一木けいのレビュー一覧
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元カレをテーマに4人の作家によるアンソロジー。
人気作家さんばかり、山内先生は初めましてですが、青山さんと一木さん目的でチョイスしました。
青山美智子『姉ちゃん』
今話題の俳優として注目の姉ちゃん。有名になると元カレも増えるらしい‥
短編だけど青山さんらしい、キャラの魅力や暖かみのある感情の交差、独語の余韻も良き。
一木けい『三月なんて前世』
小麦アレルギーの主人公と米粉パン職人として成功した元カレとの思い出とは‥
一木さんの言葉には艶が有りますよね。恋愛の始まりと終わり表現は秀逸。
町田そのこ『すべてはカーテンの中』
元カレとキッパリ別れられずに、ズルズルとセフレの関係に。偶然出会った同級生は過去に事件を起こしていて‥
町田さんらしく、クズ男の解像度が高くて、ぞわぞわする作品。終わりはそうくるかぁ‥
山内マリコ『二つ年上』
今まで元カレに流されて生きてきた主人公、別れを機に心機一転、着物ショップで働く‥
読後の余韻も素敵で好きな作者かも。もう少し読みたかった。
元カレがテーマと言う事で、結構ドロドロした物を想像していましたが、いい意味で裏切られました。
男は元カノの事を引きずる事が多いですが、女性って結構バッサリというか、前向きなイメージなのかな?というのが各物語を読んだ感想です。サクッと読めて、おすすめです。
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この世の片隅に潜む、切なく、歪な優しい愛や恋をかき集めたような短編集。
30歳になっても結婚を決めてくれない彼氏と一度自然消滅し、婚活アプリで出会った柊介に夢中になる綺梨。
しかし柊介には30歳年上の恋人がおり、柊介の中でその人以上の存在にはなれないことを悟る。柊介は、結婚後もその恋人に会い続けることを許してほしいと言うのだ。
その時はその変な結婚を受け入れることをできなかった主人公は、柊介と別れを告げ、元彼とよりを戻す。
そして、柊介と30歳年上の恋人のことをほろ苦く、懐かしく、切なく思い出し幸せを祈る。
懐かしさや嫉妬が混じる複雑な感情がうまく描かれていて、切なかった。
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一木けいさんの書く恋愛小説が好きです。
なんでこんなに、わかるわかる!
と共感できる表現ができるんだろうと、焦がれるような気持ちでページをめくりました。
恋をしてる時のじりじりと切ない気持ちや焦燥感
相手のさりげない行動で、その人の日常に入りこめたと思うときめく気持ち
私は、パーソナルスペース と 星
の話が好きかな。
一木けいさんの小説では、脇役も素敵なことが多くて。星 に出てくる、主人公の主婦が出会う女子高生にキュンとした。ギャン泣きする赤ちゃんに、ヒヤッとしたとき、一緒に電車に乗ってた女子高生が泣きやましてくれるの。そんな優しい世界に触れたいし、作っていきたいなぁと思いました。ちょっと作品の感想としては逸れちゃうかもしれないけど、何が人の心に触れるかは各人によると、読書の楽しみを改めて実感しました。
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椎名林檎さんの帯に惹かれて手に取りました。
『私が50分の円盤や90分の舞台で描きたかった全てが入っている。』
5つの短編集。最初は中学生の由井の恋愛から。各物語の主人公が変わりながらも、繋がりのある一つの物語となっています。
タイトル通り、どんな幸せな人生を歩んでいても、1ミリも後悔がない人なんていない。
どの話も切ないけれど、一気読みされられましたし、読後の余韻はとてもよかった。特に3つ目の潮時が1番刺さりました。
また、大きな後悔にぶつかっても、それだけが自分の全てではない事を感じられるような生き方をしたいと前向きな力を頂いた。
R-18文学ということで、そういう描写もあることや、物語の受け取り方も賛否がありそうなので、万人向けの作品ではないですが、個人的には再読必須の名作です。 -
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私は小さな嘘をつくのが得意な人間だと自負している。
生まれてこの方、異性関係に困ったことがない。
なんの自慢だ?と思うかもしれないが、
私は人の欲しい言葉を嗅ぎ取って吐ける人間だ。
それゆえ、異性が欲しがるような、それが私の感情と違っていていた小さな嘘だとしても言葉でも、平気で口にすることができた。
そうやって「いい女」を構築できる。
嘘は実に都合がいい。
上手くつけばつくほど、自分にとって都合がよくなるしそれがあたかも本当だった気さえする。
誰が傷ついたとしても、私の嘘は結果として本当になったのだと言えてしまうような。
