竹村優作のレビュー一覧

  • リエゾン(19) ーこどものこころ診療所ー

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    志保先生が初めて経験する挫折……。志保先生と良吾くんのやり取りを何度見返してみても最適解が見つからない。場所が場所なだけにいつもより思慮深い対応が必要なのかもしれないが、どれだけ慎重を重ねて踏み込んだとしても行きつく結末は一緒だった気がする。こういった悲惨な現実が本当にあるのだとしたら、彼らと向き合う医療従事者の働きには感服せざるを得ない。子供の自殺願望ほど耐えがたいものはないよ……ホントに……。

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    2025年12月22日
  • リエゾン(18) ーこどものこころ診療所ー

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    最初の旦那さん……後悔するくらいなら、真面目に家族と向き合っていれば良かったのに……。謝罪するポイントも的外れでただただ度し難い。離婚が子供に与える影響も看過できないけど、子供に「もともと……家にはママ一人だったじゃん」って思われているうちは家庭に居場所なんてなかった気がする。まさになるべくして離婚したって感じ。次エピソードの【共依存】は、恋愛以外の場面でも役立つ教訓めいたメッセージ性を孕んでいて参考になった。とくに佐山先生の「自立とは誰にも依存しないことではなく 依存先をたくさん持つこと」という言葉は肝に銘じておきたい。

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    2025年12月21日
  • リエゾン(17) ーこどものこころ診療所ー

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    佐山先生のお兄ちゃんに対して持っていた印象が大分変わった。発達障害の特性を持つ人間を拒絶しておきながら、命を救う医師として見捨てることも出来ない。感情と信条がマッチしないまま決断を迫られる佐山茂先生の葛藤がなんとも切なかった。出生前診断の倫理的な是非だけでなく、障害を持って生まれた子の幸不幸や存在意義にについて考えさせられる奥深いエピソードだった。何より今以上に医学が進歩したら、佐山先生のような立派な人でも出生前に排除されるかもしれない事実にゾッとしてしまった。不幸な中絶を増やさないためにも出生前診断の正しい知識が広まることを願いたい。

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    2025年12月21日
  • リエゾン(16) ーこどものこころ診療所ー

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    統合失調症の娘と暮らす両親の苦悩、信頼していた両親や医師に裏切られた娘の諦念、事態を好転させたい訪問看護師の願い、誰が悪いでもないのにどうにもならない状況ってしんどいな……。見ているだけで心が苦しくなる。訪問する看護師はもちろん、それに携わる医療従事者の方々に感服せざるを得ない重厚なエピソードだった。次エピソードの【出生前診断】も”命の選別”というかなりセンシティブなテーマを扱っているので、心して読み進めていきたいと思う。

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    2025年12月21日
  • リエゾン(15) ーこどものこころ診療所ー

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    「子どもを……捨てないでください」「いなかったことにしないでください」女子高生が口にする言葉としてはあまりにも切ないし、これを大輝くんの母へ言い放った檜山さんは誰よりも大人だった。将来に対して諦念していた彼女が自分のルーツを知り、希望を抱くまでに変われたことが嬉しくて堪らない。最後の最後に登場した心彩ちゃん(たしか【虐待と通告】で登場した女の子のはず……)の元にも幸福と希望が舞い込んできてくれることを願いたい。次エピソードの【場面緘黙】は、過去の日本社会を舞台に育児と向き合う父親を描いていて興味深いものだった。家族のために奮闘する父親は見ていて小気味よく、家族の支えで健やかに成長した少女が現代

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    2025年12月20日
  • リエゾン(14) ーこどものこころ診療所ー

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    前巻から続く【パーソナリティー障害】が無事に完結し、新しく始まった【児童養護施設】。前者のエピソードは”自業自得”とか”身から出た錆”という言葉がピッタリな幕引きで、個人的にはスッキリした。現実的にも成人した人間の性格を変えるのは困難だろうし、変に和解させるような形で畳まなくて良かったと思う。反対に後者のエピソードは、大人の不誠実な言動が子供をひどく傷つけていて中々に胸糞だった。血の繋がった家族よりも児童養護施設で暮らす人たちの方がよっぽど家族らしい……ってどうなのよ?

