あらすじ
〈誰かが私たちの助けを待っている!〉
なんでもない偶然、どうってことない超能力、たわいもない親切で、奇想天外な物語が回っていく!
『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』でおなじみの韓国の人気作家チョン・セランがつむぎ出す、愉快、痛快、やさしさいっぱいの冒険譚。
**********
科学者のジェイン、アラブの建設現場で働くジェウク、年の離れた高校生の末っ子ジェフンの三姉弟。
海でのバカンスから戻ると突然、超能力を持ったことに気がつく。
身に覚えのない、しかも〝超〟というにはあまりにもビミョーな〝能力〟に戸惑う3人。そして、「誰かを救え」というメッセージと小包が届く。
──いったい誰を……どうやって救えと!?
**********
【目次】
J・J・J三姉弟の世にも平凡な超能力
あとがき
訳者あとがき
**********
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
翻訳だからか、元々こういう文章なのかわからないけど、なんとなく絵本の文章みたいで新鮮な感じ。登場人物の気持ちや行動の説明が淡々としていて、押しつけがましくなくて良かった。結果として謎の超能力で人を救った三姉弟、能力が微妙で誰にも話さず、ひっそり終わるのが良かった。正義の味方は目立っちゃダメだよね。
Posted by ブクログ
奇想天外とまではいかないかど、なかなかシュールな超能力で面白くてほんわかした。
三姉弟それぞれが経験したことは、それなりに大ごとなんだけど、微妙に地味で、そこがまた妙にリアルで良かった。
ジェウクが助けた2人のその後があったのが、とても良かった。
Posted by ブクログ
その力が誰かを救ってる。
長女ジェインは研究職で奮闘、2番目のジェウクは砂漠に派遣が決まり、末っ子のジェフンはジョージア州に留学。3きょうだいは突然自分に不思議な現象が起こることに気付き、またそれぞれ「Save 1.」「Save 2.」「Save 3.」というメッセージを受け取る。
優しさとと希望のある物語。超能力があっても、最終的に人を助けるのは勇気を出すかどうかだったり、その力をうまく使う知恵だったり、助ける人を見出す観察力だったりする。それなら超能力がない者にも、誰かを助けられるかもしれない。なにより自分は1人じゃない。隣の人の力を借りれば、誰かを助けられる。そして、誰かを助けたという経験は、自分をも救う。このきょうだいの話をもっと知りたくなった。
Posted by ブクログ
ユニークでゆるくて、ちょっとだけ泣けて、少しだけ気分を明るくさせてくれる。そんな軽やかな読み心地の、大人の寓話のような物語でした。
役に立たないようなマニアックな超能力が、めぐりめぐって人を救う。それは結果的に自分自身や大切な人たちをも救うことにもつながっていく。その温かな人情の連鎖が心地よく描かれていて、好きだなあと思えました。
軽やかな筆致で、さりげなくユーモアも忍ばせていて、心がほころぶような表現も多くて作者の感性そのものが素敵だなと感じました。好きなお話です。
Posted by ブクログ
タイトル通り三人の姉弟が超能力に目覚める。一番上の姉は爪が固く伸びる。真ん中の兄は危険を視覚で察知。一番下の弟はエレベーターを思い通りに操る。
なるほど、こういう地味な能力でもって力を合わせて大きな事件を・・・と思ったけどそういうわけでもなく。それぞれがそれぞれに事件に巻き込まれそのちょっとした力で解決。危険察知は割とちゃんとした能力じゃないかとも思いますが。
どきどきはらはらでものすごく楽しめました!というほどではないにせよ、ほのぼのと楽しんだ感じ。ボリュームも中編くらいのあっさりしたものだったのもちょうどよかったかも。