チョン・セランのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
素敵な八重歯を持つ主人公は会社員であり小説家で、これまでの短編で元彼をモデルにした登場人物を何回も殺している。主人公と元彼とで視点が切り替わってくんだけど、不思議現象として元彼の身体に主人公作の小説で彼にあたる人物が死ぬ文が浮かぶようになってきて…という話。
いや、面白かった〜。
同作家の『フィフティ・ピープル』もよかったけどあそこまで暴力的ではなく、だけど女性が生きるうえでの理不尽なリスクは描かれてて、頼もしい女友達とのシスターフッドもあって、よかった…。
会社員として働くことの安心、結婚という幸せ、色んな普遍的な要素にまつわる台詞や地の文の言葉がめっちゃよかった。
特にp.171の、もうすぐ結婚する友達ソニとの会話で、ソニが主人公ジェファに言った言葉がやたらよくって、読み終えた翌日とかに何度もそこだけ読み返しちゃった。 -
Posted by ブクログ
全部読み切り短編というのが、すごくいい。
今までの文芸誌は、連載ばかりなので、なんだか蚊帳の外感があって、書い続けないと仲間に入れてあげないよーと言われてるみたいで寂しさを感じることしばしば。
しかも豪華ラインナップに、いいの?この値段で?と問いたくなる。赤字だよね。
ともあれ、西加奈子「デヴィアン」市川沙央「音の心中」小川哲「嘔吐」をまずは読む。
全部面白い!
小川哲は、朝井リョウと仲良しになって影響受けてるような笑。
西加奈子も仲良しの村田沙耶香となんか似てるような。
互いに影響しあって、短編だから、肩の力を抜いて自由に書いてる感あり。
葉間中顕「五十歳,ロスジェネ、ギバー落ち」も,どこかで読んだようなテーマだけど、軽く読めた。
既視感あるけど、作家たちが実は書いてみたかったもの、というハードルの低い短編が多いなと思う。(悪口ではない)
一般の文芸誌はそこのところは、厳しそうだけど、それだけに全体に肩の力が入っていて小難しくてハードル高い作品がズラリ。で、なんかしんどい。
その点、初心者向けで、読書の裾野を広げようとしてるこの雑誌なら許されるというか、むしろ積極的にキャッチーな短編を載せていこうということなのかな。
こちらも肩の力を抜いてパラパラ読めるのでいい雑誌だ思う。読めなかったところがあっても,このお値段なら惜しくないし!
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Posted by ブクログ
初めて読む作家さんだったけど、その時点で2作品買った。本屋の棚で物色しているときに「すっごく面白い」と思って、読み終わった今も「すっごく面白い」と思えた。
かつての恋人、ジェファとヨンギに関する物語が交互に編まれ、大きなストーリーが紡がれる。かつ、ジェファパートではジェファの書いたバラエティーに富んだ、それでいてひたすらただ一人のことを追い求めた短編が読めると言うお得っぷり。茶目っ気と真摯さのバランスが好きな小説だった。
なかなか読む時間が取れずに、この小説を読み終えるまでにこの他に数冊のチョン・セラン著書を積読してあるので、楽しみに読んでいきたいです。