あらすじ
俺はトガシ。生まれつき足が速かった。だから、100m走は全国1位だった。「友達」も「居場所」も、“それ”で手に入れた。しかし小6の秋、初めて敗北の恐怖を知った。そして同時に味わった。本気の高揚と昂奮を──。100mの全力疾走。時間にすれば十数秒。だがそこには、人生全てを懸けるだけの“熱”があった。
取材も、記録も、賞金もない。懸けるのはただ、尊厳だけ。アメフト部との決戦(リレー)のため、不登校となった“元全国1位”の陸上部部長・仁神の下を訪れた一同。そこで語られたのは、“才能”に翻弄された、壮絶な過去だった。仁神は再び、“熱”を取り戻すのか? 運命の号砲が、鳴ろうとしている──。
感情タグBEST3
挫折からの復帰
部長もトガシと似たような苦しみを抱えて挫折していたが、泥臭く復帰。リレーの展開は少し劇的すぎる嫌いはあるが、爽快感あり。全国大会でのトガシと小宮との再会が楽しみ。
仁神
陸上選手の父親を持ち、周囲そして父親からの期待の中走ってきた仁神。しかし記録が伸びなくなり期待が重圧に。他人の才能がさらなるプレッシャーを招きついに押し潰されてしまった。そんな男が再起するお話。