金井真紀のレビュー一覧
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試し読み
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それぞれの国、言語にまつわるちょっとしたエッセイ?も面白いし、その言語の文字もかわいかったり味があったりでみとれてしまう♡著者の言語にまつわる愛の深さも良い。
そういえば、高野秀行の本を読んだ後、とある新しい言語やってみたいなと思った気がしたけど、あれなんだったかな…理由が文字が可愛いからだった気が…文字が可愛い言語ってこんなにあるのか。というか、見たこともない文字、知らない言語ってこんなに多いんだな…。
あとがきに「ことわざ採集の過程で、いろんなことを知りました。宗主国が植民地の言語を力ずくで排除したこと、独裁者に禁じられた言語を亡命先で守った話、すでに消滅した言語について、小さ な言語が -
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試し読み
Posted by ブクログ
遠くからやわらかい音楽が聞こえてくる。あれは音楽ではなく、軒下でおしゃべりしている女性たちのタイ語。
あぁ、ここはタイだった。
そんな一文から始まる世界36言語のことわざをヘタウマなイラストと共に紹介。
さて、どんなことわざがあるかな?なんてページを開いた最初の一文を読んで私は過去、海外に旅行した時の独特の空気感が蘇ってきて一瞬ことわざのことなんてどっかいってしまった。
そしてその時の空気感のまま、教えられるとなんだか現地で教えてもらったようなワクワク感が残る。
著者の肩の力が抜けた紀行エピソードが添えられて語られると文化的背景もすんなり馴染める気がする。
全然違う文化で文字でなんじゃこ -
Posted by ブクログ
“「これはアルメニア人だけがもっている文化だ、なんて威張っていても、外に出たら同じようなものはあちこちにあるわけです。日本文化だってそう。これこそが日本らしいことだ、日本オリジナルだと思っていても、海外に行けば、別に日本独自のものではないとわかることはたくさんあるでしょう」”(p.69)
“出身を聞かれて、なんの迷いもなく答えられる人は、 それがいかにのんきなことか自覚していない。世界には、自分のルーツをどう表明したらいいかの葛藤を抱えて生きる人がたくさんいるのだ。”(p.122)
“「人が異文化に出会って興味をもつ、理解する、好きになる、その一歩一歩近づいていく過程はとても神聖な領 -
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世界のサッカー好きの本。サッカービジネスはいつまで経っても好きになれない。子供の頃Jリーグの熱狂から女子は除外されていると感じた。一部大人の女性が今でいう押し活としてサッカーに取り込まれたものの、我々は参加者ではなかった。体育の授業でサッカーはおざなり程度、最後は本気でやりたい男子と教師のみのゲームになっていた。それが(サッカーを自主的にやりたい女の子は除いて)、少子化でこのままじゃビジネスとして成り立たないとなったら女子サッカー歓迎、スタジアムに女性客も、みたいな流れ。相変わらずサッカー談義となるとサッカーバカに講釈を垂れられる始末。試合自体が面白いことは否定しない。けれど、決して我がことと
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これまた面白かった。あとがきを読むと、どんな人に話を聞くべきか色々迷走したことがわかるが、確かに華僑の方(中華街)、難民の方、アパルトヘイト時代を知る方、ただの人数じゃなくてテーマで探し出した人たちは面白かった。
そうそう、たしか私が金井さんの本を借りるきっかけはチキチキラジオだった(多分)!私は難民認定を求めている人たちの状況を大学の卒論テーマにしており、その状況を知りながら何もしてこなかった自分の情けなさをここ数年恥じている。その実情を知っていたのに。これは本当に共犯レベルのバイスタンダー。何かしなければなあ。何ができるだろう。金井さんの本を読んで早く行動に移したい。 -
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色々面倒な世の中である。本が好きで本の話をしていたら、本好きの人はああだこうだとハンを押したような陰口を書かれたり、もう人のことなんかどうでもいいじゃんと思うのだが、私は人に色々言われやすい人間らしいから仕方ないのか。いやもう心の声は誰も聞かれないところに留めておいて欲しいのだが、みんな相手にぶつけないと気が済まないのね。ストレス溜まってるのかなあ。それはさておき。
そんな自分と筆者を一緒にするつもりはないが、金井さんはおじさんを見極める目がある、外国が好き、人が好きという、自分の好きを貫いていて羨ましい。
きっとこれを企画として出版社に持ち込んだりするからには企画力があり、私とは雲泥の差が -
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パリに住んでいる“おじさん”にインタビューしたものをイラストと共にまとめたもの。
それが、こんなに面白い本になるなんて♪
『パリは人種のるつぼ』
ひとつの都市に、まずこんなに多種多様な人たちが暮らしていることに驚く。
世界中からさまざまな人種がパリにやって来て、一人一人その人だけの事情と歴史がある。
そんな彼らの唯一無二の経験から出た言葉には、深さと重みがありました。
金井さんの相手の話を引き出す力によるものなのか、そもそも出会う力なのか、実にフレンドリーで魅力的なおじさまたちがたくさん!
