森瑤子のレビュー一覧
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『ヒゲのウヰスキー誕生す』を読んで、リタから見た竹鶴夫妻の歩みを知りたいなあと思ったので、ずっと読んでみたかったこの本を購入。
分厚いけど、夢中になって一晩で読み終えた。
リタの最初の婚約者のこと、竹鶴との出会い、妹エラとの確執、日本での戸惑いなど、リタ側から見た生活ぶりがたっぷり描かれていた。特に幼少期~大学まで、どんだけひ弱な女の子だったかというのもよくわかった。それなのに日本に行くと決心して、日本人になりきって、よくそこまで頑張れたもんだなと感心。それだけ竹鶴のことを信頼してついていったんだろう。リタのお母さんが夫をうまくたてる人だから、そういう育ちも影響していると思う。
ただ、サラを -
Posted by ブクログ
竹鶴リタの物語、読み終わりました。森瑤子ワールドの中のリタはなんだか悲しいなあ。一生懸命生きて、愛する夫はきっと労わってくれた、でもそれ以上に日本に同化しようとすごく努力した、だけど完全にはなれなかった、それを「望郷」という題名で表したのではないか。
「望郷」ではリタの戦死した婚約者への感情の動きから描くことで、よりリタという人間の根っこのところへの理解が深まる。。子供を流産してしまい、自分の血の入った分身との生活が叶わなくなって、「初めてニッポン人にならなければならないと悟った」と描いている。そしてリマという養女との行き違いの生活を森瑤子は想像たくましく描く。ここのところがこの物語を読んで -
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ネタバレ歴史小説というのか、江戸時代の長崎出島のオランダ人たちの物語。もちろん実際に会ったことを飼料に丁寧に時代考証されていて読みごたえがある。残念なことに執筆の途中で森瑤子さんが亡くなられたので、続きを作家志望だったお父様が書かれたとか。しかしもともとは作家志望のお父様がこの題材の物語を書きたくて、長年資料を収集整理してきたものを、瑤子さんが譲られ書き始めたものらしい。森瑤子ファンにはそのあたりも面白く感じるかも。もちろん私もワクワクして読んだ。これを読むまでカピタンのことは全然思いが及ばなかったけど、あたりまえだけどこういう人たちが実際に日本にいてたくさんの情報をもち当時の幕府や文化人は影響を受け
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Posted by ブクログ
◇あらすじ◇
心躍るようなときめきはなくとも、穏やかな夫婦関係に満足していた妻。
しかしその妻の考えは、ある事故をきっかけに一変する。
事故で意識がもうろうとする中、信じていた夫に浮気を告白されるのだ。
変わりゆく夫婦関係、そして妻と夫の心の揺れ動きを繊細描いた作品。
◇感想◇
感情の捉え方が繊細で女性らしく、美しい作品だなと思いました。
もっと暗くドロドロした感じを想像していたのですが、案外さらっと読めます。
メインは妻と夫の関係、そして妻と娘の関係。
どちらもどことなく納得できてどことなく納得できない考え方が浮き彫りにされちて、非常に興味深く読み進めることが出来ました。
表題以外では気