魚豊のレビュー一覧
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真理を求めることはつまり、人生をかけた自らの研究を自ら否定することになる。それは研究者にとって、最大のよろこびであり最大の挫折であるのだろうか。
託した者の気持ちを思うたび目頭が熱くなり、続巻が楽しみになった。Posted by ブクログ -
そんな馬鹿な!?って思う内容ですぐ処刑されたりする漫画のような世界ですが、一昔前は本当にこんな世界だったんだなと思うと、とても感慨深いです。
何か新しいことを始める人、人とは違うことを言う人…こういう人は現在でも世間から異端としてみなされますが、この時代に生きて成し遂げた人は本当に素晴らしいと思い...続きを読む -
ただの地学に終わらない。
穢れた地球から美しい宇宙を見上げるなんて愚だ、との信仰に寄りかかり真理に目を向けない者達が空を邪魔する目に。視覚的な表現力に圧倒された。Posted by ブクログ -
今なおアメリカでは進化論を否定する人たちもいるくらいですから、その当時のヨーロッパでの科学に対する宗教の弾圧や、葛藤は容易く想像できます。けれども歴史的な弾圧の事実を知っているのと、きっとあったであろう研究者たちの物語を読むのとでは、また思いを新たにさせられます。続きがとても楽しみです。
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中世の宗教観に支配された環境で、真理を求める心と宗教弾劾に怯える主人公の葛藤が痛々しい。一方で現代人のような言葉使いやちょっとしたギャグ要素が話の重さを軽減して読みやすいものにしている。主人公が本巻の最後に死んでしまうのだが、彼の意志が別の人間に受け継がれていくようで思った以上にスケールが大きい話で...続きを読む
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pp.173-177
のくだり全文書き下して共有したい
ネタバレになるから自重するけど
素敵やん
その勢いのままガリレイ『星界の報告』を読むともう
素敵やんPosted by ブクログ -
地動説を証明するために命をかける人間の話。
C教が広く信仰され権力を持っていた時代、地球は宇宙の中心であるという天動説が正しいとされていた。
たとえ将来の成功を失ったとしても、拷問をされたとしても、美しいものや知的好奇心に勝るものはないのだと示してくれる。
自分が証明できないとしても、次の人へ繋ぐこ...続きを読む -
1巻から10年ほど時間が経過しているのだろうか。
相変わらず異端思想扱いではあるが、地動説証明のための資料は脈々と引き継がれていた。
文字もまとも読めない下層階級の男にその叡智が託されることで、また一歩世界が動き出す。
学がなくとも、宇宙は人を惹きつけてやまない。 -
1巻毎に主役が代替わりするのかと思ったがそうではないようだ。
社会に抑圧されている聡明な女性によって、地動説の証明にまた一歩近づく。
地動説を証明することは、社会の構造をひっくり返すことに繋がる。