あらすじ
笑いの古典、巨匠と認められたコミックの天才との賛辞を賜る大ウッドハウスのおマヌケ千万なおバカ者列伝。
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Posted by ブクログ
ウッドハウスのジーヴスものの第一巻。ジーヴスが初登場する作品はもちろんのこと、主人公バーティの平穏な生活を常に引っ掻き回す旧友ビンゴも、この巻ですでに登場している。
訳者あとがきにも出てくるのだが、ジーヴスものは落語でいうところの『粗忽長屋』である。登場人物たちは、ジーヴスを除いておおよそ全員がそそっかしく、世の中を浮草のように揺蕩う愛すべきおバカであり、粗忽者である。
ただ、主人公バーティは自分自身も奔放な生活を楽しみつつ、決して頭が悪いわけではない。随所にシェークスピアや欧米圏における古典のセリフを出したりしていて、いわゆる「教養」は持っている。知性を兼ね備えたおバカなのである。
そのうえで、自分と周囲の友人たちのバカな行動に振り回され、窮地に陥り(ジーヴスものでは頻繁に「僕は首までスープに浸かっている」という表現でピンチを表している)、そのたびにジーヴスに救われる。
水戸黄門にも似た、「最終的にはハッピーエンド」という造りの物語ばかりなのだが、毎度毎度、よくもまぁここまで違うタイプのトラブルやピンチに巻き込まれるものだ、と感心するしかない。そのあたりは著者の力量が並外れているということだろう。
作品ひとつあたり30ページぐらいしかないので、ノンビリ読んでも1時間あれば1本、読み終えられる。1時間のショートコントを堪能できると思えば、これほど贅沢な話もない。
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ジーヴスシリーズはやっぱり短編の方が笑いのエッセンスがギュッと詰まっていて面白い。「ジーヴス登場」はバーティーがジーヴスを執事として採用した時の話。初めての出会いで癒しのそよ風のように音もなく玄関口をふわりと浮かんで通り抜ける身のこなしや、ジーヴス考案による遅い夜の翌朝の一杯で、いきなりバーティーの心を鷲掴み。バーティーとフローレンス・クレイ嬢との婚約を快く思わないジーヴスは…。初っ端からジーヴスリードでバーティーの主人としての威厳も呆気なく崩れた。「コーキーの芸術家稼業」、ニューヨークで仲良くなった肖像画家の卵コーキー。結婚したい相手を、脛をかじっている金持ちな叔父に紹介したいのだと相談にきた。ジーヴスの妙案で上手くいくかと思われたが…。「ジーヴスと招かれざる客」お気に入りのネクタイを過分に装飾的で不適切とジーヴスに言われ意固地になったバーティー。険悪な雰囲気の中、アガサ伯母さんの友人が息子の面倒を見て欲しいと訪ねてきた。有無を言わさず世間知らずのお坊ちゃんを押し付けられたが…。
「ジーヴスとケチンボ公爵」口ひげを生やしたバーティーに不満なジーヴス。友人の危機を助けるべくフラットを貸すことに。その他、「伯母さんとものぐさ詩人」「旧友ビッフィーのおかしな事件」「刑の代替はこれを認めない」「フレディーの仲直り大作戦」「ビンゴ救出部隊」ときて、最後の「バーティー考えを改める」が語り手がジーヴスという貴重さで一押し。ご主人様への愛に溢れた?描写が抜群で、最高!ジーヴスが紛れもなくドSであることはまず疑いない。
Carry on,Jeeves/P.G.Wodehouse/1925
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まさに「おバカの宝石箱」。1編読むだけで充分楽しめるので、毎日1編ずつ読んでちょこっと幸せ時間にひたる、みたいな読書ができる貴重なシリーズですね。
短編集で、今回もいろんなおバカ話炸裂で大満足です。
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バーティ&ジーヴスシリーズの短編集。
安定感すら感じさせるバーティと友人たちのバカっぷりがタマラナイ。愛すべきワンパターン。
文藝春秋社から刊行の『ジーヴスの事件簿』と被る短篇もあるけど役者が変わるだけで雰囲気も大きく違うね。個人的にはこちらのほうが好みかな。
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大好きなシリーズです。まだ全部は読んでいないけれど。
去年あたり世間には執事ブームが来ていたようですが、私の理想の執事は世のイケメン共を突き放して彼がダントツ一位!笑
