森村たまきのレビュー一覧
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兵役に就いたこと以外は、絶賛無職中のア-チ-ことア-チボールド.ム-ム-は、滞在したホテルで支配人と一悶着起こした後にフロリダへ赴き、そこで美女と恋に落ちて電撃結婚をするが、新妻となったルシ-ルの父親はニューヨ-クのコスモポリタンホテルの経営者、ダニエル.ブリュ-スター氏であり、ア-チ-が靴磨きと水のポタポタ漏れのことで、大揉めをし口汚く罵った相手だったのである。
しかし愛する娘のため、煮えたぎる心をグッと抑えてブリュ-スター氏は二人の結婚を不承不承ながらも認め、コスモポリタンホテルのスウィートに住まわせ、養うことにした。
ア-チ-は頭が良く、性格が良く、誰にでも親切で特に困った人を目の前にすると居てもたってもいられない優しい男だが、いかんせん彼は仕事を持たない文無しである。若い二人はなんとか親父さんのご機嫌を取るべく画策するのだが、いつも徒労に終わり親父さんはますます不機嫌になると言った具合。
しかし心根の良い者たちを神は見捨て無かったようだ。紆余曲折の果てに大失敗と見えて実は、雨降って地固まるというか、何というか、兎に角ハッピーエンドの結末が待っているのである。 -
Posted by ブクログ
オリジナルは1939年。Uncle Fred in the Springtime
森村さんのウッドハウスは、ジーヴスの5冊目くらいまで読んで、その後10年以上読んでいなかった。
いつのまにかシリーズは完結して、他シリーズも続々刊行されている。
森村さんの仕事量に感服した。
今回はジーヴスものではないので、気持ちも新たに、久々に手に取ってみた。
相変わらずのふわふわした世界と、言葉尽くしのユーモアにニヤニヤさせられる。
シェークスピアやテニスンのパロディが頻出しているようだけど、わかっていて読んだらもっと笑えるだろうなあ。
今回はエムズワース卿(このシリーズも読んでいなかった)も登場するが、主人公?たる、フレッド伯父さん、こと、イッケナム卿がなかなかのキャラクター。
ちょっと読んだだけでも危ういところだらけなのに、自信満々のこの人物をすっかり気に入ってしまった。
エムズワースは喋り方も老人ぽい訳になっていたけど、その少し後輩であるイッケナムは一人称も【俺】で若々しくて可愛い。
ドローンズクラブ、サー・ロデリック・グロソップなど懐かしい名前が登場して、やはりジーヴスやバーティと同じ世界の住人なんだなあと感動。
(語り手のポンゴも、名前だけはバーティシリーズに出ていたらしい)
相変わらずの、優雅でわちゃわちゃした彼らの生活にうっとりした。
※手元にはお金はないけど、基本は金持ちのお話
3人出てくる老貴族は、甥や息子から見ればみんな狂っているし、女性陣はいつも最強。ウッドハウス節は健在だ。
今回はちょっと登場人物が多すぎた感もあり、最後は突然のハッピーエンドになるけど、読んでいる間はとても楽しかった。
三谷幸喜のコメディなどとも近い笑いだと思う。
イッケナムが貴族年鑑を読むのは、「変な名前を見て笑いたいときだけ」…爆笑。
さすが、アメリカで、長く、普通の人として商売してきただけある。(後書によると、爵位継承位最底辺の育ちだったのに、あれよあれよと爵位を得てしまったという背景あり)
イッケナムの、イカれた思考の中にもごく稀に、普通の人らしい感覚があって興味深い。少なくとも表面上は、他の貴族より一枚上手。
同時収録の短編、「ゆけゆけ、フレッド伯父さん」も、読んでいるあいだ、ずっと脳内に吹き替えの笑い声が響いて来るギャグ小説だった。
最後に。
イッケナムってどんなスペルだろうと調べたら↓
あの長い本名はFrederick Altamont Cornwallis Twistleton,5th Earl of Ickenhamでした。写すだけでも大変だ。
名前といえば、さらに、レジナルドのあだ名がどうしてポンゴなんだ?という一点。
かっこいい本名があるのに謎すぎる。 -
Posted by ブクログ
ジーブスシリーズは、どれも似たような、軽快でクスッと笑えて後に残らないお話だ。でもやはり面白いので、特に日常生活…仕事など…が忙しいときなどに読みたくなる。そして、読むと愉快な気持ちになれる。
今作はバートラム・ウースターがハマって練習を重ねる楽器に不快感を持ったジーブスが彼の元を去り、ウースターの友人のところに勤めはじめるという衝撃の内容。この友人と、ウースターがかつて婚約をしたアメリカ人の富豪の娘の恋愛が絡んで、いつものドタバタ喜劇の幕があがる。
突拍子もないのだが、英国の貴族世界の文化を覗き見れるのがたいへん興味深いし、その中で生きる人たちの大仰な言葉遣いとチグハグなおマヌケさが面白い。
また別のが読みたくなった。