春野薫久のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
続く…んでしょう
皇太子の婚約者として努力を惜しまない、公爵令嬢アビゲイル。皇太子も決してバカではなく、努力家で表裏をつかえる仕事に対してはできる人間です。でも学園に入学したとたん堂々と浮気をしている彼にあれこれ苦言をいうも聞き入れられず…というのはよくある設定だけど、彼女は親や兄妹と『素』の家族関係が築けなかった分、皇太子との将来で相思相愛の関係を強く夢見すぎて逆に疲れてしまい、ついに諦めることに。
これがこの本のタイトルにある『婚約者を想うのをやめました』。
いままでの展開なら、アビゲイルは悪役令嬢の立ち位置になったかもしれませんが、彼女はとてもできた人なので皇太子の一切の行動を黙認することにします。
それぞれの思いと葛藤、そして政治的なあれこれにまきこまれているんですが、この巻ではおわってなさそうです。
その後、この2人がどうなっていくのか、気になります
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Posted by ブクログ
ネタバレ初志貫徹!
ランドン殿下の改心と溺愛の加速ぶりに、もしかしてジョージアナもほだされるのではと危惧していたら、ちゃんと貫き通してくれました。
もう彼女は未来永劫かつてのような愛を返しはしない。
どれだけ彼女に謝罪しようと。
どれだけ彼女を溺愛しようと、もう決して。
それもまた夫婦の形。
しかも国のこれからを担う責任ある立場の夫婦であるなら、結婚は契約だ。
世継ぎを生むのは義務で、仕事だ。
そこにもう愛はいらない。
ここで安易に二人は愛し愛される仲になってハッピーエンドな流れにしなかったところが本当によかった。
本編自体はハッピーエンドではあるのだが、恋愛的ハッピーエンドかと問われたら否と答えるしかないという。
国としてはまさしくハッピーエンド。
皇太子は愚かな行為を改め、政治的に立派な手腕を振れる人物となった。
皇太子妃も己の役目を弁えた、優秀な人だ(ジョージアナである)
ジョージアナの実家も、きっとこれから兄が父母がどうにかしていくだろう。
安易なハッピーエンドだったなら、他キャラクターの特に皇太子の成長はなく、国は傾いていたかもしれない。
安易な恋愛的ハッピーエンドで終わらない、そこがこの作品の持ち味。
まあ殿下はよかれと思ってやったことが裏目に出て、何だかんだでジョージアナの期待を上げては落としていたから、振り返ってみればやはり再び愛せる可能性は低かったようにも見えるし。
作中に的確すぎてめちゃくちゃ痺れた描写があった。
ジョージアナは折れた花を地面に投げ捨てて言う。
その花に謝罪し、愛を込めて、折られる前の元の姿に戻して差し上げてと。
重ねて彼女は言う。
決してそんなことは不可能だと。
だから、もう謝罪は不要だと、不毛なのだと。
彼女は不可逆的に折られてしまったのだ。
無自覚だった婚約者によって、家族によって。
いくら彼らが後から改心し、恋心に気付き、関係性の過ちに気付き、謝罪をし、愛を注ごうと、戻らないものは戻らない。
そうでしか生きられないようにしたのだ、他ならぬ彼らが、ジョージアナを。
何たる皮肉。
ジョージアナは悟って諦めて、自分なりの夫婦の形を見つけた。
その姿はかつて視野狭窄的に皇太子を愛していたころより余程生きやすそうにしていた。
ただジョージアナの友人を除く他キャラは、この先ずっとジョージアナにしでかしたことを背負って生きていく。
この先もう二度と彼女が同じ思いを返してくれないことを思い知らされながら。
特に皇太子はある意味地獄の日々かもしれない。
愛している人に愛を返されない日々を、それでも愛する人のそばで送らなければいけないのだから。
同情は、できないけれども。
自分で蒔いた種だから。 -
購入済み