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『ジーヴス登場』
ジーブスとバーディの出会い。バーディを教育しようとする婚約者からバーディを救出するジーヴス。
『コーキーの芸術家稼業』
『ジーヴスと招かれざる客』
『ジーヴスとケチンボ侯爵』
『伯母さんとものぐさ詩人』
『旧友ビッフィーのおかしな事件』
『刑の代替えはこれを認めない』
『フレディーの仲直り大作戦』
『ビンゴ救援部隊』
ダリア叔母さんの雑誌に恥ずべき記事を載せられようとしているビンゴ。ビンゴの親戚宅のコック・アナトールを狙うダリア叔母さん。
『バーディ考えを改める』
ジーヴス目線の話。結婚を意識し始めたバーディが友人の身代りに学校に行くことに。
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英国ユーモア小説ではおなじみのコンビが繰り広げるお笑い話を収録した、ウッドハウス・コレクション(国書刊行会)第3弾。
これには、人はいいけど頭がまわらぬバーティのもとに、完璧な執事ジーヴスがやってきた件、最後にはジーヴス自身が語ったお話が載っているのも、楽しめる。
ジーヴスものの短篇集なので、寝る前に少しずつ読んでいたので、読み通すのに時間がかかってしまったが、いわゆる心地よく(ひと笑いして)眠りにつくナイトキャップとしても最高では…(疲れてバタンキューの晩以外は)
また、文章の面白さを味わう小説でもあるから、そのうち原書にも目を通すと面白いかもと思うようになってきた。
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再び連作短編集。ジーヴスが初めてウースター家にやってきた話しと、ジーヴス視点の話しが収録されている、貴重な一作。相も変わらず、服装でもめて、友人親戚一同はおばかな騒動を繰り広げている。
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ジーヴスシリーズの三作目。
ニューヨーク時代のものが中心みたいです。
あいかわらずおバカなバーティの元にやってくる、おバカな友人のおバカな相談事(ややこしい)
をジーヴスが颯爽と解決してくれます。
ダリアおばさんがアナトールを雇用したいきさつや、ビンゴとロージーの結婚生活など前作を見た人はなるほどと膝を打つつくりになってます。
ジーヴスとバーティのなれそめ(?)と、ジーヴスが一人称の話とか収録されててほんとうもう、
ありがとう、ありがとう!とだれかれ構わず握手したくなります。
今までジーヴスはバーティのこと心底小馬鹿にしてると思ってたんですが、これ見てちゃんと主人を愛すべき人物だと思ってるとわかって嬉しいです。
よかた〜
Posted by ブクログ
ちょっと、というよりかなりおマヌケな若主人・バーティーと、完璧な執事・ジーヴスの凸凹主従コンビのお話もこれで3冊目となりました。3巻で終わりの予定だったのが、なんと続刊刊行が決定したそうで大変めでたい!
前の巻の「よしきた、ジーヴス」は揉め事は複数あれども、大きな流れはひとつという長編小説でしたが、この「それゆけ、ジーヴス」は1巻と同様に短編集。1、2巻の登場人物が再登場したり、会話のなかにしか出てこなかった事件の真相がわかったりして、前巻を読んでいればより一層楽しめる内容でした。
そして、今回はジーヴス視点のお話があるのが特筆すべきところかと。実際ジーヴスがバーティーのことをどんな風に見ているのかわかって非常に愉快でした。なにかとジーヴスの都合のいいように誘導されているバーティーですが、そこにはちゃ〜んとジーヴスの愛があるのです(…よね?)。
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ジーヴスとバーティーは問答無用で好きなんだけど、他の登場人物も覚えるようになってからますます楽しい。もうサー・ロデリックにもアナトールにもハロー、アロアローだよ
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お気楽な貴族バーティーと執事ジーヴスのシリーズ。もうバーティーがかわいすぎる。女子校で講演させられてアワアワしてるバーティーを見て(読んで)、私もジーヴスと一緒にニヤニヤしちゃった。それにしてもバーティーはいい人だなあ。友達が困ってるとほっとけないんだもん。それで窮地に陥っちゃうっていうね。んでもってジーヴスに泣きついちゃうと。ジーヴスがバーティー好きなの、超わかる。バーティーかわいいー!
