森瑤子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分自身の肉体について「醜いものを醜いと感じつつ、それを放置しておくという、神経の鈍感さにつくづく嫌気がさす」→ダイエット、という森さんの心理に「そう!!!!」と深く深く頷きました。要らないお肉が付くと美意識、感覚、それに思考まで鈍感になりそうで嫌。周りの人から「痩せ過ぎでは」と言われても、自分で(お腹がぷよってなってるのが気に入らん。くびれ!)と思ったらくびれ作ります。誰のためでもなく自分が自分を好きでいるために…だいたい好きじゃないから、少しでも気に入ってるとこは増やしたい。
森瑤子さん初めて読んだと思うのですが面白いです。ちょっと時代錯誤もあるけれど小気味良くて好き。90年代に雑誌掲載さ -
購入済み
ぞくっと面白い
どの話もぞくっとして余韻が残ります。内容が薄いのにグロテスクな表現だけで怖がらせてくる小説は嫌いなのでこの本を購入してみて大正解でした。蒸し暑い夜を読書で楽しめました。
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Posted by ブクログ
数年前にNHKのドラマになった、マッサンこと竹鶴政孝氏のスコットランド人の妻リタさんの小説。竹鶴氏は、日本で初めて本格的スコッチウィスキーの製造をした人で、ニッカウヰスキーの創始者である。以前にドラマの原作となった「ヒゲのウヰスキー誕生す」という本を読んだが、その本は政孝の視点から書かれていた。本書も内容は似ているが、外国人であるリタがどう政孝と出会い、人生を共にし、日本に帰化していったかを追うことができる。
著者の森瑤子氏は早逝してしまったが、100冊を超える著書を遺している。本書もたくさんリサーチをして書かれたであろうことがうかがえる。著者の配偶者がイギリス人ということもあり、スコットラン -
Posted by ブクログ
このタイトル、何て秀逸なのだろう。
読み終えた後このタイトルをしみじみと見つめて、センスの高さを感じた。
主人公は三人の娘を持つ小説家。末娘の問題行動がきっかけでセラピストによるカウンセリングを受け始めるが、そうなった原因は、彼女自身がいわゆる毒母に育てられたことにもあったということが分かる。
夫との関係も破綻しかけていたが、再和合を図るために旅に出かけた南国の地で、夫と激しく問答してしまう。
そして徐々に自らが抱える闇の根源に気づいていくが…。
経験したことのない何とも不思議な感覚。今現在の現実、セラピストとの対話、そして空想(主人公の心象風景?)が、何の説明もなく交錯しながら進んでいく