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    2025年12月20日
  • リエゾン(12) ーこどものこころ診療所ー

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    ”起立性調節障害”を扱ってはいたが、今エピソードの本質は”いじめ”による深刻な心身への影響や後遺症にあったと思う。フィクションながら過去にいじめられていた母親の苦しみは非常に堪えたし、息子の「お前が親じゃなかったら……」発言も読んでいてすごく胸が痛かった。同級生の謝罪や学校側の対応も決して納得いくものではなかったけど、親子のすれ違いが解消されたこと、大知くんが学校以外の新しいコミュニティに繋がれたことは純粋に嬉しかった。いじめた側がそれなりの罰を受けて改心することがもっとも道理的なのかもしれないが、大知くんが選択した道もいじめ問題に対するひとつの解決法としては間違っていないと思う。ただ、その後

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    2025年12月20日
  • リエゾン(9) ーこどものこころ診療所ー

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    自分の言動で姉妹を追い詰めてるお母さんにこそ精神科へ通ってほしい……。お姉ちゃんの必死な訴えで姉妹仲は修復できそうだけど、お母さんを含めた家族仲は今後も変わらなさそう。今巻に収録されている【希死念慮】も【産後うつ】も”自殺”がひとつのテーマになっているだけあって、他の巻よりも雰囲気がちょっと暗くて重い。だけど、どちらのエピソードも学ぶことはたくさんあったし、未来に希望が持てる幕引きなのもあって切なさが尾を引くことはなかったように思う。みんな自分を大事にして生きて欲しい。

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    2025年12月19日
  • リエゾン(8) ーこどものこころ診療所ー

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    心彩ちゃんと泰輝くんの対比が何とも切ない……。事実だけをみれば、どちらの親も子供に手を出してしまったことに変わりはないのかもしれないが、泰輝くんの母親は子供を心配する親心ゆえの言動ばかりだったから、素直に応援したいと思えた。それに対し、心彩ちゃんのお母さんは子供の心身を傷つける理不尽な暴力ばかりで、ただただ不快極まりない。児童相談所が心彩ちゃんの保護に成功して本当に良かった。次エピソードの【母子登校】は”愛情”と”過保護”の違いをストーリーで見せつつ、子供の成長を分かりやすく描いてくれたのもあって、読後感が妙に清々しい。子供の成長を噛みしめる親の気持ちが少しだけ分かった気がする。

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    2025年12月19日
  • リエゾン(7) ーこどものこころ診療所ー

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    家族の介護によって衰弱していく子供の描写が生々しくてつらい……。母親も教師もヘルパーも子供の自立性に依存する言動ばかりで虫唾が走った。ただ、少子高齢化や核家族化が進んだ現代社会において、”ヤングケアラー”が増加傾向にあるのもまた事実だろう……。向山さんが「もう家のことで子どもを犠牲にしていい時代じゃないんです」とは言っていたが、実際問題どう対処していくのが正解なのか、作中で明言されることはなかったとは言え、中々に意義深いテーマで面白かった。最後の【虐待と通告】は、目黒区で起きた児童虐待死事件(2018)を彷彿とさせられて、まだ導入部分にも関わらず、もうすでに胸が痛い……。この作品に限って後味の

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    2025年12月19日
  • リエゾン(5) ーこどものこころ診療所ー

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    教科書の読み上げや黒板の書き取り(板書)が一般的な初等教育に”タブレット”を持ち込むのはズルいことなのか? その問いに対する継母の回答が、易しい言い回しなのにすごい説得力があって感心してしまった。ただ、作中でも語られていたように学校側のリスクと負担が大きいため、今回の【ステップファミリー】ように上手くいくことは珍しいのかもしれない……。次エピソードの【グリーフケア】では、新しい知見がたくさん得られていつも以上に楽しめた気がする。”死”に対する子供の受け止め方はもちろんだけど、大人の”可哀想”っていう表情が子供に与える影響も興味深くてためになった。とくに実優ちゃんが母親の死を受け止めて泣き出す一

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    2025年12月18日
  • リエゾン(4) ーこどものこころ診療所ー