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短編集。『バーティー、考えを改める』がジーヴスの目線と語りで、ご主人様をどう思っているのかが知れて面白かった。お金持ちの悩みは凡人よりも深い、とは言うけれど、生活ができる分生きがいを探すのが大変な感じが伝わってきた。次の作品も楽しみ♪♪
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笑えて心が和むので疲れてる時に読みたいこのシリーズ。
今回はジーヴスとバーティーが出会った時の話や、ジーヴスの視点で語られる話などがあって良かった。
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時系列(原著刊行順)に読みたいので、シリーズ2冊目はこちらに。正確には冒頭話「ジーヴス登場」~5話までが「比類なき・・」の前だけど。金のハートの持ち主バーティは、ニューヨークだってロンドンだって、どこだろうと厄介な人たちと事件に巻き込まれたり飛び込んだり。だけど何といってもこの巻は、シリーズ唯一のジーヴス視点の「バーティー考えを改める」がいっとう楽しい。コミック版のジーヴスのあのドS全開のお顔を思い出し、くすくすプププにやにやが止まらない(笑)雇用主とは馬のごときもので調教が必要だそうで……おおぅ、ジーヴス恐るべし。
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とにかく最初の願望通りのハッピーエンド、というのではなく、現状とりうる最高の策で大団円という流れなので、気持ちよく読み終われました。
原文との比較はしていないので無責任なことは言えませんが、こちらの本の訳文は他本よりユーモアを文脈に即して日本語に引き付けている(ので読みやすい)ように感じました。
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ちょっと間抜けな有閑紳士バーティに、次々と難題が降りかかる。一生懸命やればやるほどドツボにはまるバーティー、しかし万事休すと思われた瞬間に、従僕(本書では執事)ジーブスが鮮やかな手並みで解決する。長短編とりまぜたシリーズの一冊で、本国では百年のベストセラー。書かれた時期がミステリ黄金時代と重なっているため、時代背景に心地よい懐かしさがある。
最初読んだときはどうということもないと思ったが、水戸黄門的ワンパターンと、独特の牧歌的な雰囲気にひかれて、立て続けに何冊も読んでしまった。今後も読みそうだ。順番に読んだ方がシリーズキャラクターなどわかりやすいが、わからなくても全然大丈夫。
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腐った目から見ると、今回のジーヴスには実にドキドキさせられた。ジーヴスに、というよりは、日本語の表現に、というべきなのかもしれないし、そもそもウッドハウスがねらって表現したのかもしれない、なんて考えるのはバイアスがかかりすぎているだろうか。100ページでバーディーの唇の上に請求権を行使しようとする(という表現)なんて、まさしくそっちか!?と思わせるに十二分だ。・・・まあ、ここは思いっきり表現の問題なのだけど。
常々、バーディーはジーヴスを誉めちぎっているけれど、ジーヴスはバーディーをどう思っているのか気になっていた。いつも頼られ、利用?され、それを恭しく受けるのは、主従関係がなせる技なのか…
今回、「バーディー考えを改める」でジーヴス視点の話があり、大変納得してしまった。ジーヴスは、前から思っていた以上に腹グロで、悪魔的で、策士家で、ドSだ。でもかなりバーディーを気に入っているらしい。
なかなかおいしいコンビですねー
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やっぱりいいわあ。バーティーのお人よしっぷりが光る一冊であった。
「バーティー考えを改める」を読んだら、一こ前に読んだ「よしきた、ジーヴス」をジーヴスの一人称で語ってほしくなった。もしかしてバーティーが引き起こしたように思われたトラブル諸々も、ジーヴスが裏でそうなるように誘導してたんじゃないのか…
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国書刊行会のジーヴスもの、3冊目。
万能執事ジーヴスとお気楽な若主人バーティーが登場するシリーズの短編集。
他で出しているジーヴズものの1冊目とたぶん2作だぶっているので、ちょっと既視感がありましたが〜
まだゼンゼン飽きてないので、微妙な翻訳の違いを(正確に覚えているわけじゃありませんけど)味わいつつ、楽しい時間を過ごしました。
おそるべきグロソップ嬢そっくりの従姉妹やサー・ロデリックなど敵役?もにぎやか。
おっかない親戚はバーティー自ら「この世のバカの面倒を見る天の配剤」と認めているのが笑えます。
いやこの親戚も堅物なりにおバカさんなんですよね〜。
「刑の代替はこれを認めない」で、友人の恐るべき伯母さまへ直談判に行った顛末が面白い。
「フレディーの仲直り大作戦」もチャーミング。
最後の「バーティー考えを改める」はジーヴス視点で、バーティーへの愛情が感じられて微笑ましい作品。
好評なので続きも出ることになったそうです。
Posted by ブクログ
ジーブスの短編☆
初めてこれを読んだ時、あまりのおもしろさに衝撃をうけた!!
とってもユーモラス♡
第一次世界大戦中に書かれたものとは思えない。
翻訳してくれている人もとてもうまいんだと思います☺
Posted by ブクログ
ちょくちょく読んでいるウッドハウス・コレクションの3冊目。異色のジーヴス一人称ナレーション一編を含む短篇集。森村たまきの訳も少しこなれてきたか、読み易いが、ジーヴスはやっぱり長編の方が面白い印象。
Posted by ブクログ
ウッドハウスコレクションの第三段。
バーティー&ジーヴスものの短編集です。
じわじわこみあげてくるおもしろさ。
おおらかな時代を感じさせる雰囲気も好きな作品です。
Posted by ブクログ
文藝春秋の『ジーヴスの事件簿』とは、ジーヴスの登場編とジーヴス視点の短編がかぶっています。今回はバーティ君のNY滞在中の事件が多いかな?
連作短編集ですが、おなじみ親友ビンゴやグロソップ氏もちらほら出てくるので、いちおう『比類なきジーヴス』『よしきた、ジーブス』を押さえておいた方がより楽しめるでしょう。
『ジーヴスの事件簿』でもいいけどね。
やはり基本を押さえた英国ユーモアミステリーは面白いと言うお話。