金井真紀のレビュー一覧
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金井真紀さんの初めての著書だそうです。
様々な分野の達人、海女から始まってロッククライマーまでの88人に文庫版での増補 カレー店店主〜料理カメラマンまでの12人が加わって、計 100人のフムフムな言葉が詰まっています。
ちょっと永六輔さんの無名人語録のような感じです。
金野典彦さん(ポルベニールブックストア店主)の文庫版解説に「長時間のインタビューからこぼれ落ちてしまいそうな、捨てるにはあまりにももったいない魅力たっぷりの話しを掬い取って煮詰めた、濃厚なダシのような本がこの「フムフム」なのだ。」と、まさにそういう感じ!うーん、さすがに解説もフムフムです。
みんなフムフムだけれど、個人的に -
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この本を読んでいたのは毎朝の通勤電車の中でした。そうだな…一回に読むのは4人ぐらい。本書に登場する「日本に住んでる世界のひと」はだいたい20人だから、一週間の平日の朝、40分ぐらい、毎日、世界のひとの話を聞いた気分になりました。その一週間の間、その日一日がいつもより明るくポジティブな気持ちになったのです。「日本に住んでる世界のひと」効果、すごいです。読み終わるのもったいなくて、読むスピード制限したのですが、でも3月第1週はスペシャルウィークでした。20人の日本に来た経緯、日本に来るまでの事情、日本に来てからの苦労、そのどれもが語りつくせない物語であり、それをすべて受け止めて日本での暮らしを楽し
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試し読み
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ひとつひとつのことわざをじっくりひしひしと噛み締めるには丁度良い分量。
読み始める前は36コしか載ってないのか…なんて思いもしたけれど、ことわざそれぞれに寄せられたイラストとエッセイをゆったり楽しむにはこれがベストオブベスト。
各地域の気風や人柄がきちんと伝わってくるような、金井先生のことばのチョイス加減が絶妙で本当に素晴らしい一冊だと感じた。
〈風をたべる〉(p38、39)…「旅をする」という意味のマレー語のことわざ。一番好き。「ちょっと風たべてくるわ」って出掛けるのカッコいいね。話されているマレー半島周辺といえば交易の大要衝なので旅に来る人出る人が盛んだったんだろう。明日からすぐ使える -
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試し読み
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ネタバレ金井真紀さん待望の新作、やっと手にした(2023/1月)
末尾奥付ページの、著者紹介欄にある
任務は「多様性を面白がること」 が最高。
そしてこの本でもその任務を忠実にオペレーションしておられる。脱帽。
まずもって、各ページ、ことわざをその地域の文字、しかも金井真紀さんの筆による文字で書かれていてその地域のことわざや文化がわかる素敵なイラスト、特に私が好きなのはことわざ日本語文タイトルの上の小さなイラスト。すべてのことわざすべてのページが滲み出る金井真紀ワールド。多様性を多様性なんていわなくてもハミングや鼻歌やスキップで体得されたような感じ。
表紙タイトルにもなっている、フィンランドの -
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偶然金井真紀さんの本を続けて読みました。
これは 日本に住む外国の人のお話し
祖国にいると殺されちゃうので 日本にやってきた話しがすごい!
こわい夢見そう!
韓国や中国の人の話し聞くと 日本もひどいことしたんだねえ!
日本は 安全でいい国です。
なんて ちょっと前の時代のこと考えると言えない。
それでも今は たぶん安全
なんで難民申請受け付けないんだろう
帰化とか認めたら 若い人が減った問題も解決するんじゃなかろうか
せめて 難民申請くらい認めようよ!
国に帰されたら 殺される人もいる。
日本って融通の効かない国だねえ!
なんとかならないもんだろうか?
と思いました -
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試し読み
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世界36言語のことわざが、ほんわかとしたイラストとその言語の文字(文字をもたない言語もあるが)と発音(カタカナ書き)を併記して紹介されている。
月刊誌『世界』(岩波書店)に連載されていたものをまとめたもの。
見開きで1言語、全79頁と薄くてあっという間に読み終える分量。
けれど、その中に詰まった世界は広く、想像力を刺激してくれる。
ことわざを媒介にしながら、それぞれの言語、民族にまつわる歴史が見える。
侵略者たちは言葉を奪う。日本による沖縄への標準語の強制・方言札、台湾では日本統治下の日本語教育とその後の中国による台湾語の禁止、スペインのフランコ政権によるバスク語やカタルーニャ語の弾圧など -
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ネタバレ戦争とバスタオルを読んでイラストを見て、肩の力抜けてる風ですごい自我ある人やなあと感動した。
勝手に好きな(行ったことない(^_^;)本屋さんが解説を書いている、なんと、文庫の新刊なのね。金井さんあっぱれすごい尊敬する。ということで、満を辞して読ませていただく。面白い人いるのね、と思うわけですが、実はそうではなく、人の面白さを見つけることができる、人の凄さを素直に受け止められる金井真紀さんのフムフム力なのだ。金井さんはおっしゃる通り自分の持ち場を温かい電球のような包容感で照らしているから、自分の持ち場を照らしている素敵な人に出会えてその素敵さを照らすことができるのだ。
インタビューを短く刻んだ -
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第1章 ジャングル風呂と旧泰緬鉄道(タイ)
第2章 日本最南端のユーフルヤー(沖縄)
第3章 沐浴場とアカスリ、ふたつの国を生きた人(韓国)
第4章 引揚者たちの銭湯と秘密の工場(寒川)
第5章 「ウサギの島」の毒ガス兵器(大久野島)
歴史修正主義がなんと言おうと過去は現在と繋がっていることを人の記憶や行政の記録、建造物や死者達が物語る。私達の国がどんなに酷い事をしてきたのか…直視するのはしんどいけれど、ほんわかタッチの絵と文章のおかげで情景が目に浮かぶし、おふたりが持つ「出会うべき人に出会うべきタイミングで出会うパワー」に驚かされながら最後まで一気読み。今も昔も、被害は隠され分断され広くは -
Posted by ブクログ
ノンフィクションライターの安田浩一氏と文筆家でイラストレーターの金井真紀氏はともにお風呂好き。二人でタイ、韓国、沖縄、大久野島などの温泉を巡り、湯けむりの先にある歴史を紐解くという歴史紀行本。
風呂で出会った客や温泉関係者との語らいにはユーモアもあり、癒されるが、タイトルにあるように、基調には戦争がある。日本軍が残した負の遺産について、生き証人になる方が語るところは重く厳粛な気持ちにならざるを得なかった。
特に深刻な気分になったのは現在はうさぎで有名な大久野島の毒ガス兵器工場の歴史に関する話だ。元教諭で大久野島のガイドをしている山内氏や工場で働いていた95歳の藤本氏の語りの中には、断じて風化さ