1巻だけ読んだ感想です。暫定★4ですが, 次の巻を読んだときに引き上げるかも。
マジカルな恋愛アドベンチャーです。ただし主人公は魔法が苦手です。
神殿に降臨する男神とそれに仕える聖女のお見合いという構図です。しかし素直じゃない人(神)や社会の闇により互いの関係は拗れに拗れており, それを歩み寄りの努力で少しずつ解きほぐす物語です。魔法のようにとはいかないのでもどかしさもありますが, あえて小説というメディアをとるならこうでなくっちゃ。
1巻終了時点では未解決, ではありますがキリの良いところまでで切ってくれるのでお試しにという人も買ってみて大丈夫です。
醜い神様がヒーローという異彩を放っています。作品説明にあるように実は絶世美貌ですが, 誰も見ていないところで変身します。1巻時点では物語に直接影響を与えないので, 俗な作品にありがちな 逆転速すぎてタイトル詐欺 には当たりませんので安心してお買い求めください。
とはいえ, 醜いのはさすがにハード……というお方にも優しいのがこの作品。1巻途中である程度マイルドな形に収まってくれるので, ちょっとスパイスがほしいという人にはいい塩梅になっているのではないでしょうか。
主人公は気丈な突っ込み気質の女性。人並みに不平不満を言いながらも誠実に仕事に向かいます。常識と良識があり, よく気づくし根気もあるのですが, 1巻時点では才能と運がないゆえの不遇にさらされます。奇跡も起きませんが, 努力と思いやりが実を結んで徐々に状況が好転します。
ヒーローは醜い神様。具体的には汚泥です。しかし性格や口調は温和でかつ知的。彼の知り合いに言わせれば慈悲深いとのこと。最初は無気力系ですが, 主人公とかかわっていくうちに徐々に心を開いていくようです。先ほど書いたように汚泥な見た目も1巻途中でマイルドな形に変わります。
ラブコメとしての味は 辛味3割, 酸味3割, 苦味2割, 甘味2割です。始まったばかりですが甘みがついています。
主人公ペア以外にもお見合いしている聖女と神様は複数いて, それぞれの事情や気持ちがストーリーに関わってきます。
欠点らしい欠点が見当たらないので, すごく好きになるかはさておいて, 多くの人からポジティブな評価をもらいそうな作品です。ちなみに私はすごく好きです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ強制された鳥籠から、自分で望んだ鳥籠へ。
結局アリーシェの世界は狭いまま、閉ざされたままだ。
しかも知らず知らずのうちに聖帝の花嫁として体も作り変えられてしまった。
第三者が俯瞰で見ると『彼』の執着が頼もしくもあり怖くあり、アリーシェの世界の狭さが心配にもなった。
でも、『彼』にとってまともに触れられる唯一と言っていい女性がアリーシェであり、義母妹たちから虐げられていたアリーシェにとって乳母やメイドたち以外で初めて彼女を受け入れてくれた相手が『彼』だった。
互いに唯一の相手だったのだ。
だから、きっと幸せだ。
例え外から見れば多少歪んでいても。
と言いつつも、このレーベル的にはびっくりするほど安心して読めるお話。
アリーシェが基本的にスローライフを送っているし、癒し系のヴィラント(終盤に大活躍)に、アリーシェを祖国で慈しんでくれた人たちも、今の暮らしで縁を結んだ人たちも優しい人たちだったから。
特にメイドの子がお気に入り。
いい子で有能なのだ。
アリーシェを虐めていた人たちにも、きっちりざまあ展開が用意されているので、すっきりもできる。
終盤の展開こそハラハラしたが、ほのぼのした、読み心地のいいお話だった。 -
購入済み
いいコンビです
鴉の論理的だけれどちょっとズレた感じの発言が人ではない者の証なのかなと思わせておいて、実は咲楽と凄く似た思考だったのだと明かされる流れにフフフと笑いがこぼれてしまいます。社会的に共存を実現するのはなかなか難しいでしょうけど、いい終わり方だったと思います。