チョン・セランのレビュー一覧

  • フィフティ・ピープル
    主人公のいない小説が書きたかった。
    こうやって多くの人(世にいう普通の人たち)の話を読むと、
    みんなそれぞれ物語があって、どこかで誰かと繫がっていて、影響を与えたり、与えていなかったり。


    韓国の名前だから、名前覚えにくいな〜と思って読んでいましたが、
    他の方の感想で名前が分からなくていい。とあり...続きを読む
  • フィフティ・ピープル
    多くの人にとって人生は平凡である。そして平凡な人生とは劇的なものなのだと言うことを強く感じた。
    私も愛すべき隣人たちの人生に思いを馳せながら、自分の人生を歩んでいきたいとおもった。
  • フィフティ・ピープル
    50人(実際は51人)の登場人物が少しずつ絡み合い、事件でつながり合う、本当に絶妙で面白い連作短編小説です

    世の中って、人生って、こうやって一人一人の人生がいろいろな人とつながり合い、触れ合い、すれ違い、影響をしあっていくのだなという姿が切り取られたような感じ。
    私がこうして世の中に生きているのも...続きを読む
  • 八重歯が見たい
    韓国文学は感情的に書くのではなく理性的なものが多い気がする。そして、非現実的な出来事なのに現実的で、何食わぬ顔で日常に溶け込んでいる感じ。

    大袈裟に感情的に誇張しないところ
    露悪的でないところ
    それでいて人の温もりや人々のささやかな暮らしを身近に感じさせるところ

    あまりに感情的なものを読むと疲れ...続きを読む
  • 八重歯が見たい
    最初から最後までずっとロマンチック!かわいくてラブリーな物語(って私は思ってしまった)八重歯欲しいよね〜
  • フィフティ・ピープル
    ペ・ユンナの章と、ソ・ヒョンジュの章(のイ・ホ先生の言葉)が強く印象に残った。

    ******************

     必要なんだよ。ああいう人たちが増えれば増えるほど、それとは違う人が必要になるんだよ。ラッパ手が必要なの。目をそらさない人が必要なの。目をそらさないこと。
     (p.126)

    *...続きを読む
  • フィフティ・ピープル
    50人のそれぞれが主人公の短編集なんだけど、誰かが主人公の回には前に主人公だった人が誰かの人生の脇役として交差する話。
    自分の人生は自分のものだけど、脇役として登場する人にも人生があって自分も誰かの人生の脇役という当たり前のことも改めて作品になると面白いし愛しい
  • フィフティ・ピープル
    フィフティまでいくと誰が誰かわかんなくなっちゃうけど、なんとなくよかった!劇的な変化はないけれど、なんとなくいい方向にいってる気がする。
  • シソンから、
     作者チョン・セランは一九八四年生まれ(私は同い年)、この本が韓国で出版されたのは二〇二〇年、日本語版の出版は二〇二二年一月。私にとっては同時代感バッチリの小説だ。面白かった。
     タイトルのシソンは、シム・シソンというおばあちゃんの名前。訳者あとがきから彼女を紹介している部分を引用すると、「朝鮮戦争...続きを読む
  • 絶縁
    『闇に包まれた穴の底には、龍が横たわっているような気がした。(中略)年寄りたちの言うには、そうした穴は龍が冬眠をする穴ぐらだそうで、龍は夏になると穴からはいずり出てきて天空に飛び立ち、冬になると再び穴に舞い戻ってくるという。穴の付近の雪が解ける理由は、龍の吐く息が穴から噴き出してくるせいらしい。ぼく...続きを読む
  • フィフティ・ピープル
    いま現在、ちょっともう、この本にとろけている。
    なんて愛おしい物語たちなんだ。
    とてつもなく大人数の登場人物が入れ替わり立ち替わり、主人公として出てくる。1つの物語はほんの数ページ。しかしいくつか読んでいくうちに、さっきのあの人がここで出てきて、そしたらこの人は実はあそこにいた人で、そしてこの人はあ...続きを読む
  • フィフティ・ピープル
    たくさんの作品を読んできましたが、最高におもしろい。
    主役は不在、みんな脇役。
    華々しいエピソードもなし。
    が、最後に大きな渦となり一気に流れて行きます。
    とにかく素晴らしい。
  • 絶縁
    村田沙耶香 著「無」を目的に手に取った本。
    著者の“近未来SF”チックな作風が全開でした。
    フィクションだけど、どこか現実と繋がっている様な…
  • 絶縁
    日本の作家と共作しませんかと問われた韓国の作家チョン・セラン氏が「アジアの若手世代の作家が同じテーマのもと短編を書くアンソロジーはどうか?」と編集部に逆提案。それで編まれたのが本書だとか。
    今回のテーマは“絶縁”。人によって、国や地域によって、こんなにもいろんな“絶縁”があり、それぞれが自分だけの「...続きを読む
  • フィフティ・ピープル
    同じ作家の他シリーズの登場人物が、作中に少しだけ登場すると、あの人だ!と嬉しくなる人に特にお勧めしたい。それが多発して、しかも最後にまとまってくるんだからびっくりします。
    51人もの登場人物ほとんどが韓国人のため、名前に馴染みにくさはありますが、ついている似顔絵がとてもいい仕事をしています(訳者の提...続きを読む
  • 絶縁
    「絶縁」テーマのアンソロジー
    訳者のあとがきにナイスフォロー大賞を捧ぐ

    村田沙耶香、天才
    と思いきや、芋づる式に天才現る
    そして、しんがりのチョン・セラン
    一気に世界が広がってしまったので、これからどうしようかと悩む
  • フィフティ・ピープル
    すごく、おもしろい!!韓国文学好きです。
    表現が詩的で情緒があり、ロマンティック。
    洋書の翻訳が苦手ですが、韓国のものは翻訳も日本に近い表現かつロマンティック。

    医療現場の描写がすごく細かくリアルで、インタビュー取材をかなりされたのだなと労力も見られます。頑張ってほしいなぁという作家。


    人と人...続きを読む
  • フィフティ・ピープル
    分厚くて、ページをめくっているだけで楽しく、読み終わったら達成感を感じる。

    おかしいだろーって思うことだらけで世の中に疲弊するけれども、自分にできることを自分にできるところまでやればよいということに勇気づけられた。どんな場面でも、知らない他人でも、そのときとなりにいる人にやさしくありたいなと思いま...続きを読む
  • 絶縁
    チョン・セランの提案で、”絶縁”をテーマにアジアの作家9人の作品。どれもそれぞれに面白かったけど、ハオ・ジンファンとラシャムジャが特に良かった。
  • フィフティ・ピープル
    ・素晴らしかった。大好き。
    ・僕が「小説読みたいな〜」という気分になった時、その時体が(心が?)求めている成分が詰まった小説。「文学」を求めている時?そういう渇きにドンズバで応えてくれる
    ・韓国小説は読むの初めて。日本と近しいから読み易いと聞いていたけど。その通りだった。国が抱えている問題まで似てい...続きを読む