茂木健一郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
まだ5月ですが、この本は今年読んだ本の中でベスト3に入るはず。勉強になっていろんなことに気付かされて、人として深く、厚くなれた気にさせてくれます。
脳科学者の茂木さんと対談しているのは、NPO法人「北九州ホームレス支援機構」の理事長・奥田知志さん。この対談は本当に読み応えがあります。ホームレスを支援することについて奥田さんは、それは強い者が弱い者を助けている、という構図ではなく、支援する側も弱い人間で、弱い者同士が支え合っていると捉えることが大事だと話します。
元ホームレスのおじさんが小学校の講座で語った話がとてもよかった。「自分で頑張るしかないと思って生きてきたんだけれど、この世には助けてく -
Posted by ブクログ
居心地がよく、安定したつまらない仕事をしている中で感じていた
「何か違う、このままでは腐っていきそう」
という気持ちは「挑戦していない」という状況に自分の脳が危険信号を出していたのだと思った。
人間とは挑戦し続けることが存在理由である。
いま日本の産業が衰退していく一つの理由として
日本人が偶有性という不確実な状況の中に飛び込まないことがあげられる。
加えてインターネットの登場で既存の組織や肩書、今まで成功と考えられていたことの価値が薄まってきたことにより、日本人の「挑戦しない」ということが他の国とくらべて如実に出てきているのだ。
今までの価値観が崩れていくのがこれからの時代。
そういっ -
Posted by ブクログ
「Ministry」第10号の対談「3・11後の宗教界を斬る」で文化人類学者の上田紀行さんと対談したホームレス支援機構の奥田さん。今回の対談相手は、NHK「プロフェッショナル」以来の長いお付き合いとなっている脳科学者の茂木健一郎さん。
「私自身はクリスチャンではないが、以前から、『自ら傷ついたものこそが叡智を得て、世界を救うことができる』というキリスト教の根本思想に、深い共感と関心を抱いてきた」という茂木さん。信仰に支えられた洞察に基づく奥田さんの支援活動に触れ、「何度も魂がふるえた。精神の美しい火花が散る思いがあった」と述懐している。読者も2人の対談を傍らで「聞き」ながら、牧師と脳科学 -
Posted by ブクログ
自分の体験も交えながら書いてあり頭に入りやすかった。まずは、動いてみようと思えた
脳の出力と入力のサイクルを回す
脳のコントロールは体を動かすのが一番
「1時間脳セットアップ法」脳は、遠い目標より直近のスケジュールを優先させる傾向にある。1~2時間で終わる一つのもに集中する
「瞬間集中法」やると決めたら1秒後には集中するということを繰り返す
行き詰った時は手や口以外の部位、簡単な動作をしながら考える
脳は「生きる」ために存在する
「生きる」とは、仕事を含めて、自分の人生を通して「生命の輝き」を放つことという言葉に痺れた
生命の輝きを放つための5つの行動
1.クリエィティビティ(創造性)をも -
Posted by ブクログ
まず、冒頭から「赤毛のアン」をまた読みたくなった。そして、読んでいくうちに、一番好きな本である理由が、どんどんわかっていった。確かに、アン・シャーリーの生き方に感動し夢心地になり、まるで一緒に生きている気分になる。そして、アンのように、自分で気づかないと幸福感は味わえない。そんな風に読み上げられるのは、大人になってからなのかもしれない。今が読み時かもしれない。この本を読んでいる間に、来春3月31日からNHK連続テレビ小説で「花子とアン」というタイトルのドラマが始まる。内容は、「赤毛のアン」最初の翻訳者である村岡花子さんの波乱な半生とのこと。「アンのゆりかご」(村岡花子さんの娘である村岡理恵さん
-
Posted by ブクログ
チクセントミハイのいう「フロー体験」を通じ、自主性という皿を知的好奇心の獲物で山盛りにしようというもの。いわゆる学校でのお勉強言わずもがな、組織知のストックについても言及されており、大変刺激的な一冊でした。
子供に「◯◯しているね」という声を掛けて上げることが非常に有効との情報を得て本書に臨みましたが、学習にはセキュアな環境と、意外性を与えてくれる環境の両面が必要で、そのうち親が与えるべきは、セキュアな環境、すなわち見ていてくれることを実感できる環境だという記述が大変腹に落ちました。
グーグル先生にお伺いすりゃ何でも一定の回答が得られる時代、ユニークさや個々の知を育み、体系を与えることの重 -
Posted by ブクログ
人間はしょせんDNAから生成されているのでプログラミングで突き詰めていけば、人工知能は再現できるのではないか?と考えていたが、この本で、そんなに単純なことではないということが学べ、めちゃくちゃ参考になった。でも、弟と議論すると、それじゃできない理由としては弱いのでは?と納得させられなかったのが非常に悔しい。
脳がプログラムで再現できない理由は以下である。
①ただの物質である脳から、どうして自意識が生まれるのか、については解明できていない。また、それは機能主義的なアプローチでは生まれない。
②優しい問題(青があおだということ)と難しい問題(あなたが感じている青と私が感じている青とは本当に同じなの