西村由美のレビュー一覧
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楽しい(^^)そっくりなふたごに対する世間の期待ってこれなんですよね。でも、中身は全く違うというのは本当は疑問。
ラウレンゾーとジャコモは仲良しで、頭がよく、多分正義を愛するふたごの兄弟。
ラウレンゾーは貴金属職人に、ジャコモはたまたま泥棒の親方に師事する。そして、どちらも素質を認められる。ジャコモは泥棒にはなりたくないが親方には認められたい。ジャコモの卒業試験はとあるお城から美しいジョッキをひとつ盗んでくること。それが出来たら認めてもらえるし、泥棒にはならなくて良い事となる。ジャコモは上手くやったが、ラウレンゾーは困った事になってしまう。
上下巻とも二人が巻き込まれたり、引き起こしたりした事 -
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これぞ、岩波少年文庫と思える作品。 ☆4.5
バビナ国で生まれた双子の兄弟、ラウレンゾーとジャコモの成長物語が、上巻に8話、下巻に
4話収められている。
双子といえば私の高校の同級生にもいた。姉妹だったけれど二人とも音楽が好きで、弟ジャコモのように歌も作っていたことを思い出す。
「さあ、みなさん!いいですか。・・」
アンデルセン「雪の女王」からの引用で始まる
第1話は「ふたごの誕生」
靴屋のもとに子犬と子猫が2匹ずつ、鳩が2羽やってきた。そして奥さんが双子の元気な男の子を産む。幸運が舞い込んでくる書き出しは、昔話のようで読みやすい。二しずくの水のようにそっくりな兄弟が、仲良く並んでいるさ -
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上巻から引き続き。
主人公ティウリと、旅の仲間となった山の少年ピアックの冒険が、豊かな情景描写やテンポの良いリズムで描かれた作品です。
ストーリーの展開としてはファンタジーの王道として、安心して楽しむことができますし、1962年の作品ではあるものの決して「古い」という感じもないと思います。
エンディングがややご都合主義的な部分があるようにも感じましたが、少年文庫の古典作品としての魅力を損なうものではありませんでした。
「騎士」としての使命をどのように果たしてゆくのか、他者から(形式的に)認められるかどうかが問題なのではなく、自分が何を大切に生きるかということが最も重要なのだ、というメッセー -
Posted by ブクログ
ネタバレ中学1年生の課題図書の候補として、「岩波少年文庫」から選書しました。
主人公はティウリという騎士見習の少年。
騎士となる叙任式の前夜、最後の試練を受けている最中に、助けを求める声を聞きます。掟をやぶり、その声に応えたティウリは、図らずも国を越えて隣国の王へ手紙を届けなければならないことになります。彼を追う「赤い騎士」や「灰色の騎士」、正体の見えない密偵など様々な危機が立ちはだかりますが、冒険の過程で得た「旅の仲間」とともに、与えられた試練(騎士としての試練ではなく、「使命」としての試練)に邁進していきます。
イメージとしては、少し読みやすくなった(「悪」という概念を前面に出していない)指輪