諸関係はより複雑化したと言える。

以上の考察より、本書の執筆当時と社会構造が変化していることは明らかであるが、それは決して本書が無意味な過去の産物と化したことは意味しない。本書内でも述べられている通り、社会の変化とともに本書内に時代と合致しない箇所が出現し、それらに改変が必要であるとしても、歴史的文書として本書を参照し理解することには大きな意味を持つと感じている。

そしてなにより、とても薄い!たった50頁ほどである!もちろんより深い理解のためには他書物の参照が不可欠であるため、この50頁で全てが分かるというわけではないが、一つの思想体系のエッセンスであることに違いはない。一度は自身で読んでみることを推奨したい。

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2020年09月17日

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ネタバレ

 久しぶりに読んだなあ,マルクス・エンゲルスの文章。
 いま,
内田樹✕石川康宏著『若者よ,マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱』(かもがわ出版,2010年)
を読んでいる。高校生以上向きに書かれた本書は,二人の手紙のやりとりという形をとってマルクス・エンゲルスの著書を順に読み解いていく。二人の手紙風の文章は,「簡潔!」とまではいかないけれど,これまで読んだどのマルクス解説書よりもわかりやすいし読みやすい。今の日本の社会で,ほとんど消えかかっているマルクス(の著作や思想)の現代的な意味を掘り起こしていこうという本だ。
 その最初に取り上げられているのが『共産党宣言』である。『共産党宣言』には,なぜ共産党が生まれる必要があるのか,これまでの社会はどんな歴史をたどり,結果,今(1850年代ごろ)はどんな時代であり,このあとどのような社会をつくる必要があるのか,その歴史の流れを必然として描き出している。熱い思いは十分伝わってくる。ブルジョアジーやプロレタリアートなんて言葉は,若い子知っているのかな。高校生なら習っているか。

一箇所だけ引用。

そしてついに,(ブルジョアジーは)大工業と世界市場とがつくりだされてからは,近代の代議制国家において独占的な政治的支配をたたかいとった。近代の国家権力は,ブルジョアジー階級全体の共同事務を処理する委員会にすぎない。(下記著書のp.64)

 今の日本で自民党を支持しているのは経団連など財界だ。まさにブルジョアジーが日本政府を圧力で指導している。
 さて,わたしが読んだ「共産党宣言」は,岩波文庫版ではなく『マルクス=エンゲルス8巻選集』(大月書店刊)に収録されている文章である。この『8巻選集』は,40年前,学生時代に購入したモノだ。これをきっかけに,もう一度,パラパラと読んでみようと思う。1200円/冊✕8冊=9600円もしたんだな。
 ちなみに『共産党宣言』は「第2巻」に掲載されている。

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2020年09月14日

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これを読んだ当時はマルクスの慧眼に気付かなかったが、ブルデューなどの階級社会論を読んでから、なるほどと思った。かつてから階級社会では、上位の階級は国際的にラテン語でコミュニケーションを取り、さらに上位の王室では婚姻により女性を通じたコミュニケーションがあった。フランス革命時に対仏大同盟、対革命の連合が出来たのはそのような横のつながりが、国を別にしても潜在的に存在していたからである。上位こそ横の連帯が強く、国際的に融通が利くが、末端に行くにつれ人々は分割され、いわゆる分割統治の形態がとられる。中間共同体を失った近代以降では、末端の人々をむずびつけるものは無きに等しい。国単位でみても、ウォーラーステインの世界システム論では、中核国家、覇権国家程横の融通が利く産業形態を持ち(金融など第三次産業)、周縁など末端に行くにつれて潰しの利かない(すぐに産業の転換が出来ない)モノカルチャー経済化して、結果的に分割統治の垂直的関係が存在していると紹介されていると私は思う。さて、そこでマルクスが放った大号令が共産党宣言―「労働者よ、団結せよ」―である。上位の横の連帯に対抗すべく、ブルジョワの欺瞞を打ち砕くべく、下位の労働者こそが団結する必要がある。そう言ったのである。共産党宣言にこんな歴史的意義があることを、もっと早く知りたかった。

