西村由美のレビュー一覧
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ネタバレ◯本の構成の話
ティウリがお世話になった人に挨拶しに行く話が丁寧に描かれていた。物語のエンディングにあたる、お世話になった人への挨拶は、ダイジェストのように短くカットされていることは多いから、その部分が詳細に物語られる様子が新鮮に思えた。
◯かっこいい大人
ティウリを導いた大人(ウーベェン王、ナトリウス、ダナホウト王)たちは、若者(ティウリ、ピアック)たちに、耳を傾けるができる。若者に自分で考えることを伝える。その決定に、責任を持つこと持たないことどちらも大切だとを教えるため、若者が決定がひと段落しその後に生じる発見に気づくまで待つ。人の成長を待つことができる人ってかっこいいなぁと思った。 -
- カート
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試し読み
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可愛らしい絵の表紙からはまさかテロがからむ話だとは思いもせず。
記念列車のイベントで大事な役を任された車掌は、時間通りに発車しようとしていたまさにその時、ヨリーがおじさんを止めます。ハリネズミが列車の下に入り込んでいると。ヨリーとひげおじさんは必死にハリネズミを探し、すっかり汚れてしまい、ひげおじさんなんて、車掌なのに列車に乗せてもらえませんでした。母の住むホームで、ハリネズミを数えているうちに、ハリネズミではないものを見つけたひげおじさん。直ちにこれを処分しなければとホームを飛び出します。それは時限爆弾だったのです。さらにヨリーはもう一つ列車の下に仕掛けてあったと恐ろしい事を告げ、2人は列車 -
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王道の少年冒険小説。王道を侮るなかれ。
旅の目的は、隣国の王へ秘密裏に手紙を届けること。
道中、手紙を届けさせまいと邪魔をする敵や、旅の目的を話せない主人公を訝しむ人に足止めされつつも、一つ一つクリアして、仲間や道具を手に入れながら目的地を目指す。
極々シンプルなストーリー展開だけど、道中の危機をどう乗り越えるのか、無事に手紙を届けられるのか、ハラハラドキドキしながら読み進めた。
一つの難題を超えると、信頼出来る仲間が増えていくのも飽きさせない。騎士や隠者、街の人々に王、魅力的な人が多くいる。特に騎士はかっこいい…
語り口はいま流行りの児童書に比べれば、単調で堅苦しく感じるかもしれないけど、そ -
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なかなかまとめて読む時間がなく、読み終えるのに何日もかかりましたが、登場人物たちの冒険の時間を考えるとこうやって何日もかけて読むのもありかな、と。
私は慣れない名前や地名はあまり気にせずどんどん読んでいき、読むうちに人間関係など理解していくタイプですが、それに苦手意識を持つ人は、作者自身が描いた地図や人物紹介を見ながら読むといいかもしれません。
読んでいるうち、ティウリが17歳の「少年」であることを忘れそうになりますが、ピアックの存在は相変わらず心強く、そして、原書はわかりませんが、翻訳の口調で登場人物それぞれの異なる性格が生き生きと伝わってきます。
映像とはまた違う、自分で想像する楽し -
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作家のラヴィニアの家には、謎めいたドアがある。ドアの向こうには多くの国があり、パスポートとビザをもつ人だけが開けることができるらしい。トム先生のクラスのラウレンゾーたちは、作家からの課題に取り組みながら、自分と仲間たちを深く知っていく。
「本を読むのは、ドアを開けるのと似てるの。いま、この本を開いたら、あなたをまっているのはなにかしら?」
「物語を読むこと・きくこと」の喜びや力強さがすごく伝わってきた。本を開けばどんなところへも行くことができるというメッセージはもちろん、先生の読み聞かせを「手のかかる子どもたち」がとても楽しみにしていたり、ラウレンゾーとパパを今でも繋いでいる思い出が『メネ -
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うりふたつの双子ラウレンゾーとジャコモが、さまざまな困難にぶつかりながらも、助け合い、知恵を絞り合って乗り越え、正しい道を歩んでいく物語。
兄弟が別々の道を行く分かれ道が印象的だった。人生は「選択」の連続だということを象徴するような分かれ道。この物語には二人の兄弟が自分の進む道を「選択」する場面が多く出てくる。性格が全然違うラウレンゾーとジャコモだが、二人が選択する道はいつも自分の良心に真っ直ぐな道だ。
「盗み」の力を証明しなければならないが「泥棒」にはなりたくない。客に預かった品を譲るよう脅されるが、どうしても渡せない。愛する人と結ばれるためには嘘をつかなければならないが、偽りたくない。 -
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アンネ・フランクは、過去ではない。
ナチスの手から逃れるため、かくれ家にひそみ暮らしたアンネ・フランク。どんなにおそろしい状況の中でも希望を失わずに生きた彼女を支え続けたものは、彼女が「キティー」と名前をつけた日記帳だったーー。アンネが無邪気に遊んでいた幼い頃から、悲しい最期を遂げるまでを描いた物語。
「書くことは、アンネにとって何よりも、いちばんすてきで、いちばんたいせつなことだったのです」
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アンネの一生を、十のテーマ(章)に分けて描く。各章冒頭に、アンネが生きていた時代の様子を簡潔に紹介していて、背景知識がない子どもたちにとって理解の助けになる。
希望を失わず -
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オランダ人の女性作家が、書いたアンネ・フランクの伝記。
過去のアンネフランクについての文献を基に、家族がドイツを離れてからの、オランダでの生活が書かれている。アンネをはじめとした家族や友人の会話、またアンネの気持ちや様子が生き生きと描かれていて、読み手はアンネに寄り添って物語に入り込むことができる。その上、小さな10の章に分かれているので、中学年でも読みやすい。
しかし一方で、章の初めには、歴史的背景が(異なる字体で)説明されていて、これがフィクションではないことを認識させられる。
児童がこの事を知る事で、自身の生活を振り返えり、ひいては世界の人々の生活に思いを馳せてくれる事を願う。