金井真紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2023年7冊目。
世界各地のことわざを、カラフルなイラストで紹介しています。
相変わらずイラストも魅力的だし、現地の文字もかわらしくデザインされていて、絵本感覚で読めちゃいます。
世界中、その土地の風土や生活文化に根付いた言い回しがあって楽しい。言い方は違うけど、日本と同じ考え方のことわざもあるし、そもそも考え方が違うのもあるし、面白いです。
あと、文字を持たない言語もたくさんあるんだなと今更ながら思いました。
文字ではなく、人々が語り継ぐことで根付いていることわざなんて、なんて素敵なんでしょう。
表題のことわざは、フィンランドのもの。
おばあちゃんにテーブル拭きにされている猫を思い浮かべて、ほっこりします。
プレゼントする本としても良いなと思いました。 -
Posted by ブクログ
ニュースで耳にする世界の実情を、何も知らない事を痛感した。しかし、自分の力で広げられる世界には限界があるので、こうした本を通して知らない世界の人の事を知れるのことは、とても嬉しいことだ。
この本にはここまで強く、優しくなれるものかと思わずにはいられない方々が登場する。特に、東ティモール、ミャンマー、コンゴの方の話が心に残った。自分の生きている世界は、なんとちっぽけなものか。
それにしても、日本の難民認定が進まない実態はどうしたものか。「命を救う」に勝る大義名分などあるはずもないのに。
広く知れ渡ってほしい一冊。そして続編もぜひ出してほしい。 -
Posted by ブクログ
虫ぎらいな著者 金井真紀さんが、昆虫の達人7名にインタビューし虫ぎらいはなおるのかを探っていくお話し。
理論社の「世界をカエル 10代からの羅針盤」というシリーズの一冊。
平易なことばで虫・昆虫と人間の関わりについて知ることができます。
昆虫の達人たちがそれぞれ魅力的。
そして、虫をきらいになるのは?人間が感じる好き嫌いという感情は?から、そもそも虫とは、害虫とは、と達人たちのそれぞれの視点で語られる人間と虫の関係について読んでいくと、人間(社会)の問題も浮かび上がってくる、結構内容は深いのである。
一人目、発達心理学の藤崎先生の言葉「大人もこどももにんげんとだけつきあってると疲れちゃんですよね。」
虫をきらいな人はもちろん、他人に対して嫌悪の感情しか抱いていないかのようなSNSでわめき散らすような人たちに辟易としている人はぜひ。読んで癒されましょう。
で、結局、著者の虫ぎらいはなおったのか?
結果を知りたい方はぜひご一読を。
最後に著者のことば、
「やっぱり「好き」はいいなぁ。人をしあわせにするのは「きらい」じゃないんだ、「好き」なんだ。」 -
Posted by ブクログ
虫ぎらいはずっと悩みのタネなので、軽い気持ちで手に取った。
虫に関わりのある様々な学者や、幼稚園や動物園の現場の方などへのインタビューをしながら、本当の興味は「虫嫌いの克服」よりちょっと奥の方にあるようである。(まあ「恐怖の克服が一番の関心事」なんていうよりはよっぽど健全なのかなと思う。)
命にかかわるような「恐怖」はともかく、「嫌悪」とどう付き合っていくのか?「嫌悪」だって人間が生存のために獲得した能力なのだ。どう立ち向かうのかではなく、どう付き合っていくのか。それにはやっぱり知ること、面白がることが入口になるんじゃないかという話が多かった感じだ。「虫」のような嫌悪の対象自体を知ることもそうだし、「嫌悪」自体を知る、嫌悪する「人間」自体を知るということも、そこには含まれているということでもある。できることから始めればいいよ、別に始めなくてもいいよ、というゆるさがあって、それも大事なんだろうなと思った。
個人的な体験についてのメモ。自分の虫嫌いのきっかけとして覚えているのは、夏の夜、歩道橋の街灯に惹かれて階段の隅で山盛りの死体になっている虫たちの姿だ。子供の頃の自分にとって、生き物はこんな風に簡単に死ぬのだということは、何が何でも拒否しなければいけない事実だというふうに見えていたのだと思う。虫と向き合う時にはいつも同時にいろんな人間の死とも向き合っている。「嫌悪」と「恐怖」がちゃんと地続きで存在している感じ。なかなか難しいなと思うのだが、このシンプルに解決しない感じ自体は、最近そんなに嫌いでもなくなってきている。 -
Posted by ブクログ
裸で入る暖かいお風呂では、リラックスし心理的にも打ち解けて話しができる と言う考えの中、アジア太平洋戦争で、とかく隠されがちな日本の加害者的側面を調べ、関係ありそうな人にお風呂でも浸かりながら聞いていくと言うもの。
1.ジャングル風呂と旧泰緬鉄道