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2017年01月04日

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「今日までの歴史は階級闘争の歴史である」という有名なフレーズで始まる本書。あたかも、社会に支配者がいて被支配者を搾取しているという対立構造を設定して、いたずらに対立を煽っている扇動的な虚構理論。
古来、我が国は、農業集団、職工集団、芸能集団、治安集団(武士)、権威集団(朝廷)、などの各職能集団が調和し、歴史を形成してきた。
ゆえにこれら集団が比較的分かりやすく分類されているため、対立軸を持ち出すとあたかも階級闘争が現実に存在すると錯覚してしまう。
我が国の諸集団は相互補完し、社会を循環させてきた。
一部のインテリ層はこれを悪用し先の大戦で我が国を「敗戦革命」に落とし入れようとした。
しかし、現代日本をみよ!彼らは決して主流ではないではないか。
我が国の国体に決してそぐわない、いや、ソ連崩壊に見られるように、人類にとっても虚構理論にすぎない本書は、暗躍する共産主義に対処するために必読でしょう。

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2014年10月29日

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歴史的背景をよく描写していた。社会主義の発足からその歴史まで、よく書かれている。最後の名言には痺れた。

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2025年05月04日

Posted by ブクログ

共産党宣言
著:K・マルクス
著:フリードリヒ・エンゲルス
訳:大内 兵衛
岩波文庫 白124-5

1848年フランスの2月革命、オーストリア、プロイセンの3月革命をはじめ、ヨーロッパは諸国民の春と呼ばれる、「1848年革命」という転機を迎えていた それは、ヨーロッパをナポレオン以前に戻そうとする、ウィーン体制が崩壊した年でもあった。
2人のドイツ人である、マルクスとエンゲルスが、同年に発したのが、本書である、「共産党宣言」である

当時も産業革命を背景として、強欲な資本主義があって、その対極に、共産主義という概念が生じた
いわゆる二元論的な世界である

これまでは、ブルジョアが握っていた、社会資本を、共有化して、貧富のない世界にするというのが、本旨である そして、そのために、ブルジョアから政権を、プロレタリアが奪還するという革命の宣言なのである

気になったのは、以下です

■ブルジョアとプロレタリア

・今日までのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である
・ブルジョア社会はいきなりできたのではない
・農奴⇒城外市民⇒大航海時代⇒マニファクチャラー⇒近代ブルジョア社会
・近代ブルジョアとは、封建社会の崩壊と産業革命が生み出した新しい支配層であることをいっている
・封建社会においては、圧迫された身分であり、自由都市にあっては、武装し、自治をもった組合をなした
・独立した都市共和国は、農村を取り込んで巨大化し、近代的代議士制国家を築く
・近代的国家権力とは、全ブルジョア階級の共通の事務をつかさどる委員会にすぎないといっている
・ブルジョアは、医師、法律家、僧侶らを特権階級から単なる賃金労働者に変えた
・これまでは変わることがなかった社会について、生産のたえまない変革、あらゆる社会状態のやむことのない動揺 永遠の不安定と運動が、ブルジョア社会の特徴である
・ブルジョア階級は封建制を打ち倒すのに用いた武器は、いまやブルジョア階級自身に向けられる
・それは、近代労働者の階級をいう
・機械の拡張、分業などで、労働者にとって機械の単なる付属物となったといっている 単純で、単調な、だれでも習得できるこつを要求されるだけになった
・全国に分散されている労働者が結集したものがプロレタリアである
・プロレタリアは、ブルジョアに対立する、ほんとうに革命的な階級である

■プロレタリアと共産主義者

・共産主義者の目的とは
 ①プロレタリア階級の形成
 ②プルジョア支配の打倒
 ③プロレタリア階級による政治権力の奪取
・私有財産の廃止をしようとするも、10人に9人については、既に廃止されているのだ
・個人的財産がブロジョア的資産に転化し得なくなる瞬間から、個人が廃止されたとみなされる
・労働者革命の第1歩は、プロレタリア階級を支配階級まで高めること、民主主義を闘いとること
・変革への手段
 ①土地収用を収奪し、地代を国家支出に振り分ける
 ②強度の累進税
 ③相続税の廃止
 ④すべての亡命者および反逆者の財産の没収
 ⑤国家資本および排他的独占をもつ国立銀行によって、信用を国家の手に集中する
 ⑥すべての運輸機関を国家の手に集中する
 ⑦国有工場、生産用具の増加、共同計画による土地の耕地化と改良
 ⑧すべての人々に対する平等な労働強制、産業軍の編成
 ⑨農業と工業の経営を結合し、都市と農村との対立を次第に除く
 ⑩すべての自動の公共的無償教育、児童の工場労働の撤廃

