森永卓郎のレビュー一覧
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第8章 「これからどうすればよいのか」を重点的に読んだ.日本の財政についての論考(p182)で、債務が1400兆円、資産が960兆円、差し引き純債務は450兆円.540兆円のGNPの83%に相当する由.今はやりのMMT(Modern Monetary Theory)理論[自国通貨を発行する政府は高インフレの懸念がないかぎり財政赤字を心配する必要はない]に似通った議論だが、果たして正しいのか.さらに"通貨発行益"という理論を提示し、現在450兆円に達していると述べている.前述の純債務と同額になっていることから、日本は現在無借金経営になっていると結論付けている.このような背景か
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日本がバブル以降に、経済の地盤沈下を続ける原因は日本のアメリカへの過度な追従にあるという。ハゲタカファンドの不良債権の買い叩きやそれを容認する日銀や財務省。また米軍への過度な依存に思える、米軍基地への治外法権への配慮。ちなみにドイツなどでは基地にも警察権が及ぶとか。
米依存は日本の中国に対する地政学的なリスクはあるかもしれませんが、誰に対する政治なのかは考えてしまいます。最終章の日本航空123便の事件は興味深く読みました。
また著者はベーシックインカムに導入賛成とありますが、そのソースのAIに対しては過度な期待をしてはいけないのではと思いました。 -
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社会保障の財源確保として消費税の増税が不可避と言われていますが、著者は適当ではないと指摘しています。
消費税の逆進性、そして過大な消費税の滞納額、消費税というシステムの欠陥、何より消費増税分を法人減税に振り向けている政府の徴収態度に業腹のようで、『これでは景気は良くならない!』と断言しています。
最近は『ザ・ボイス そこまで言うか!』というラジオを聞いているんですが、これに登場する論客は殆どが消費増税に反対していて、『寧ろ5%に引き下げした方が良い』と言っています。
その、結局なぜ増税するかって、社会保障の充実が目的だったはずなのに、その財源を消費税にしていることがおかしくて、しかも消費増税の -
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「格差」、よく聞く言葉です。
その格差について、尾木氏は、
"自然現象"でも"歴史的必然"でもないからです。きわめて人為的、政策的、つまり政治が主導して生んだ格差
だと指摘しています。
そう指摘されて初めて気がつきました。
そういうことに気がつく人材を育てていくことが大切だと思うし、
「政治が主導して生んだ。それはおかしいではないか、そんな社会はおかしいではないか。」と「権力者の行動を看破できる教養や知性」を持つ人材を育てていくことが大切。
そこに、今の教育界に蔓延している競争原理主義は必要ないと私は思う。
政府は一握りのエリートがいればそれで十分、あ