一木けいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
元カレにまつわるショートストーリー✖️4作品。
青山美智子さん、町田その子さん、一木けいさん、山内マリコさんという贅沢な一冊。
どのストーリーも好きだけど、山内マリコさんの二つ年上…は着物の世界も知れて私の中では1番好きな作品かな。
新しいことに出会って、お客様のことや一緒に働く人の気持ちを考えるようになったからこそ元カレの気持ちを慮り、消化できた、昇華させられた過去。
前に進むためのプロセスをわかりやすく表現してくれている作品だと思った。
まぁこちとら、はるか昔の自分に重ねることすら困難でしたが…というより思い出せない。
本気で忘れている…元カレの名前…(悲しいかな歳月の流れ…)
ということで、無理に忘れようとしなくても時が解決してくれるよ!というのはあながち嘘じゃ無いということをお伝えしておきましょう。 -
Posted by ブクログ
読み終えてから少し経っており、うろ覚えと印象的だったことのみの記載となります。本作を手に取ったのは好きな作家さんが多かったことと、アンソロジーのタイトルが面白そうという理由からです。
本作を読み進めてみると、主題が元カレというだけあり、構成が少し似てしまう印象を受けました。というのも、元カレを描くには、元カレとの過去の出来事、それを語る現在の視点といった時間軸的な制約が多く短編として成立させるには物語構造が類似してしまうのかなと考察しました。
それもあり、本作の魅力としては、作家さんの豊かな表現力かなと思います。特に元カレとの関係性やエピソードを表す比喩は作家さんによって全然違う印象があったかなと感じました。個人的には一木さんの表現が好みだったかなと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最後の章の(これまでの家庭の不和を)「私がたち切る」が印象的。かなり独特な文体。
結局なんで桐原と別れた?
西国失踪少女 読者賞受賞作
母子家庭の中学生由井が、桐原という高身長男子と付き合い修学旅行で抜け出したりするが、今は別の旦那がいることが示唆される。
父は病んでアルコール依存になり貧乏。
ドライブスルーに行きたい
由井の友人ユカが、当時好きだった高井先輩が太って再会する話。由井が彼氏としたかったドライブスルーを高井として終わる。
潮時
由井の旦那が飛行機事故に遭いながら漁師の父に捨てられた過去を思い出す。由井に桐原を取られた加代子が旦那に不倫され、みてるテレビに旦那の父が映る。
穴底の部屋
高井と不倫している泉。鍋に汁を戻す旦那実家…
千波万波
由井の娘が不登校に。高校でいた福岡を旅行し同級生と再会。桐原の手紙が届いている。 -
Posted by ブクログ
感想を書くのがとても難しい一冊。
内容そのものもそうだけど、「誰の視点に立って語るのか」で、まるで印象が変わってしまう。
この物語には、いくつもの“愛の形”が描かれている。
恋人が3人いる伊麻。
その伊麻と娘の千夏、そして恋人たち(氷雨、到、亜夫)が、ひとつ屋根の下で暮らしている。
一方で千夏は、初めてできた彼氏からの束縛や性的な要求に苦しみながらも、誰にも打ち明けられない。
絹香は、夫の9年に及ぶ不倫を知りながら、自身もまた別の恋に落ちていく。
相手を束縛せずにいられない太呂。
妻を見下し、不倫を正当化する篠木。
誰を軸に感想を書いても、どこかブーメランみたいに自分へ返ってくる。
それが、この作品のしんどさでもあり、面白さでもあるのだと思う。
人は、自分に与えられた状況を正当化しながら生きている。
それを責めきれないのは、きっと誰だって、そうやって自分を守りながら生きているから。
年齢を重ねるほど、経験値が増えるほど、
「理解できない」が減って、
「まあ、そういうこともあるよね」が増えていく。
それが優しさになることもあれば、
諦めになることもある。
伊麻の生き方も、
絹香の選択も、
千夏の諦めも、
どこか少しずつ“身に覚え”があるのが苦しい。
面白いとか、面白くないとか、そんな単純な感想では片づけられない。
まるで、自分の過去を静かに引っ張り出されるような読書。
「ああ、いろいろあったなぁ」
そして、
「これからも、きっといろいろあるんだろうなぁ」
…そんな一冊。
とは言えね、壊れた感情は努力では戻らない。
今年の14冊目