親近感を感じさせる雰囲気。その語りはどれもこれも実に深くて興味深く、どんどん話に引き込まれていく。
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ネタバレ私は今日本にいて、『パリのすてきなおじさん』という本を読んでいる。
しかしそこは私が想像していたエッフェル塔のパリではなく、色んな国籍の人、バックグラウンドを持つ人たちのお話だった。特に印象に残ったのは75年前「隠れた子ども」だったおじさんの話。これまで『戦場のピアニスト』や『コルベ神父』などアウシュビッツの話は観たり読んだりしてきたけれど、おじさんから語られるユダヤ人としての戦時中の生き方は心を打たれるものがあった。私はまだまだ知らない、知ろうとしないといけないと思った。
他には解説付きでパリで起きた同時多発テロの話や、アフリカから移住してきた方のお話もあり、読み応えのある本だった。 -
Posted by ブクログ
パリでおじさんに話を聞き、そのおじさんの話をイラストと共にまとめたエッセイ。
「はじめに」の時点からすでにおもしろい。著者の親しみやすい書きっぷりから楽しい本の予感がしたが、大当たりだった。旅行記などはよくあるが、おじさんをまとめるというのはなかなか斬新で、おもしろかった。以下、一部抜粋。
『経験を積めば積むほど、「選おじさん眼」は磨かれた。気づいたらわたしは無類のおじさんコレクターになっていた。(略)
商売道具である好奇心、と広岡さんが自在に操るフランス語、とわたしの選おじさん眼。この三本の矢を携えて、パリの街を歩きまわり、おもしろいはなしをしてくれそうなおじさんを探した。』
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Posted by ブクログ
ネタバレ知りたい出来事から逆算して人を探そう。
はじめに で書かれている金井さんの得意技。金井さんを唯一無二にするスキル、いや圧倒的個性。忘れたくない秀逸なインタビュー。たまたまかもしれない出会いを堅固な関わりとしてロックする金井さんに痺れる。ので細かいメモを残す。
イタリアのティフォージ,チフス患者と呼ばれる熱を患うようにしか見えない熱狂的サポーターのティノさん,お母さんは女だっていろいろあるんだから男が外に出かければいろいろあるのが当たり前と。そしてゴッドファザーのように、イタリアでは家族や同じ街,団地に暮らす人々が共同体,家族のように助け合い支え合っている,当たり前のように!!
ブラジル移民 -
Posted by ブクログ
著者の温かみや親しみのある文章を通して、異国の人たちのお話が、柔らかく心に入り込んでくる。
世界史や世界情勢に疎い私でもこの本はとても読みやすくて、色んな国の人たちの色んな事情を知ることができる良書でした。
異国にルーツがある方と接する機会のない私にとっては、どの話も新鮮で面白かったり考えさせられたりするところが沢山あり、読んでいくうちに視野が広がっていく感じがした。
読み終わる頃には、「もっと人に優しくなりたい」「自分に出来ることを見つけて行動に移したい」という気持ちになり、この一冊を通して自分が少し成長したようにも思う。読んで良かったですし、続巻が出ることがあったら、ぜひ読んでみたいです。