茂木健一郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
タイトルだけを見ると、啓蒙的臭いも漂うが、著者が誰かをみればそんな本でないのは分かるはず。とにかく、スゴ本。
脳科学者の言葉と俳人の感性が交歓し、奈良の路に広がる雄大な自然と悠久の記憶の中を、おおらかに駆け巡る。
「言葉は身の丈」
「思いつきというのはひらめきですから、言葉が生きている」
「流通しない言葉は言葉ではない」
「生命と言葉のあわい」
次々に飛び出す深層水のごとき言の葉に心奪われ、茂木氏の言葉を使わせていただく。
「意識の中に万葉時代が広がりました。その瞬間、確かに僕の中で時空概念の革命が起きました。」
融通無碍の日本文化に深淵に触れて、あらためて日本人である誇りをもつと同時 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分の考え方ががらりと変わった。もっと早く読んでいれば(もっと早く出ていれば)と思った。「読書力」の用例に書いてあった一つが自分にとって初めていかされた本でもある。自分の考えが不安で、しっかりしていないからと親に流されたけど俺は間違っていなかったんだ!どこの学校に行ったから就職先がどうこうってのは関係ないんだ!これからの時代は特に。真向に親に言い返せる自信をもらった。自分の中にあったもやもやとした考えが形になった感じ。茂木さんから力をもらった。何か肩の荷が軽くなったような、アウェーに飛び出していこうと思った。すごくフットワークが軽くなった!
何度も何度も困難に陥った時、くじけそうになった時お世 -
Posted by ブクログ
私の仕事には「ホーム」がない!
そのことを認識してから、心が揺らぎ出してしまい、時々どうしようもなく苦しくなって、涙も出てきて…というタイミングで出会った本。
出会えてよかったです。
アウェーのよさ。苦しさ。苦しさの意味。
ホームの考え方。ホームの持ち方。
それらのことが、すとん!と私の中に降りてきました。
研修もサポートもなく、突然入った現場。
自分の周囲は全てクライエント、という環境。
完全にアウェー。
そういう環境は、嫌いではありません。
けれども、時々とても苦しくなる。
私のホームはどこだろうと、ありもしない場所を、探してしまっていました。
そんな時、この本から「ホームは自分 -
Posted by ブクログ
”考える”ということをテーマに棋士 羽生善治と脳科学者 茂木健一郎が対談した貴重な一冊。
この対談に棋士 羽生善治の対局の真髄が見えたような気がして、非常に興味深かった。
対談形式の本というのは話がはずむほど、各論良し、総論悪しになることが多い。本書においても茂木氏は自身の持ち味を発揮し、話を予期せぬ方向に拡散する。しかし、羽生氏は常にテーマに応じた的確なポイントに話をシンプルに打ち返してくる。まさに、水平に広げる茂木 VS 垂直に深める羽生という構図で対談が進んでいくのだ。
特長的なのは、羽生さんは将棋盤の上を逸脱する話は、一切しないということだ。それなのに、話はあらゆる方向に広がってい -
Posted by ブクログ
忙しければ忙しいほど脱線しまくりで
別のことをしたくてしたくてたまらなくなる、って経験
ありません?
僕はついに本まで買って、読んでしまうわけだ。
「自分の頭で考えるということ」
(茂木健一郎×羽生善治著 大和書房)
昨日(9月9日)かな?
グーグルは検索語句を入力し終える前の、
最終的に検索をクリックしなくても、語句を入力していくと
的確な情報を予測し、表示するサービスを始めるとの
ニュース発表があったばかりだ。有料ながらアメリカから始め、
数ヵ月後にはヨーロッパでもこのサービスを開始するようだ。
ヤフージャパンもこの世界ではグーグルに委ね、
「全検索」の世界では一人勝ちの様相を呈し -
Posted by ブクログ
茂木さんも南さんも大変。色々考えることがありすぎる。もっと考えないようになれれば楽だろうに。ただ、二人ともその“楽さ”は求めてないんだろうな。でも、二人はほんと楽しそうにしてる。
この本は、テレビでもおなじみの脳科学者である茂木健一郎さんと、禅僧である南直哉(みなみじきさい)さんによる対談集。
2人の対談は、2004年から2008年までの間に、東京都の青末寺、青森県の恐山、東京都の新潮社で3回にわたって行われたものです。ですので、時間が進むに従って、お互いがお互いを深く理解し、自分の考えを深めてから、対談という形で自らの意見をぶつけ合うので、お互いに緊張感があり、さらに喜びがあるように感 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『セレンディピティの時代―偶然の幸運に出会う方法』(茂木健一郎、2009年、講談社文庫)
セレンディピティとは、偶然の幸運に出会う能力のこと。脳科学者である茂木氏はこのセレンディピティが「人間が創造的になるために必要な一番の条件」とし、セレンディピティ能力を高めるための方法を本書で紹介している。
脳科学者らしく、楽しいことをするときに脳が感じる「ドーパミン」という物質がセレンディピティに関係していると紹介したりするなど、最新の脳科学の一端に触れることができるのも楽しい。
僕が本書を読んで感じたことは、セレンディピティが人生を豊かにするということです。セレンディピティがもたらすものは日常の