西村由美のレビュー一覧
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そっくりな二人は、でも別人だからいつかは別れていく。
ラウレンゾーは貴金属職人として大成していくが、ジャコモはいろいろな職業に就くがなかなか続かない。しかし、器用で弓矢も楽器も何でもそこそここなしてしまう。
二人で何かするのが楽しいふたり。お互いを思いやり、誠実なのだ。ある時は旅に出て、海で嵐に遭い、別々の場所に打ち上げられたりしながら、結局は、二人で問題を解決していく。
命をかけてお互いを助け合う姿は、周りの人をも変えていく。美しい真珠のようだと。
最後の話で、ジャコモがようやく自分に合った仕事を見つける事ができる。
二人を仲違いさせようと嫌な事を告げる人もいるが、そんな事に全く惑わされないところが素晴らしい。爽やかなふたり。
児童書だからこその理想を貫く作者の心意気、すごくいい!こんなふうに生きられたら、と思う。 -
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楽しい(^^)そっくりなふたごに対する世間の期待ってこれなんですよね。でも、中身は全く違うというのは本当は疑問。
ラウレンゾーとジャコモは仲良しで、頭がよく、多分正義を愛するふたごの兄弟。
ラウレンゾーは貴金属職人に、ジャコモはたまたま泥棒の親方に師事する。そして、どちらも素質を認められる。ジャコモは泥棒にはなりたくないが親方には認められたい。ジャコモの卒業試験はとあるお城から美しいジョッキをひとつ盗んでくること。それが出来たら認めてもらえるし、泥棒にはならなくて良い事となる。ジャコモは上手くやったが、ラウレンゾーは困った事になってしまう。
上下巻とも二人が巻き込まれたり、引き起こしたりした事件を二人が解決していく展開。そして、そっくりな二人の顔が役に立つ( ´ ▽ ` )
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これぞ、岩波少年文庫と思える作品。 ☆4.5
バビナ国で生まれた双子の兄弟、ラウレンゾーとジャコモの成長物語が、上巻に8話、下巻に
4話収められている。
双子といえば私の高校の同級生にもいた。姉妹だったけれど二人とも音楽が好きで、弟ジャコモのように歌も作っていたことを思い出す。
「さあ、みなさん!いいですか。・・」
アンデルセン「雪の女王」からの引用で始まる
第1話は「ふたごの誕生」
靴屋のもとに子犬と子猫が2匹ずつ、鳩が2羽やってきた。そして奥さんが双子の元気な男の子を産む。幸運が舞い込んでくる書き出しは、昔話のようで読みやすい。二しずくの水のようにそっくりな兄弟が、仲良く並んでいるさし絵があるのも嬉しい。これから何が起きるのだろうかとわくわくさせられた。
第2話「学校へ」
学校へ毎日行くのが嫌な二人は、双子ならではの良い方法を思いついた。先生のトーマス修道士は嘘をついたことを罰するのではなく、ギリシャ神話を聞かせて二人に反省を促した。二人いっしょのほうがずっと楽しい!と気づいた双子の少年時代がこのまま続くように思われたのだが・・
悲しい別れを経験した双子の兄弟が世の中へ出ていくことになるのは、第3話から。仕事を探すために二人は別々の道に進んでゆく。
「タラムーラ城の銀のジョッキ」「なぞなぞ騎士」「消えた小麦袋の謎」と、二人の大冒険の旅は続く。双子の片方が窮地に陥ればもう片方が必ず助けに行く。だが、とても良き相棒だったはずの二人に・・
第7話「ダイヤモンドの燭台」では、双子の兄弟は同じ少女をめぐって恋の火花を散らす。気まぐれなマルヘリータ姫に聞かせた「三人の旅人」の話が良かった。「美しい姫ぎみに恋して争う木彫家、仕立て屋、巡礼者の三人。老人が出した助言に従い愛を告白するが、姫ぎみは何も答えずただ黙っている。取っ組み合いのけんかの最中に、三人が"命"を与えた姫ぎみは、元の木像に戻ってしまう。心がなく、愛を感じることのできない木像に過ぎないとわかり、三人の愛はすっかり消えてしまった。」教訓とも言えるお話だが、何だか虚しさを覚えた。
最後の8話目は「宿屋"妖精の客"」
宿屋の主人がジャコモの元親方で"泥棒のヤノス"だとわかり、二人で懲らしめる話は面白くて笑ってしまった。
下巻は、船に乗って見知らぬ国へ旅する話のよう!楽しみながら読み進めたいと思う。 -
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上巻から引き続き。
主人公ティウリと、旅の仲間となった山の少年ピアックの冒険が、豊かな情景描写やテンポの良いリズムで描かれた作品です。
ストーリーの展開としてはファンタジーの王道として、安心して楽しむことができますし、1962年の作品ではあるものの決して「古い」という感じもないと思います。
エンディングがややご都合主義的な部分があるようにも感じましたが、少年文庫の古典作品としての魅力を損なうものではありませんでした。
「騎士」としての使命をどのように果たしてゆくのか、他者から(形式的に)認められるかどうかが問題なのではなく、自分が何を大切に生きるかということが最も重要なのだ、というメッセージがしっかりと伝わってきます。
小説として楽しみながら、自身の生き方についても考えさせられる、”課題図書”として出すにも適した本だと感じました。 -
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ネタバレ中学1年生の課題図書の候補として、「岩波少年文庫」から選書しました。
主人公はティウリという騎士見習の少年。
騎士となる叙任式の前夜、最後の試練を受けている最中に、助けを求める声を聞きます。掟をやぶり、その声に応えたティウリは、図らずも国を越えて隣国の王へ手紙を届けなければならないことになります。彼を追う「赤い騎士」や「灰色の騎士」、正体の見えない密偵など様々な危機が立ちはだかりますが、冒険の過程で得た「旅の仲間」とともに、与えられた試練(騎士としての試練ではなく、「使命」としての試練)に邁進していきます。
イメージとしては、少し読みやすくなった(「悪」という概念を前面に出していない)指輪物語といったところでしょうか。戦闘の描写がリアルに描かれているわけではないので、血沸き肉躍る冒険小説、という和気ではありませんが、ティウリが様々な危機を知恵や勇気、機転で乗り越えてゆく姿は応援したくなりますし、下巻の展開も含めて続きが気になります。