川村元気のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ原作を、表紙の猫に惹かれて何年も前に読んでおり、今になっての映画化ということで、その波に乗って登場したのですよね、この作品は多分。
人に薦められなかったら原作の文庫本だと思ってスルーしていました。あ、キャベツ側からの話なのねって言われるまで表紙見ても気づきませんでした。
どなたかも書かれてましたが、私も当初キャベツの語り口調、悪魔の語り口調、馴染めなくて若干もやもやしました。
でも読み終わってみたら、何だろう。
何年も前に読んだ原作よりも「いい」と思ってしまいました。もちろん原作読んだ上でのキャベツ側からのストーリーということでいいと思えるのだと思うのですが、それでも単純に「こっちのストーリ -
ネタバレ 購入済み
面白かったです……が
非常に読みやすい文章でさくさく読めました。内容も充実しておりあっという間に読んでしまいました。
巻末の方では涙が溢れてきました。
が、ラスト、せめてお父さんの家の前まで行って、さあ扉を開けるぞ、というところで終わって欲しかったです(>_<)
久しぶりに面白い本に出会えました(^^)良著です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
「言葉で伝えること」の絶対性を疑う
優子とストラーダは、言葉をコミュニケーションの手段として取らないという言う点で共通している。ストラーダは馬で話すことができない、優子は自分を守るために言葉を紡がないという違いはあるといえるが。そんな2人を周りは利用しようとするように見える。双方の対比が印象的だ。ところで人間にとって言葉で伝えるということは当たり前のことで、それが良いことなのか悪いことなのか疑う余地はない。しかし、その言葉は本当を映しているのだろうか。綺麗な情景についてもそのとき湧き上がった感情についても、まさしくぴったりだ、この言葉に違いないという表現を見つけることはできない。ストラーダ -
Posted by ブクログ
ネタバレゲームから入った人の感想です(映画は未視聴)。
かの有名なP.T.を模したゲームですが、あのころは異変(間違い探し)に重点を置いたゲームはまだ無く、それが斬新で驚いたのを覚えています。ストーリーはないけれどシャイニングのパロで楽しませてくれ、ホラーだけど怖くない、そんな不思議なゲームです。
今回、映画(小説)になるということでストーリーが必要となり、いろんな要素が追加されたようです。
同じ場所をループするというのはリミナルスペースを想起させます。なかでもバックルームが有名ですね。日本にも「無限ループって怖くね?」というネスラがあるように、出口があるかも分からない場所を歩くのは不安や恐怖を煽り -
Posted by ブクログ
ネタバレループする地下通路というゲームの構造を、そのまま“人生の迷宮”として拡張した中編だった。小説版の最大の魅力は、映画と異なり〈迷う男〉〈少年〉〈歩く男〉の三つの一人称で語られる点だ。ゲームでは無機質だった存在に、罪悪感や後悔といった“人間の物語”が宿っていく。特に、歩く男が「かつて普通の父親だった」と明かされる章や、少年の抱える歪んだ愛情確認のエピソードは、異変が“個人の心の傷”から生まれていることを強く印象づける。主人公が津波の記憶と向き合い、8番出口へ進む決断をするまでの過程は、まさに「無関心を続けるか、勇気を出して現実へ戻るか」という二択そのもの。ゲームの枠を超え、メディアミックス全体のコ