【感想・ネタバレ】ドアのむこうの国へのパスポートのレビュー

あらすじ

作家の家には,なぞめいたドアがある.ドアのむこうには,特別なパスポートを持った人しか入れないという.クラスの子どもたちは作家と手紙をかわしながら,パスポートやビザの申請といった課題にむきあううちに,仲間や自分をより深く知っていく.オランダの人気児童文学作家二人による,子どもたちへのエールに満ちた物語.

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Posted by ブクログ

作家のラヴィニアの家には、謎めいたドアがある。ドアの向こうには多くの国があり、パスポートとビザをもつ人だけが開けることができるらしい。トム先生のクラスのラウレンゾーたちは、作家からの課題に取り組みながら、自分と仲間たちを深く知っていく。

「本を読むのは、ドアを開けるのと似てるの。いま、この本を開いたら、あなたをまっているのはなにかしら?」

「物語を読むこと・きくこと」の喜びや力強さがすごく伝わってきた。本を開けばどんなところへも行くことができるというメッセージはもちろん、先生の読み聞かせを「手のかかる子どもたち」がとても楽しみにしていたり、ラウレンゾーとパパを今でも繋いでいる思い出が『メネッティさんのスパゲッティ』の読み聞かせであったり……。

作家ラヴィニアが出してくる粋な課題に取り組むなかで、子どもたちの関係性が徐々に変わり始めるところもよかったな。もちろんそれは、トム先生の優しい眼差しがあったからこそで、それが感じられる場面は読んでいてとても心地よかった。渡し守がポツポツと語る大事な言葉も魅力的だった。

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2023年07月08日

Posted by ブクログ

わたしにはとても面白かったが、子どもウケするかというと、なんとも…。
子供にはちょっと肩透かしの印象になりそう。

冒険ではなく、冒険に辿り着くまでを冒険にした物語。
やや不思議な小学校についてもあんまり説明はない。
日本でいえば、フリースクールみたいなものか。

あのトンケ氏がこんな不思議なガイド役の女性になって、物語に登場しているということが、私には大きなことだった。

主人公とパパのことも、一応は好転してホッとしたけど、日本社会から見ればこれってけっこう酷い状況なのは変わりないし、モヤモヤしないとは言えない。

それでも、こういう小さなものを積み重ねる物語が私は好きだし、物語は良いものだと信じる人たちが作った本である、と読んでいる間に始終感じていられたのは心地よいと思えた。

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2025年03月25日

Posted by ブクログ

自動車コーナーで、心惹かれるタイトルの本を探すのは、まさに宝探しだなと思う。
タイトルの言葉、表紙の絵、見ていてワクワクします。

中に出てくる子どもたちと一緒に、冒険している気分です。といっても、心の冒険。未知のものに出会うワクワクは怖いけれど、向き合えばちゃんと力になる。大人の立場、子どもの立場、それぞれを、自分だったらどうするかなと考えると面白い。

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2025年03月07日

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様々な特性を持った子達が、先生と作家の出すちょっと変わった問題を考えながら、自分を見つめ、他の子を理解していくお話。
最終的にコスモポリタン国に入る事ができる。
なるほど、コスモポリタンってそういう意味なのね。
小学校高学年2024課題図書だけど登場人物10人の子達の特性がわりかし、はっきり書かれてるあたり、小学生に読解できるかなぁ…とちょっと思った。
ボリュームも少なく、会話が多く読みやすいけれど、奥が深い。
中学生でもよい。
担任の先生の子どもたちへの会話対応が素敵だった。

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2024年09月21日

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2024読書感想文課題図書
やっと課題図書っぽい作品に出会った気がする
子どもに読ませてたいし大人もしっかり考えさせられる、考えるべき本
オランダの国事情を差し引いても国境のない共通課題がこの作品にはある。特別支援教育(情緒)に興味がある大人にも勧めたい。
小学生たちはどんな感想を綴るのかな、審査が楽しみだし全国で選出された作品が有ればぜひ読みたい

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2024年09月09日

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ドアの向こうがよく分からなかったが面白かった
明かされる前はドアの向こうはどう何なんだろう?とワクワクした

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2024年07月20日

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2024年読書感想文課題図書 高学年
このお話は、実話を元に作られています。
1978年、作家を夢見る19歳のリンデルトは、有名な児童文学作家だったトンケの家を訪ねます。
トンケは児童養護施設で過ごしたことがあり、また、教育に困難を伴う子どものための学校に通った経験がありました。
また、1982年にパスポートそっくりの本が社会問題となって、法務省が本の回収に乗り出したとき、二人は実におもしろい対応をしたのです。
さあ、現実と空想とユーモアが入り混じる本の世界へ行ってみてください。