■社会主義的及び共産主義的文献

・封建的社会主義
・小市民的社会主義 小市民層 プロレタリアとブルジョアの間の階級層
・ドイツの社会主義、または、「真正」社会主義 フランス人の主張の下に哲学的空語をさしこむこと
・保守的社会主義 ブルジョアによる改良
・批判的・空想的社会主義 プロレタリア階級未発達時に現れる

■種々の反対党に対する共産主義者の立場

・共産主義者は、労働者階級の直接当面する目的や利益を達成するために闘う

フランス 保守的、急進的ブルジョア階級に反対して、社会主義、民主党に結びついている
スイス 急進派を支持する
ポーランド 農業革命こそ、国民的解放の条件
ドイツ ブルジョア階級が革命的に振舞うかぎり、共同して、絶対王制、封建的土地所有、小市民派と闘う

・共産主義者は、どこにおいても、現存の社会的ならびに政治的状態に反対するあらゆる革命運動を支持する
・これまでのいっさいの社会秩序を強力的に転覆することによってのみ、自己の目的が達成される

結論 万国のプロレタリア団結せよ

目次
ドイツ語版への序文
 一八七二年(マルクス・エンゲルス)
 一八八三年(エンゲルス)
 一八九〇年(エンゲルス)—— 一八八二年ロシア語版への序文(マルクス・エンゲルス)を含む
英語版への序文(一八八八年 エンゲルス)
ポーランド語版への序文(一八九二年 エンゲルス)
イタリー語版への序文(一八九三年 エンゲルス)

共産党宣言
 第一章 ブルジョアとプロレタリア
 第二章 プロレタリアと共産主義者
 第三章 社会主義的および共産主義的文献
 第四章 種々の反対党に対する共産主義者の立場

校 註
一八八八年英語版との対照
解 説

ISBN:9784003412459
出版社:岩波書店
判型:文庫
ページ数:116ページ
定価:570円(本体)
1951年12月10日第1刷
2007年04月05日第86刷改版発行

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2024年02月28日

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平易な本と言われているが、正直あまりよく理解できていない。
思考が深まった時に再度読んでみようと思う。

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2023年04月30日

Posted by ブクログ

Ⅰ.ブルジョアとプロレタリア

Ⅱ.プロレタリアと共産主義

Ⅲ.社会主義的および共産主義的文献

Ⅳ.種々の反政府党に対する共産主義者の立場

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2021年01月17日

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『共産党宣言』マルクス・エンゲルス著を読む。

自殺者が年間十万人を超え、
不登校引きこもり、無気力が多く、
鬱病などの精神疾患が席巻しているわけは、
やはり、
「人間が人間らしく生きられず、
生産を高めるための機械であることが生きる意味」になっている社会の現状があると思います。


いかに心が優しくても、人を思いやる心があろうとも、絵を描いたり音楽を奏でる才能や、美しい文章が書ける人、いかに知識や教養のある人でも、
資本を拡大するための定められた単純な作業さえもできなければ、
「社会不適応」
「お前には生きる権利はない」
という扱いを受けることになります。

鬱になろうが、病気になろうが、人がその結果死のうが、
資本と生産性が、人命よりも優先されることになります。
人命や人権の尊重は、「そうしないと結果生産性が上がらないから」という建前で守られているだけです。


いわば、世界は資本主義という宗教に侵略され、洗脳されており、
貨幣というお札に宿る神さまに対する偶像崇拝を強制され、
そのために人が死んだり殺しあったりするわけです。

星空の美しさや、大海原や大自然の美しさ、
人間存在の神秘にゆっくり想いを馳せる余裕もない。



マルクスは、
資本主義社会の問題点を提起し、
「一人ひとりの自由な発展なくして、
全ての人の自由な発展はない」
という互いに助け合う社会の理想を説いたわけです。

資本主義社会というのは、
お金を生み出す仕組みを持っている金持ちがますますお金持ちになる。
というか、どんどん発展していかないと、潰れてしまう運命にあるから、
馬車馬のように資本を拡大させ続けなければいけない。

