チョン・セランのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
発売、話題になってからしばらく経っていたけど、YouTubeきっかけで全巻(このとき3巻まで)購入した。
読み物として、こんなにワクワクしたのは久しぶり。読みたくて読みたくて、玄関に置き配される気配をドキドキしながら待っていた。
紙の本ファンにはたまらないよね笑
510(ゴート)円以上の価値があることは間違いないと思う。
現代作家の本をなかなか読めない私だけど、短編で各作家のエッセンスを味わえるのは、本当に美味しい体験すぎて申し訳ないくらい。
雑誌名の秀逸さとか、企画の画期的さとか、時代にこんなにぴったり”ハマった”ものが生まれたときの興奮って、同時代の人間にとって勇気を与えるんだなと思った。 -
Posted by ブクログ
GOAT創刊号!
小説、詩、短歌、エッセイ、哲学。
ジャンルも国境も超えて、かつてない文芸誌、ここに爆誕!!!
あ〜面白かった〜!!
買ってからずっと置いたままだったけど、第2巻も出たことだしと思って 読み始めたらめちゃくちゃ面白かった!
たくさんの著名な作家さん達が こぞって名を連ね、"愛"をテーマに ほとんどが読み切りで書かれている。
対談はスルーしちゃいましたが、それ以外はほぼ読んだけど ハズレなかったな〜!
たった510円で(ゴートにちなんでの510円) こんなに盛りだくさん!
紙は再生紙を利用してるけど、味があるしカラフルで可愛い♡
読み切りだったのが -
Posted by ブクログ
ビリヤードみたいだった。
ある人がある人にぶつかって、その人が今度は別のあるにぶつかって、の繰り返し。人がある場所にいるのは、別の誰かにぶつかったからで、それはまた別のある人が、、、と考えると、今自分は膨大な人と人がぶつかり合った軌跡の延長線上にいるのだ、と壮大な気持ちになった。
赤の他人の51人は本人たちも知らないところで互いに影響を及ぼしあっている。他人だけど他人じゃない、誰も気づいていないし見えないけれどそこには確かに連帯があるのだと思った。
ということは、見知らぬ誰がが困っていたとして、それは周り回って自分に繋がるかもしれない、と思った。「個人の問題は社会の問題」というフレーズを思い -
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神文芸誌が誕生。
もうGOATなしでは生きていけない身体になってしまいました。
私にとって何が神だって、基本的に読み切りを前提とした作品集になっているところ。
ずっと文芸誌というものに憧れはありつつも、でも文芸誌って連載ものが基本で、途中参加したい新参者はちょっと入りにくい仕組みになっていると思うんです。
かといって、バックナンバーを漁ろうにもそこにはやっぱり過去の連載作品が絶え間なく続いているのであって、その続きを読むためにバックナンバーを、、、という夢幻スパイラルに陥ってしまう。
そんな中で新文芸誌の誕生に、ついに一から連載を追える、文芸誌に手を出せるぞ、と思ったらそれ以上の衝撃、す -
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Posted by ブクログ
小川哲著『嘔吐』(文芸誌GOAT Vol.1収録)
遅ればせながら『宇垣・片桐の踊る!ミリしら会議』でGOATを知り、Vol.1&2を購入。その中の『嘔吐』がとにかく衝撃だった。
テーマは「愛」なのに「嘔吐」?と思いきや、読めば納得。
これは“推しへの愛”を描いた物語。でも、ただの美談じゃない。
最初は語り手に共感すら覚えた。
けれど、じわじわと距離感がズレていく違和感。
少しずつ歪んでいく気持ち悪さと、応援がいつの間にか自己正当化にすり替わっていくリアルさ。
「こういう人、ネットにいるよな…」と他人事のように読んでいたけど、どこかで自分にも刺さる。
終わり方もさすがのひと言。 -
Posted by ブクログ
「背負ってさしあげますよ」「それはだめだよ」「体のでっかい孫が孝行していると思って、そうしてください」
セフンのような思いやりを持ってこんな行動ができたなら。
「ずっと差別されずに育ってきたから、差別を見たときにこれは差別だってすぐにわかるのよ。自分の持ってる資源でできることをやってるだけなのに、何だっていうの?」
有能で責任感の強いソラの言葉に胸がすく思いがする。
「おばさん、助けて」会ったこともない人だ。でも、ジョンビンのママなら助けてくれると思った。大人が必要だった。
まだ幼いジョンビンとダウンの物語が優しくて切ない。
客観的で、でも細やかで、人間の善意のようなものが51人の物語を