あらすじ
ほんの遊び心から婚約した渉と今日子。二人の指には、お揃いの銀の指輪がはめられている。今日子はいつしか渉との結婚を切望するようになっていった。しかし約束の日、渉からの電話はなかなか鳴らず……(「指輪」)。銀狐のコートに大きなサングラスをかけた女が、ファースト・クラス・ラウンジのソファーに腰をかけていた。その彼女に男が声をかけたが……(「一等待合室」)。女と男の欲望と、?と裏切り。情愛の行きつく果てとは──あまりに繊細でスリリングな珠玉の短編集、装いも新たに復活。(解説・原田ひ香/『イヤリング』を改題)
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Posted by ブクログ
森瑤子さんが逝去されてから30年以上経つのですね
大好きな作家さんでしたので
書店で復刻版を見かけて懐かしくて購入しました
時の流れを感じさせないスリリングな男女の情事、醜い言葉の争いとか、女たちのやり取りなどなど…久しぶりに森瑤子ワールドに浸りました
短編集なので
空き時間に一編ずつ
中でも『イヤリング』はスリル満点ドキドキが止まらなくて…
そして『蒸発』は心打たれました
夫婦間の心情が読み取れて切なかったです
珈琲の香り…泣けます
Posted by ブクログ
美しく、でも苦しい。
年頃の女として目を背けたい現実が描かれているから共感できる、だから悲しい。
何の話してるの、自分とは別世界の話だわと思える年の頃は、それはそれで苦しかったのだが…。
女の人生とは苦しいものだ。
Posted by ブクログ
初めて読んだけれど、感情面は古びた印象を受けない。
女性が当たり前のように全部家事をしているとかは、時代を感じさせる。
(軽い気持ちで殴るとか、殴られた側もとんでもないこととは思ってないところとか)
短編集だから仕方ないが、全く同じ表現が別の作品で出てきたのは、残念な気持ちになった。
とはいえトータルでとても面白く、時に辛く読んだ。
また別の作品にも出会いたい。
Posted by ブクログ
むかしテレビで見た覚えがある森瑤子の作品で、恋愛絡みの短編集。知り合いの編集者との情事に勤しむ妻の行動を夫が見破る、冒頭の「イヤリング」は面白かったかな。
Posted by ブクログ
久しぶりの森瑤子、古本食堂をきっかけにもう一度読みたいと思い手に取ってみた。
10代のころ貪るように読んだ森瑤子は今の歳で読んでもやはり他人事でしかない。
オシャレでお金のある男女の情愛。
今は許されないことだし、少し古めかしくも感じるがやってることは同じ。
中身があるかと言えば、ない。
ただそこにあるのは情事のみ。
でもやはり惹かれるのは圧倒的な文章力と森瑤子と言う1人の魅力的な女性へのやまない憧れからなのかな。