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    渚さん……作中でも自覚してたけど、中途半端に首を突っ込んで怖くなったら逃げ出すのはちょっと無責任かなぁ……。事件内容が事件内容だし、守るものがある以上、非行少年と赤子を近づけさせない渚さんの判断も間違ってはいないのだが、非行少年の気持ちを思うとやっぱりやりきれない……。登場描写こそ少なかったものの、そんな非行少年たちの”帰る場所”であり続けようとする加藤先生の姿勢には感服するばかりだった。同エピソード内で登場していた香川さんのところにも安寧に過ごせる日々が訪れていることを願いたい。

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    2025年12月18日
  • リエゾン(3) ーこどものこころ診療所ー

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    やっぱり”子育て”って奥が深いんだなって感じた……。前巻から続く【家族の期待】は、最初こそ子どもにプレッシャーを与える義母と父親にモヤモヤしていたけれど、結果として家族全員がお互いに寄り添えるような方向に落ち着いてくれて本当に良かった。余白ページに描かれてるキャッチボールのイラストも幸せそうで何より。次の【名前の意味】は、子どもよりも”母親の気持ち”にスポットが当たっていて興味深いエピソードだった。目に見える障害を抱えている子より、障害が見えにくい子の方が”いじめ”の犠牲になりやすい、それを理解したうえで涙を流しながら娘の幸せを祈る母親の姿が強く印象に残ってる。どちらのエピソードも家族愛が深く

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    2025年12月18日
  • リエゾン(2) ーこどものこころ診療所ー

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    【虐待の連鎖】で登場した家族の関係性は児童精神科医の助力があっても容易に修復(治療)できるものではないが、物語の着地点としてはドラマ性があって良かったと思う。胸がすくようなエンディングで読後感がとても晴れ晴れしい。次エピソードの【カミングアウト】は胸がキュッと締め付けられるような息苦しさが感じられて、当事者たちの”生きづらさ”が実感できた気がする。他者との距離感や関わり方について考えさせられる1冊だった。

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    2025年12月16日
  • リエゾン(1) ーこどものこころ診療所ー

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    フィクションでありながらも妙な”現実感”が作品の根底にあって、気づいたら読み耽っていた。全21巻あるうちの1冊目なんてまだまだ序盤に過ぎないのだが、もうすでに色んな感情が湧き上がっていて最終巻まで平静じゃいられそうにない……。発達障害や児童精神の実情を知りたいのであれば、これ以上ないほどピッタリな作品だと思う。”最適な選択”はあっても”絶対的な正解”はない医療分野だからこそ、佐山先生の「子ども時代の幸福な記憶は一生の宝物になる」という言葉を反芻しながら、志保先生のように子どもの未来のことも考えて読み進めてみたい。

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    2025年12月16日
  • リエゾン(1) ーこどものこころ診療所ー

    購入済み

    心理学の勉強のために読んでいます。主人公が発達障害を持っているのはなかなかないと思うので彼女視点があるのは凸凹を持つ彼女たちを理解する助けになって有難いです。また、説明が全体的に丁寧で障害や児童心理についてもわかりやすいものになっています。

    #タメになる #深い

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    2025年12月02日
  • リエゾン(3) ーこどものこころ診療所ー

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    家庭環境で愛着障害などを
    抱えてしまった子どもたちは、
    本当に本当にかわいそうで仕方がない。被害者でしかない。

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    2025年09月29日
  • リエゾン(2) ーこどものこころ診療所ー

    無料版購入済み

    いつも子どもの受験、かわいそうだな、誰のための受験なのかな、と思うことがあるけど、こういうことがあるからだよね〜。

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    2025年09月29日
  • リエゾン(1) ーこどものこころ診療所ー

    無料版購入済み

    とても読みやすくて、障害についてもわかりやすくて、いろんな人に読んでもらえたら、いいのになと思います。

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    2025年09月27日
  • リエゾン(21) ーこどものこころ診療所ー

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    ネタバレ

    先生と父親との関係が深くしっかりと描かれた最終巻だった。個人的には和解…とならなかったのが、現実的でとても良かったと思う。ままならないもの、受け入れがたいもの、どうしようもないもの、思い出すたびに心がえぐられるものたちと、どう折り合いをつけて生きていくのか、それが描かれた内容だったと思う。堂々たる完結。

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    2025年09月23日