普通の異世界へ行くお話とは一線を画す設定がよかった。あとは、このお話のもとになった実話のエピソードがすごく楽しかった。トンケ・ドラフトの本は読んだことがないので、読んでみたい。

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2024年06月26日

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"変わった子が通う学校” というのが何なのか、何故なのか、が語られておらず、気になるところです。物語内ではみな、普通の子どもたちなので。
先生は素晴らしいですね。子どもたちがのびのびと生活できているので。

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2024年06月19日

Posted by ブクログ

教育に困難をともなう子の学校。作家とのやり取りを通じて、ドアのむこうの国へのパスポート申請書を書いたり、その連邦にありそうな国のビザを自分で考えて書いたりという授業が楽しい。

でも何よりも子どもたちが楽しみにしているのは、先生にお話を読んでもらうこと。そういえばわたしも6年生のときの先生がお話を読んでくれるのがすごく楽しみだった記憶がある。

でもってこのパスポート申請書やビザのくだりは実際に起きたエピソードをもとにしていることが巻末のあとがきに記されていて、これもまた楽しかった。

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2023年11月14日

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大人向けのステキな冒険ものの様でした。子どもたちが少しずつお互いのことを理解していったり、ラウレンゾーも自分の気持ちを伝えられる様になったり、最後はお父さんからの優しい手紙にホッとしました。

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

子どもが読んで面白いかな?(特に翻訳ものとして)
とい疑問があるが、大人は読んで面白かった。
先生がとてもよい先生だということがわかるし、渡し舟の船頭さんがお父さんというのもよかった。
しかし、最後の解説のパスポート事件のあらましがわかり、作者の人となりを知ると、この本の面白さがわかる。

ファンタジーと思って手にとる子にとってはがっかりする内容かもしれない。最後までドアの向こうを楽しみにしてきたのに、クラスをまとめる手段(?)だったのか、とがっかりするかもしれない。
オランダの教育事情がわからない子どもからしたら、特別な学校というニュアンスも微妙かもしれない。

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2025年02月04日

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ネタバレ

あとがきの実話のエピソードがおもしろかった。
本編は支援学校に通う子どもたちが、みんなでドアのむこうの国へ行くためのパスポート作りでお互いに良い関わりができるようになる話。

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2024年07月24日

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令和6年読書感想文高学年の部課題図書。
特別支援学校に通う子ども達。バラバラなクラス。担任のトム先生の読み聞かせの時間だけはみんな楽しみにしている。
トム先生の友人の児童文学作家と交流が始まり、作家の家のドアからつながる国へ行くための課題をこなすうちにクラスの仲間のことを知って団結していく。
パスポートやビザ作りは楽しそう。本の題名を当てるクイズはやってみたい。
オランダが舞台だが、子どもにはオランダの街並みや渡し船などイメージしにくい気がする。個人的にも今年の課題図書の中で1番読み進めにくかった。

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2024年07月07日

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小学校高学年の課題図書と言うことで読みました。
不思議なタイトルに惹かれましたが、想像していた大冒険のお話ではなかったです。
ケンカが絶えない支援学校のクラスで、子供たちに冒険をさせることで、学校が楽しくなり、お互いを理解して良いクラスにして行くお話でした。

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2024年06月17日

Posted by ブクログ

5年から。2024読書感想文高学年。新しく特別支援学校に通い始めたラウレンゾー。言い合いの絶えないクラスだが、トム先生の読み聞かせの時間はみんな大好き。そんなある日先生が、作家さんへ手紙を書くことを提案し、ラウレンゾーは作家さんの家に招かれることに。そこで見たドアはメトロポリタン連邦へと繋がっていることや、大使がいることなどを教えてもらい、クラスでなぞなぞビザや行きたい国ビザを作りながらクラス全体が成長していく。
抽象的表現や、特別支援など、子どもにとって共感しにくい本かなと思います。ビザ作りは楽しそうですね。

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2024年06月03日

Posted by ブクログ

作家の家には謎めいたドアがある。ドアのむこうへ行くには特別なパスポートを持った人しか入れないという。作家と手紙を交わしながらパスポート申請やビザを作成していく中でクラスメイトとの関係も深まっていく。

あらすじ見て面白そうと手に取った本。
作家からの課題に取り組む子どもたちと先生のやり取りが微笑ましく、ついにドアの向こうへ行けるという皆の高揚感が伝わる。
最後まで読んであたたかい気持ちに包まれた。

最後に書かれていたのは作家の実際の経験に基づいてできたお話だそうで、2人の出会いやエピソードが素敵だった。

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2023年07月25日

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