藤原祐のレビュー一覧
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明るい表紙とは正反対の真黒な中身。
敵陣に新しい虚軸が登場し、ついに大々的な日常への侵攻が始まる。
前巻までは、敵の襲撃前まではコミカルな日常パート、襲撃後にシリアスな非日常(戦闘)パートと分かれていたけど、ここからは常に非日常なので、コミカルな描写は減りそう。
そしてついに出てくる主人公たちの本気。
ただ、その力を出すための苦痛がえぐいことこの上ない。どんな物理攻撃より酷いです。硝子といっしょにわたしも悔しくて泣きそうでした。
しかし敵が目の前にいるのが分かっているのに、この期に及んで後手後手の対応しかできず敢えて茨の道を進んでいるような主人公の采配。
話を盛り上げるため -
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身近な友人の身の上に起こった出来事に、心を揺さぶられ不安定な状態に陥るヒロイン。
「機械だから」とおのれの人間らしさを否定してきた彼女に、次第に感情が芽吹いていくが、それは同時に、機械としての完璧が失われていくということ。
今回のストーリーの核は舞鶴蜜。物理攻撃専門の虚軸の持ち主だけに、全体的に血なまぐさくて痛々しいのが難点……。
3,4巻は二冊で一つのエピソードという構成ですが、つまり蜜を語るために二冊分用意されているといっても過言ではないです。
おそらく、全一コンビ除いて主要人物の中で一番設定が作りこまれているのが蜜でしょう。記憶を改ざんしたり傷を治したりといった、応用の利く便 -
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舞鶴蜜の過去から始まる3巻からの続編。
歪んだ友情と姉妹関係。虚軸によって一変したそれらの関係は、ある意味で、歪みが正されたようで皮肉なこと。
物理的な暴力一辺倒の虚軸ゆえに、敵意でもってまっすぐ不器用に相手に挑んでいく蜜のスタンスは、かっこ悪くもとてもかっこいいと思います。(その性質がツンデレになって性格にあらわれているのが可愛いところ。)
ただ傷つけることしかできない力、誰かを救うためには使えない力だからこそ、彼女は大切な存在と距離を置くし、誰かを傷つけた過去はすべて背負う。
下手な小細工が利かないがために、一本筋の通ったスタンスを貫けるのだと思うと、戦力云々抜きにして彼女がシ -
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表紙の理緒と小町(猫)と携帯ストラップがひたすら可愛い。
レジミルで一番好きなのは理緒ですが、表紙の通り、理緒が頑張る回。
今回の話の核になる鴛野在亜という少女。
引っ込み思案でまとにコミュニケーションを取れず、太陽のように明るい親友に憧れながら、その陰のようにくっついていることしかできない。
そんな彼女の「変わりたい」願望を、ネチネチ系愉快犯もとい敵役がちょっかいかけて、キーワード「自殺」「流血」なえげつない「虚軸」にしてしまうわけですが、そんな彼女の性格、願望たる虚軸でさえ、他人事のように思えず、ちょっと羨ましいような苦々しいような気持ちで読んでいました。
えげつない手段を -
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藤原祐×椋本夏夜の新シリーズが始まったということで、ふと思い出して再読。
ネーミングセンスや筆致など、この方にしかない才能だと思います。
改めて読み返してみると、好きじゃない個所もけっこうあるのですが、初めて読んだときは大好きで大好きでどっぷり浸かってました。
主人公たちの命題は「日常を死守すること」。
物語はおもに、日常と非日常をいったりきたりしながら進行します。
非日常とは、実軸(ランナ)と呼ばれる現実世界から、「もしも」という願望によって枝分かれしたパラレル・ワールド(偽物の世界)、虚軸(キャスト)を身のうちに宿し、特殊能力を得たものたちの殺し合いです。
主人公や、主人公 -
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藤原祐っぽくなってきた巻でした。
キリエの戦闘シーンが圧巻。
理不尽だとか、残虐だとか、そんなのはどうでもいいんですよ。
命を軽んじること、命を弄ぶこととはこういうことだ。
というのが良く描かれていたと思います。
あと藤原作品では毎回最後にある、重要キャラの自害シーン。
今回は最終巻を前にして持ってきましたね。ラストでもあるかも知れないけど。
この部分はちょっと微妙だったかな……。前作『アカイロ/ロマンス』の棺奈の死に比べると、喪失感が足りない。多分、この人を味方として描いた1巻2巻で出番が少なかったのがいけないんでしょう。
とにかく最後は舞台を壊すのが藤原作品。
そのどこに希望を描く -
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あんな事があっても、日常はやってくるし、時間は過ぎて行く。
失踪と共に転校した者がいれば、確かに怪しいのですが
事実はそれ以上という状態。
また偉く可愛らしいというか、そっちがでましたか、な美少女が。
とはいえ、お気楽簡単ハーレム物語、というわけではないので
色々しっかり葛藤して叫んでやってくる事件(笑)
心情が分かりやすくて、単なる格好つけ、とは違ってよいです。
しかしチェーンソー。
それは充電しなくても…いいんですよね、と思ってしまったクライマックス。
ばらされたのは、果たして悪かったのか、何かあるのか…。
それよりも、最後。
一体どういう事ですか?!
てっきり…というか当然というか、 -
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瑩国公式第一王女マーガレットの婚約者である悳国王子ディードが、外交のため来訪することとなった。
悳国が製造した『グラフの数珠』とそれによって起きた事件の数々により、二国間は緊張状態にある。その関係改善を目論んでの来訪とはいえ、この機に乗じて何かを企てる輩が出てくることは必然だった。王子の暗殺計画すらもが囁かれる中、瑩国王家は『レキュリィの宴』に協力を仰いだ厳戒態勢で挑む。
フォグとアルトは、王子を歓迎するため開催される夜会の警護役として任命されることになったが……。
策謀と毒気が渦巻く都市【匍都】で繰り広げられる薄闇の幻想物語、第三幕!
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表紙、誰かと思いきやレキュリィさ -