チョン・セランのレビュー一覧
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村田沙耶香『無』 メモ
私たちが感じること、考えることは全て一つの象徴的存在から操作されている。私たちは得体のしれない大きな存在から受け取る電波によって思考し行動する。私たちの混沌の世界において思考と行動はすべて自分ではない存在の影響を受けているため、自分の責任ではない。判断を下したのは自分ではない。これが混沌……ではなく、これこそが無であるかもしれない。思い出せないことは無ではない。思い出せない中でも想起されることがことがある。混沌の世界にも無の世界にも優劣がある、優劣というトピックは私にとって最も興味のあるトピックだからそれに落とし込んで解釈する。ほかの人にとっての混沌と夢は違うのかも? -
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面白い作品、いまいち私には合わなかった作品、いろいろあって楽しかった。
「嘔吐」がとてもよかった。
本文に書かれていないところまで想像ができて、視点を移すことができて、面白かった。
ただ、気持ちの良い話ではない。
市川沙央さんの「音の心中」がよかった。
痛み・ゆがみを描くのがうまい。
対談が面白くない。
「ポルト」の良さが全く分からない。
読みにくい。
苦痛だった。
佐原ひかりさんの「出せなかった手紙」が切ない。
「チキンピアノ」の描写にひっかかる部分が多い。
言葉の繰り返しが多く、多少の矛盾した表現も含まれていて、気になる。
それでも、最後はよかった。
特別受賞作、なるほど。
「そんなに好きってわけでもない友達」
気持ちが悪い作品。
つまらない人間関係。
でも、心の隙や寂しさにつけこまれることって、多いよね。
ちゃんと独りでいることができる、ということは、とても大切なことだよな、と再確認できた。
【memo】
・ムカサリ絵馬(山形県) -
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やっと読み終わった。読むのに随分時間がかかった。
GOATはさらさのエッセイ目当てでmeetsを買った時に一緒に買って、先にmeetsを読んだんだけど、そっちもいまいち刺さらなくて、でも買ったからとりあえず最後まで目を通そうと思って最後まで読んだけどやっぱり刺さらなくて。
何だろう、テーマが「愛」だから合わなかったのかな。
50にして絶賛厨2病発症中なもんで「愛」というものがなんか説教臭く感じちゃって。
とりあえず収録された中では「違う海にいる」が一番心に残った。他人の新築の家で一番風呂泥棒(そんな発想がなかった。最高にクール)をすることに、思想を持って取り組む主人公がよかった。そして給湯器のリモコンのあの何とも言えない陽気な音が設定で消せることを知った。早速消した。ありがとう。麻布競馬場。 -
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新しい文芸誌
表紙可愛い。
キャラクター(表紙の子)可愛い
毎刊テーマが決まってる(今回は愛)
紙の本の価値について熟考されている。
紙という素材にもこだわっている
識字困難な人も読める対応をとっている
ジャンル多彩
投稿作家多彩
等々とにかくてんこ盛りに盛りに盛った体制に携わった人たちの鼻息が聞こえそう。
値段が510円ってのが安すぎて気になるけど、四方八方から手にとって貰えるような配慮なのかも。頑張って欲しい。
とにかくビックリするくらい沢山の作家さんが投稿してるのに驚いた。業界のことはわからないし、小説しか読まないけど売れっ子作家さんがずいずいと並ぶ様は圧巻。一月に数冊読む位の自分だけど、お、この人の本他にも読んでみようかな。とか、え、こんな物も書くのか。とか気付きはめちゃくちゃあった。あと合間に挟まれる座談会的なのも(例えば哲学とか)へーーみたいな腑に落ちあったり。作家さんによる短歌合宿とか(おもしろい!)モー色々がてんこ盛りの忙しい誌だったよ。巻末に識字困難者のための本についてがあってこれは興味深かった、シリーズ化されてるのかも、、、。
こういう鼻息荒い新しい文芸試、長く続くことを祈ります!!
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女性キャラクターが「男性性」を、男性キャラクターが「女性性」をあからさまに担わされているところがある。
本書のプロテストは「男性」に対するものにとどまっており、「男性性の称揚」自体は認めているように感じられてならない。
また、作者が「女性」という性にかなり肩入れしており、シソン一族の女たち=被害者vs外部男性=加害者の構造がはっきり分かれすぎているきらいがあるが、こうした二元論的な描き方はちょっと古臭くないか。
今のところ現代の男性ほどには意識しないでいられる自身の加害性を、女性(あるいはその他の性)もまた自覚せざるを得ない時代が来た時、はたしてこの作品はその時の人々の鑑賞に耐えることができるのだろうか…。
と、ちょっと否定的なことばかり書きましたが、魅力的なキャラクターのかき分けは見事で(特にジスとウユンのパートは清々しい気分になる)、一本気なところの感じられる作品でした。 -
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50人の主人公が韓国の郊外の大病院をハブにして、それぞれの人生を繰り広げる。
一人ずつの人生が、各10ページ前後の章にわけて展開される。登場人物たちは、他人の章にちょくちょく顔を出し、一つの病院をハブにして、たくさんの人達の人間関係の繋がりが感じられるところが面白い。
また本の中に、韓国で起きている様々な社会問題が取り上げられているところも、現代の若手小説家っぽさを感じられて良かった。
シンクホールなど、最近の日本でも大きく取り上げられている問題もあるが、韓国の医師の労働環境の劣悪さは衝撃的だった。
週100時間労働は平均値で、今は制度が変わってきてはいるものの、週88時間までは合法らしい。日本で週80時間働いてる人って会社員ではめったにいないんじゃないか。医師の友達もいるけど、そこまでではないと聞いている。地方の大病院などはまた違うかもしれないが。
50人の主人公の中に推しがみつからなかったこと(あえて挙げるなら、ウナムの奥さんのソンミには憧れるなあと思った)と、韓国人の名前が覚えにくくて所々に度々出てくる登場人物の識別が大変だったことは、少しだけしんどかった。