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Posted by ブクログ
唐突なのだが僕はプロポーズという行為を行う勇気がなく大変待たせ、そして待ってくれたので結婚した身だ
お陰で周りの親より歳は上だし、家族にはいらないダメージを与えているのではと直接聞くことはないが(言わないだけなのかもしれんが)申し訳ないなと思って過ごしている
同棲歴だけはとても長く、よく子供ができた時の未来を話した。
もし娘だったらお父さんの服と一緒に洗濯しないでと言われたら自死するかもしれん。とよく2人で話した。実際に娘が生まれるのかも知れないとわかった時、松崎ナオの「川べりの家」が脳内に流れ続けるほど命という事象と、守らなくてはいけないものが誕生するということに興奮からの号泣という整理の出来ない顔面状態になった
本の感想でダラダラと前置きが長いが許して欲しい。
一般なニュースでも話題だがサラブレッドのジュウリョクピエロがオークスで勝ち初の女性G1ジョッキーが誕生した。ジョッキーカメラが公開された為、是非、是非一過性の出来事と捉えず見て欲しいのだが、彼女
「やっとジョッキーになれた」と言うのだ
ニュースでしか知らない方も多いだろうが、ジュウリョクピエロには今村騎手が騎乗しておりそもそもG1のレースにはそれまでの下位クラスを勝ち抜いてこないと出場すら出来ない舞台だ。そしてジュウリョクピエロ自体は7番人気などの中間人気な場面が多く、その中で下馬評崩しの大胆な勝ち方が今まであったのである。興奮する場面は今までもあったはずなのだ
落馬で骨折したこともあり、過酷な勝負の世界、力のある男性の方が有力とされる世界で日本で初めて勝った人の台詞だ。間違いなく心の奥底、偽りのない魂の発言だと思う
さて、僕は娘に
「お父さんの下着は別に洗濯して欲しいなあ」
とついに言われた。
僕はその台詞を聞いた瞬間、妻と目が合う。7年の同棲が走馬灯のように、閃光のように、暗闇のカーブから現れた車のライトのように、無意識に振り向いた瞬間頬に物をぶつけた時のように、集中して読書していて時計を見て「よ、夜中の3時?!」と思う時のように、サッカー観戦していて余所見の瞬間ドリブル突破でシュートが決まり大事なシーンをきちんと見ていなかった時のように、大きな用を足し一仕事終えた途端に紙がないと気づいた時のように
あれがスポーツ選手の言うゾーンってやつだろう
僕は目から思考より早く、そして速く、スッと水がこぼれた
妻は長年の僕の思いを知っている。僕の清流を確認するや否や大爆笑
娘に至っては「ふくはいいからね」と小学生なりの気遣いである
僕は着替え、家を出た
豊平川への石階段に腰を下ろし川を見つめた
家を出る前に妻の爆笑声「ほら謝りな」
娘の「変な意味ではない」(なんだそれ)が聞こえた気がするけれどどうでもいい
僕はいつまでも川を眺めているわけにもいかず、本屋へ行き売り切れの重力ピエロを確認し少しだけ驚きつつ嬉しくなり、馬へ想いを馳せようとこの本を買った。そのままネットカフェへ行き読んだ
人という対象を馬に変え、一目惚れしたサラブレッドに心酔しながら崩れ落ちていく人間の物語だった
尚 更 落 ち 込 ん だ
あまりに落ち込んで1週間で読んだのはこの本のみだ
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