そんなものが「嘘」だと思う。
本作「彼女たちが隠したかったこと」は、
英利子という女を軸に翻弄されていく周りの人間の物語だ。
英利子という女の根源や、行動の意味は全く理解できない。
そんなことをしようと思ったこともない。
ただ、嘘で人を操れることに長けていて、それが面白いと思っているだけの人間だ。
彼女に関わる人たちの行動は、決していいとは思えない。
確かに、ことの発端は英利子の小さな嘘だけど結果的に不倫をしたりというのは、本人たちの選択の結果でしかない。
騙されたと言っても、納得されない。
それこそが「都合のいい本当のような嘘」である。
オチが少しゆるっと終わったかなと思いつつも、
最後にあの2人が出てきて少しは救われたように思えた。
雑な嘘を暴かれて、確かに救われた2人だった。
今回の作品、私物語の内容というより、
物語の構成が素晴らしいと思う。
作中に出てくる
「事実をそのまま記すと辻褄が合わない。不可解で無秩序」というワード。
それこそがまさにこの作品の構成だ。
時系列はぐちゃぐちゃ。
知らない人が唐突に現れて、共通点は英利子だけ。
誰の回想が急に始まったのかと訳がわからなくなる瞬間がちょくちょくあったが、それこそが肝。
気づけば私も英利子の理解不能で不可解な嘘に巻き込まれていった。
作品構成ごと、読者を引き摺り込んでいく面白い作品だった。 -
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ネタバレ私がついた嘘・誰かに嘘をつかれた経験
それに対して腹立たしかったり
仕方の無い嘘だったなとか感情があったけれど
もしかしたら私は嘘をついたことも
誰かに嘘をつかれたことも、体験したことも
無いのかもしれないって錯覚する。
浩司さんの本心も彼女の本心も
私には上手く見抜けなかったし
彼ら自身もわかっていないのかもしれないし
深く追求することがとても怖い…!
自分が囚われて決めつけていた価値観を
別の視点からも教えてくれて
〜するべき!を少し変えてくれて嬉しかったな
私も、全く話の通じない人が身内にいて
それを文章でも 話が通じない人だ と
他者に理解してもらえてる(?)というか
人格が想像できるって凄いよね…
たのしかった!!付箋沢山貼った!(笑)
⟡.·*.··············································⟡.·*.
私がかけて欲しいのはそんな恐怖政治みたいな言葉じゃなかった。欲しいのは安心だった。
選んだのに消えてしまう選択肢について、この人に話して伝わるだろうか。消えるならはじめからなかったことと同じだ。少なくとも子どもにとっては。
天井を眺めながら、道具みたいだと思った。 -
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ネタバレ一木けいさんの小説が好きです。
重たいテーマが多いけど、身体の中を素手で探られているような辛さの中に、どうしようもなく震える感情が確かにあって、そこを希望にして主人公も、その周りの人物も成長している。
主人公の蓮が好きになった人。それはDVが原因で別れた姉の元旦那の弟だった。
テーマはDVと重い。姉の傷は読んでいて痛い。何なら蓮と彼の恋愛を執拗なまでに監視したりもする。あの人の弟だから同じではないかと。あの家族には関わってもらいたくないと……。でも、蓮にそれを分かれだなんて、少々厳しすぎるようにも見える。姉の辛さはもちろん分かるのだけど。
交換したハチマキが、どれだけ嬉しいか。胸が熱くなるか。断ち切るなんて辛い。
それでも蓮は、理解しようとする。
誰も幸せになれないから最終的には彼を遠ざけ、隠れて想う。
元旦那も苦しかったはずだと、幸せに向かって欲しいと願う主人公は本当に思いやりがある。
自分が生まれた曜日のカラーがラッキーカラーかぁ。素敵だな。
タイトルの意味も素敵です。
DVは、受けた本人にしか分からない痛みがあるだろう。
タイの描写は、やはりリアルで素晴らしい。
本場の空気を、物語からしっかり感じ取れました。
読むのは辛いかも知れない。でも、読書人生でかなりの上位に来る一冊でした。 -
Posted by ブクログ
バンコクのあの濃厚な風、匂い、鮮やかな色や神様と共に、、、みたいな特有の雰囲気を思い出して懐かしく思った。
タイに住んだことがある人なら、いろいろな場所や食事も出てくるし、懐かしく思い出すところがあるんじゃないかな?
内容的には海外赴任の夫に帯同する駐在妻が不自由な生活なく満たされてるかと思いきや、、、そうでもないんだよ。的な話で。
グイグイ引き込まれてあっという間に読み終えた。
なんせ妻は働くことができないのよね。海外なのに狭い日本人社会があって、周りを気にして生きなきゃならない。
時間が有り余る妻の生活をよくリサーチされていると思ったし、これから駐在妻される方、したことある方は特に面白く読めると思う。