働く人は、
その資本を拡大させるための「商品」であり、利潤を生み出す機械の一部でしかない。

たとえ、何でも生産してくれる機械ができたとしても、
それでも、「人間」から「人間」が搾り取る構図は変わりません。

それどころか、仕事の喜びや特殊技能は、ますます機械に奪われます。


誰が悪いというわけでなく、
「そういうゲーム」なのです。

「モノポリー」というゲームの勝敗は、
誰か一人が、全ての市場を独占し、ほかの全てのプレイヤーを破産させることで決まりますが、
ゴールが破綻と決まっているのが、資本主義というゲームのシステムなのです。

そして、誰一人としてこのゲームから降りることはできません。

マルクスは、資本主義の終焉を予言し、
世界中の労働者が、国境を越えて団結し、革命を起こして、
工場や資本を全員で共有する、分かち合う社会を言いましたが、
社会主義の歴史実験は失敗に終わり、
百年経っても、現状は変わっていません。




ただ、
マルクスさんの分析は「正しい」かもしれないけれども、
真ん中の一行を除いてはほかに、
「ワクワク」はしないのです。

世の中こういう風におかしい、
社会の構造のため、こんなに苦しんでいる人がいる、
こういう風に変えなければ!

というのはものすごく共感できるのですが、
これって果たして「生命の原理」に合致するのかという問題です。

生命の原理とは、宇宙が膨張し生成発展していくのと同じで、
自己の可能性を最大限に発揮していくことだと思うのです。


自然界って、強いものと弱いもののバランスで成り立っているわけで、
「捕食者は許せない」と、捕食者を一掃して、みんな草食動物だけにしたら、結局みんな死ぬよ?

正しい階級分け、正しい差別、正しい格差は必要です。
強者は弱者を搾取するのでなく、威張るけれども、護る。
弱者は、自分の分を受け入れる。

武道には強さによって帯がヒエラルキーのように見事に分かれていますけれども、いい仕組みだと思うのです。

無論、日本にも部落差別などありましたし、支配者の差別的な政策もありました。
そういうところは、変えていかねばなりません。




共産主義がうまく立ちいかなかった原因って、
ある意味この、「ワクワクのなさ」だと思うんです。

世の中こうじゃなきゃいけないばっかりで、
個人の立身出世や夢や自己実現というものが押さえつけられているわけです。

より高次の理想社会のために個人が犠牲になる全体主義は、
ナチスにも言えました。

日本やアメリカの発展は、
頑張ったら、テレビやクーラーが買える、彼女とデートに行けるみたいな些細な夢だったりしたんですね。

あと、精神性を大切にしたこと。

祈りと言ってもいいかもしれません。

全てを唯物的に考えた社会主義諸国が物質的に没落して、
精神性を大切にした自由主義諸国が発展したのは皮肉としか言いようがありません。

資本主義の権化と言われたロックフェラーは、
実は経験なクリスチャンで、ずっと教会への十一献金を欠かさず、人生後半生は慈善事業に財産を使っています。


マルクスは、思想も哲学も真理も法も普遍的なものでなく、
所詮は物質的な経済状況の上に置かれるものでしかないと言いました。

マックス・ウェーバーという社会学者は、
マルクスの言い分を認めつつも、
精神性が物質的世界を変えてしまうケースがあることを指摘しました。



「哀しみ」「憎しみ」「許せない」「被害者意識」ベースではじめたものって、
確かに、「正しい」し、「共感」もできます。
ですが、その先が見えないんです。

負の感情で巻いた種や、起こした行動は、
それが「正義」に満ちたものであればあるほど、
負の結果を刈り取ることになると思うのです。


左翼の方々や、社会活動をしておられる方は、
誠実で優しくて、弱者の苦しみや不正義に対して敏感という方は多いのです。
そしてその問題に対してしっかり行動を起こして訴えかけている。


