森瑤子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
印象的だった一節。
おそらくこの作品の主題を端的に表した部分である。
昨日本を返してしまったので、文言ははっきり覚えていないのだけど、夫婦のこのような会話を空を眺めながら妻が回想する場面。
―人類はどうしてこの空にロケットを打ち込むのだと思う?
―他の星に生物が住んでいるかを確認するため?
―他の星に生物がいないことを確認するためだよ。
―同じことじゃないの。
―前者と後者じゃ大きく違う。人類は自分たちより優れた存在が在ることを恐れているんだ。つまり嫉妬なんだよ。
しかし、元々知らなければ嘆くこともない。
「何かいる」んじゃないかと疑うから不安になるのだ。
この物語 -
Posted by ブクログ
恋愛にまつわるエッセイ。森瑤子の本は初めて読みます。
なんだかとてもオシャレというか、洗練されていて洒脱な内容でしたね。芯のある女性で憧れます。
三姉妹の母親でありながらも、女としての生き方を忘れず、結婚して妻でありながらも、小説家としての野心も失わない。
欲ばりにもがむしゃらな感じにもさせずに、そうした「なりたい自分」であるためにしなやかに生きている姿はどうしたって憧れてしまう。
「風と共に去りぬ」のスカーレットのような。読んだことないんですけど、森瑤子さんが自身をそうたとえているので俄然読みたくなってきました。
結婚での教訓もいくつか。
結婚生活で、できるだけ長くドキドキしていたかったら -
Posted by ブクログ
学生時代から友情が続いている5人の女性。ヒモみたいな同棲相手がいる劇団員に、シングルマザーの編集者、実家が裕福なピアニストとか、とても等身大とは言えないし、共感ができるところも少ないのだけど、イイ男に惹かれる気持ちや、逆に今の男に見切りをつける描写、揺れ動く恋心の表現は上手いと思う。ただ、作中にあるようなクールで知的な自立した『ハンサムな女』とは全く思わなかった。むしろ、男に寄りかかって、結局最後はイイ男が現れ、助けてくれるような印象だった。これが『ハンサムガールズ』というテーマじゃなければ、ありだと思うけど、タイトルと内容があっていないような印象を持ちました。