有名な映画「戦場にかける橋」で、鉄道施設の最大の難関として描かれるのが、タイ クウェー·ヤイ川に橋をかける大工事。この橋の横にあるプレートには、泰緬鉄道で命を落とした人の数が刻まれている。最多のマレーシア人42000人を筆頭に、旧ビルマ40000人、イギリス人6904人等日本人や韓国人を除いて10万人近く。戦争博物館にはその過酷な状況も展示されている。説明の中には「連合国の飛行機が近づいているとのことで、日本軍は捕虜を数百人を集め橋に立たせ手を振らせる。捕虜には攻撃しないと言う意図だったがあては外れ…」
タイ北部ジャングルの中にヒンダット露天風呂を作ったのは旧日本兵。多くの観光客や地元の人が利用するらしいが、あまり戦争時代のことを知る人はいない。
2.日本最南端の「ユーフルヤー」
沖縄にはついに1軒となってしまった銭湯を舞台に、沖縄戦や賛否が渦巻く基地問題などを、ユーフルヤー(銭湯)を守るお婆さんや利用者に聞く。
3.沐浴場とアカスリ、ふたつの国を生きた人
日韓の入浴観やアカスリ等の文化の違いを取り混ぜながら、戦時中は日本に併合され日本化を強いられた背景の中、力強く生き抜いた人たちから話しを聞く。
4.引揚者たちの銭湯と秘密の工場
神奈川寒川町には、戦時中ジュネーヴ条約で禁止されている化学兵器の一つイペリット爆弾を作っていた。しかも安全性を考慮せずに。
敗戦で条約違反が見つかるのを恐れ、そのまま見つからないように廃棄するが、2002年道路工事で現れた液体入りの瓶。掘削作業中だったため瓶の一部が破損し、近くにいた作業員11人が被害を受け、最も重症だった人は10年余りの闘病の末肺がんで亡くなっている。国交省の調では、約800本の瓶が見つかったようだ。
5.「うさぎの島」の毒ガス兵器
瀬戸内海に浮かぶ広島県大久野島は無人島だが国民休暇村があり、多くの野生のうさぎがいるため、癒しを求めて観光客が入島する。しかしこの島は1929年から敗戦までの間約6600トンもの毒ガスが製造されていた。当時はその有効性の確認のためうさぎを使っていた。で有効と分かれば中国でも使用された。ちなみに当時島は、地図から証拠隠滅のため抹消されている。
加害者の側面だけではなく、劣悪な環境と製造を急ぐあまり、工員の犠牲者も多い。これは危険性の説明が十分なかったことと、賃金が比較的良かったことで、韓国人含め多くの工員が集まったことも要因となる。
ちなみに敗戦後、韓国人には併合が解かれたことで、保障はない。
戦争を美化する人や、謝罪ばかりしていては日本人としての尊厳や国を愛す心が育たないと、勇ましいことを言われている為政者がおられるが、戦争になると一般人も鬼になってしまうことを理解し、日本人特有のな~な~にことを済ませるのではなく、しっかりと総括することが必要ではないかな。
同じ敗戦国のドイツは上手くやっているようにも見えるが、この辺り学習してはどうかと思う -
Posted by ブクログ
「お風呂は究極の非武装」。温泉、銭湯を通して訪れる日本の加害の歴史。
日本の負の歴史だろう加害の歴史。原爆など被害者としての側面に比べあまり話題にならない。本書はタブーに近いだろう加害の歴史を訪ね歩く旅。
泰緬鉄道のタイ、沖縄、韓国と神奈川県寒川町の旧海軍工廠と毒ガスで知られる大久野島。
ある程度予測はしていたが、本書の立ち位置は賛否別れるところだろう。個人的には、やたらと「歴史修正主義」という言葉であったり今の政府、行政を完全に疑ってかかるような姿勢に違和感。加害の歴史を探るだけでも十分な内容になり得ただろう。
加害と被害は表裏一体。現在の価値観で過去を評価するところに無理があるように思う。過去の悪行を暴くことで時分が免罪されるように思えてしまうのだろう。
沖縄の高齢女性だってどうしても仕事はどこかで米軍につながらざるを得ないし、泰緬鉄道で捕虜を虐待したコリアンガードもいる。毒ガス工場に徴用された人達だって被害者であり加害者でもある。
そんな微妙な部分の扱いが、本書では雑なように思えた。
お風呂を通じて歴史を探る試みとしては面白い内容でした。 -
Posted by ブクログ
虫ぎらいの筆者がいろいろな人から虫の話をきいて、虫ぎらいを克服しようとする一冊。
かわいいイラストもあり、エッセイのような文体なので、堅苦しくなく、気楽に読めます。
インタビューも虫の専門家だけに話を聞いているわけではないので、多角的な視点から虫について考えることができます。
虫ぎらいではあるけれど、調べることで少しでも面白がったり、興味を持って接することができるようになりたいという気持ちが、知識欲としては正しいし、美しいなと思いました。
最後の取材を終えてに、
“人をしあわせにするのは「きらい」じゃないんだ、「好き」なんだ。"
とあったのが、非常に印象的でした。