でも、それで幸せになった人って見たことないんです。


それどころか、余計自分自身に苦しみが跳ね返って、矛盾は大きくなったり、
仲間同士で憎しみあいや暴力が始まる。

「許せない」「こんな社会間違っている」ではじめたものは、
同じものを、自らの内部に抱くようになります。

同情をやめろとか、差別や貧困を放置せよ無関心になれというのではなく、
根っこにある心の部分を見直して欲しいのです。

マザーテレサは、
「反戦活動」はしませんでした。
そのかわり「平和活動」を喜んでしました。




物事何でも、言葉が大切です。

初めっから、
「ヨーロッパに共産主義という幽霊が出て、みんな恐れているぜ!」
「階級闘争こそ歴史」
と、敵とバトる前提ではじめているじゃないですか。


締め括りも、堂々と、
「これまでの一切の社会秩序を暴力によって転覆することによってのみ自己の目的が達成されることを公然と宣言する。」

って、恨みベースでやってるから、
どこまで行っても、敵と憎しみと闘争を必要とするんです。



平和や人権を唱えながら、暴力的になる左翼活動家、
なんでもかんでも、被害者になって取るに足らない些細なことを差別だと騒ぎ立てる人々、

実際のところ、本人に原因のあるコンプレックスを社会のせいにして無限に正当化して、怒ってるだけではないでしょうか。

これは、もちろん、他国に対して差別的になる右翼にも言えることですが。


被害者意識や苦しみで団結するのではなく、
愛と尊敬と夢を叶えるビジョンによって団結し、
それぞれのフルパワーを出しながら、みんなの夢の実現に寄与する団結が必要です。

キリストの言う、それぞれの十字架というのは、
自分が自分であること全ての苦しみだけれども、
それを愛と生命と喜びにつなげていく連帯だと思うのです。


愛と光で連帯していこう、
愛と祈りで革命を起こしていこう。

具体的にやることはそれぞれ違うですが、
根っこの種のところそれを置くことが一番大切だと思うんですね。


















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2020年07月01日

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ネタバレ

よく言われる共産主義の私有財産の否定は所有自体を否定している訳ではなくブルジョワ的所有、つまり、社会の中の一部のみが私有することを否定し、モノは社会共通の所有物であると言うスタンス

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2020年04月18日

Posted by ブクログ

共産主義の古典であるのみならず、フェミニズムやコロニアリズム批判についても示唆的な記述が見られるさすがの著作。

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2019年12月21日

Posted by ブクログ

『共産党宣言』は、1848年にカール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスによって書かれ、ロンドンで公刊された。マルクス主義者による国際秘密結社「共産主義者同盟」の綱領であり、共産主義の目的と見解を初めて明らかにした文書である。
本書にも収録されている、エンゲルスによる「1883年ドイツ語版への序文」の中で、『宣言』の根本思想は、①各時代において、経済及びそれから必然的に生まれる社会組織は、政治や知的活動の基礎となる。②これまでの全ての歴史は階級闘争の歴史、即ち、搾取される階級と搾取する階級、支配される階級と支配する階級の間の闘争の歴史であった。③今や、搾取され圧迫される階級(プロレタリア階級)を搾取し圧迫する階級(ブルジョワ階級)から解放するためには、全社会を永久に、搾取、圧迫及び階級闘争から解放しなくてはならない。の3つであると述べており、これらが『宣言』の骨子である。
『宣言』は、有名な一文「ヨーロッパに幽霊が出る―共産主義という幽霊である。古いヨーロッパのすべての強国は、この幽霊を退治しようとして神聖な同盟を結んでいる・・・」で始まり、第1章では、これもまた有名な一文「今日までのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である」に続けて、ブルジョワ階級の出現が社会をどう変えたか、なぜプロレタリア階級による闘争の勝利が必要か、という『宣言』の要旨が述べられている。
更に、第2章では、共産主義がめざすものは、所有全般の廃棄ではなくブルジョワ的所有の廃棄であり、具体的な施策として、①土地・銀行・工場・運輸手段の国有化、②強度の累進税、③相続権の廃止、④教育の無償化などの必要性を強調し、第3章では、18~19世紀のヨーロッパに存在した様々な社会主義的思想について賛否を述べ、第4章では、共産主義者は、各国の現存の社会的・政治的状態に反対するあらゆる革命運動を支持すると宣言しているが、3章、4章あたりは、当時存在した「共産主義」への批判的意見や拒否反応を和らげるためのものとも読むことができる。
そして最後に、「万国のプロレタリア団結せよ!」という、これもまた有名な章句で締めくくられている。
翻って、現在の世界を見ると、移民・難民の急増、テロの頻発、それらを背景にした偏狭なナショナリズム/ポピュリズムの嵐と、世界が歴史的な曲がり角にいるのは明らかで、その大きな原因のひとつが、世界の随所に存在する「格差」にあることは間違いない。私は、基本的には共産主義に賛成する立場を取らないが、格差を縮小するため、貧困な人びとでも最低限の生活を営むための社会的な仕組みは不可欠であると思っており、『宣言』にはそのヒントがあるようにも思うのだ。
パラダイムの転換点にある今こそ、改めて読み返していい歴史的文書ではないだろうか。
(2019年11月了)

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2019年11月16日

Posted by ブクログ

共産主義を学ぶ集中講座、終わり。マルクス、エンゲルスの「共産党宣言」、レーニンの「国家と革命」、毛沢東の「毛沢東語録(超訳)」を参考図書とした。
まだまだ稚拙ではあるが、学びは以下2点。
一つ目は、共産主義の真の実践者は、おそらく毛沢東ただ一人だったのであろうという理解。
パリ・コミューンの不完全さ、ソ連の自壊、この歴史的に重要な共産主義社会はいずれも現存していない。
しかしながら、中国共産党による中華人民共和国だけは、60年以上継続し、現存している。
革命家としての毛沢東と、それを鄧小平が開放路線へ導いた奇跡的な進化があってのこそだとは思うが、それほど共産主義というものがユートピア的なもの(基本的に成立し得ないもの)であることを物語っている。

そして二つ目は、世界が閉ざされ、組織や環境が硬直化すると、物事は悪い方向へ向かうということ。
そして、世の中が悪い方向へ向かう時、暴力は正当化されてしまうということ。
今まさに、世界中でイデオロギーが再燃しているように感じる。
これからの未来が不安になった今日この頃。

以下、備忘録を兼ねた概要
「共産党宣言」
マルクス、エンゲルスの主張。封建社会の終わりは、単に新たな抑圧者を生み出したに過ぎなかった。それがブルジョワ社会。階級闘争の終わりを目指したのが、共産主義革命。プロレタリア階級がブルジョワ階級を支配し、強力的に古い生産諸関係を廃止することで、最終的には階級そのものを廃止するという考え方。

「国家と革命」
国家は抑圧のための権力であり現代の国家はブルジョワジーがプロレタリアートを搾取・支配する組織である。このような階級支配を終わらせ、国家を廃絶することが究極の目的。
マルクスによるパリ・コミューンからの学びを中心に、暴力、プロレタリアによる独裁を強調。プロレタリアート革命によるプロレタリアート独裁を経て、階級は廃絶され、国家も死滅していくという主張。そして日和見主義や無政府主義への批判、決別。

「毛沢東語録」
18. 愛国主義と国際主義:日本、イギリス、アメリカ、ドイツ、イタリアを意識。すべてのプロレタリア階級と手を組んで世界の民族と人民を解放する。民族主義や愛国主義を否定。
19. 文化と芸術:階級を越えた芸術、政治から独立した芸術は存在しないとの理解。芸術の自由な発展、自由な議論を認めながらも、政治路線に属した芸術を否定。
→毛沢東が、国際的な視点や芸術に対して、これほど開かれた考え方を持っていたことは意外。

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2017年06月06日

Posted by ブクログ

今日では発展段階論的な史学理論は破綻をきたしているが、それでも新自由主義へのアンチテーゼとしては参考になる部分もままあるだろう。

マルクス、レーニンが反動としての社会主義との区別化を図るために「共産主義」という語にこだわったということも書いてあり、20世紀に最も影響力のあった二人の思想・考えを探ることができよう。

本書では各国版の序文も載っているので、「宣言」出版以後の共産主義の浸透を受けて書かれたエンゲルスの考えも知れて面白い。

読んでおかなくではならない名著の一冊だろう。

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2016年07月18日

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一言でいえば、共産主義者はどこにおいても、現存の社会的ならびに政治的状態に反対するあらゆる革命運動を支持する。
このようなすべての運動において、共産主義者は、所有の問題を、それが多かれ少なかれどれほど発展した形態をとっていようとも、運動の基本問題として強調する。
最後に、共産主義者はどこにおいても、すべての国の民主主義諸政党の結合と協調に努力する。
共産主義者は、自分の見解や意図を秘密にすることを軽べつする。共産主義者は、これまでいっさい社会秩序を強力的に転覆することによってのみ自己の目的が達成されることを公然と宣言する。支配階級よ、共産主義革命のまえにおののくがよい。プロレタリアは、革命においてくさりのほか失うべきものなものをもたない。かれらが獲得するものは世界である。
万国のプロレタリア団結せよ!

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2016年02月17日

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プロレタリアを大層哀れんだ、救済者気取りのお坊ちゃんの、蜂起と革命の喚起を目的とする理論的煽動歌。熱量そのもの。

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2014年03月16日

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ブルジョアの社會にあつては、資本は獨立的であり、個性的であるのに、生きた人間は從屬的であり、非個性的である。……すごいフレーズ。資本主義を捉え直すに当たって、読んで損はない。

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2025年08月21日

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消化不良…

ロシア史や中国史に関連する本を読んできたので気になっていたのだが、今一つなるほど!感がない。恐らく当時の歴史的背景を理解していないからだと思われる。再考…

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2024年09月13日

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ネタバレ

学生時代に持っていた書籍です。

身分制があった時代から転換をしていた時期の「共産党宣言」について言及した書籍です。

サービス業が全盛期になっている現代で改めてどう自分の心構えがどうあるべきかを問うています。

社会的には身分制は廃止されている国々が大半です。
しかし、精神的な分別、捉え方をしている人が多くなっているように思えます。

自分を中庸に保つためにも自分を客観視しなくてはいけないということを刺激する書籍でした。

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2024年02月10日

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怠惰や家族制の説明等は良く分かりませんでした。
前提のブルジョア社会もまあおかしいので、時代的なところもありそう。

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2023年11月19日

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共産主義者はすべての社会秩序を暴力的に転覆することで、その目的を達成しよう。支配階級を共産主義革命の前に戦慄させよう。労働者はこの革命によって鉄の鎖のほかに失うものはない。労働者が得るものは全世界。各国の労働者は団結しよう。労働者階級の解放は労働者自身で達成するべき。マルクス&エンゲルス『共産党宣言』1848

暴力による革命ではなく、議会を通じて言論で社会主義を目指すべき。エドゥアルト・ベルンシュタイン『社会主義の問題』1896

デモクラシーは腐敗した少数者の政治にとって代わった無能な多数者による政治である▼自由は責任を意味する。そのため、たいていの人間は自由を怖れる▼人生には二つの悲劇がある。一つは願望が達成されないこと。もう一つはそれが達成されることである。バーナード・ショウ『革命主義者のための格言』1903 
※フェビアン協会(後の労働党)を創設。

鳥の歌声がいつも同じ調子にしか聞こえてこないというのは、無頓着な人間の粗雑な耳だけのことです。ローザ・ルクセンブルク『獄中からの手紙』
※スパルタクス団1916、ドイツ共産党を組織1918。ポーランド人。女性。

社会主義はすべての人類に文明を行き渡らせようと欲するものである。資本主義下では、文明は少数の特権階級の独占物である。カール・リープクネヒト。演説

国家はブルジョアがプロレタリアートを支配するための道具。国家がある限り、自由はない。国家の消滅が自由を打ち立てる。議会による漸進的な改良を目指す社会民主主義けしからん。今すぐ国家を廃止しようとする無政府主義者もけしからん(階級支配がなくなれば国家は死滅に向かう)。ウラジーミル・レーニン『国家と革命』1917 

銃殺隊のいない革命など意味はない。流血の上に新しい社会システムを構築する。レーニン

共産主義の急進派は現実の客観的な状勢を無視し、公式通りに行動することで、誤ったり行きすぎたりする。ウラジーミル・レーニン『左翼小児病』1920

労働組合の運動は労働者の悲惨な労働環境を改善するためのもので、いかなる政治体制とも両立できる。シドニー・ウェッブ&ベアトリス・ウェッブ『産業民主制論』1927 
※フェビアン協会(後の労働党)を創設。

企業の所有と経営が分離されるに伴い、企業者の機能の一部が職員層に委譲された。これにより労働者層とは区別されるホワイトカラー層が生まれた。マルクスが想定した労働者層の結束は弱まった。クローナ―『ホワイトカラーの社会学』1962

資本主義が成長すると、会社の所有(創業一族)と経営は分離されていく。大会社の社長はサラリーマンのトップにすぎなくなる。ホワイトカラー労働者が増え、炭鉱などで集団で働く労働者たちは減り、彼ら貧しい労働者の団結力は影を潜める。普通選挙で政治は平等になり、福祉で貧しい労働者は救済される。労働組合や労使交渉の法整備が進み、階級闘争は暴力性を失う。ラルフ・ダーレンドルフ『産業社会における階級および階級闘争』1964

グローバリゼーションと市場重視の(ネオリベラルな)政策により、貧富の差が拡大している。政治家は大企業を優遇。貧しい人は政治に不信感を覚え、投票にも来ない。コリン・クラウチCrouch『ポストデモクラシー』2000

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2025年04月26日

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『共産党宣言』の原文和訳。内容は婉曲的であるため、前情報なしでロジックを理解することは難しい。
ただし、文中からはブルジョア社会に対するマルクスの怒り、危機感と焦燥が伝わってくるようで、これが20世紀に世界を社会主義へと向かわせた理由が解った気がする。その意味でも一読する価値はあるかと思う。

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2022年05月08日

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 この宣言は1848年に共産主義者同盟の綱領として発表された。高度経済成長を背景に「一億総中流」社会を経て、真自由主義による貧富の格差が進み、さらに階級の固定化がじわりと進んでいるこの社会を見て、彼らならどのような分析をするのだろう。
 この宣言を手に取る読者は皆、そう思うのではないだろうか。

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2022年01月23日

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"この本の出版されたころの時代背景を考えながら読んでみた。世の中をきれいに2つにわけようとするのは一神教の教えからだろうか?
現在でも共感できる部分もあるが、不明な部分もある。当時の時代を学ぶ必要があると感じた。"

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2018年10月28日

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二元論を軸に階層格差について論じ、
階層の廃止を訴え、来るべき未来やあるべき社会を描き…
迸る情熱とアジテーション、その後の歴史を大きく揺さぶったことが頷ける。

しかし階層を乗り越えるための方法論が闘争的に過ぎるなど、現代の、また社会主義・共産主義国家の存亡を歴史の一部としてしか知らない身としては受け入れ難い部分は多い。

ここで描かれる私的財産所有の収奪などは、
サブスクリプションやシェアリングエコノミーにより、実はゆるやかに進行しているのではないか、という考えがふと頭をもたげた。

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2018年10月03日

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今日までのあらゆる社会の歴史は階級闘争の歴史である。ブルジョア(雇用者)と労働者階級。社会は革命によって古い階級を新しいものに置き換えただけ。
ブルジョア階級は支配を握るに至ったところでは、封建的な、家父長的な、牧歌的な一切の関係を破壊した。彼らは人間を血の繋がったその長上者に結びつけていた色とりどりの封建的絆を容赦なく破壊し、人間と人間の間にむき出しの利害以外の絆を残さなかった。彼らは人間の価値を交換価値に変えてしまい、自由を良心をもたない商業の自由と取り替えてしまった。(あ。想定敵は資本主義)ブルジョワ階級は家族関係からその感動的な鑑賞のベールを取り払って、それを金銭関係に変えてしまっt。産業の土台から民族的な土台を切り崩した。瀬さん道具(技術)の改良と交通の発達によってどんな未開民族をも文明の中に引き入れる。農村を都市の支配に屈服させた。

プロレタリアの運動は多数者の利益のための多数者の独立運動。ブルジョアの所有の廃棄。ブルジョアの家族は私的営利に基礎をおいている。家族喪失と公娼制度がそれを補う。

ものすごいブルジョア批判されているけど実際は社会主義を唱えている人も、ここで批判されているのと同じようなことをやってると思う。むしろそっちの方が多いかな。

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2016年01月15日

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【読書その84】本当に恥ずかしながら初めて共産党宣言読みました。初版が1848年とのことですが、170年近く経っているのにその新鮮さは凄いですね。

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2014年03月30日

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現実世界に大きな影響を与えた書であるが、人間はそこまで自律していなく与えられないと、または、命じられないと何もしない怠惰な者が僕も含めて多数な為理想的プロレタリア社会にはなりえなかった⁈

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2014年03月16日

ネタバレ

これではネオリベに対抗不可

読了、個人的に色々おかしいと思う箇所があった。
 まず、公認の婦人の共有って何でしょう?物扱いの共有財産ってことですか?女には人格(内面)ありません認めませんという前提?

 それと、全生産を結合して個人の手に集中されると公的権力は政治的性格を失うという文もあって、驚きました。これではいつか階級内に新たな独裁者を生み出すだけでしょう。人の心は制御できません。

 意見は共有できたとしても、個々の内面&身体は共有できないし、個人の立場は一つではありません。これを無視すれば机上の空論です。
人は制御可能な規格品ではないのです。

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2017年12月21日

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