一木けいのレビュー一覧

  • 9月9日9時9分

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    ネタバレ

    漣が好きになった人は、姉の別れた旦那の弟だった。
    彼と付き合うことは、自分の家族を不幸にすると悩む漣。
    漣の彼氏の朋温がいいやつで、私も好きになってしまいそうだった。
    登場人物の中で米陀さんがいいやつだと思った。米陀さんは、自分がたくさん傷ついてきたからこそ、他人を思いやれる人。漣は私も同じなのだが、幸せな家族があるからこそ、他人の痛みに気づくのが遅れてしまうタイプ。自分がどんな境遇であっても、周りの人のことを想い、幸せを願う気持ちは大事にしたいと思った。
    解説を高知東生が書いているが、これもなかなかよかった。おすすめの本

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    2024年01月28日
  • 全部ゆるせたらいいのに(新潮文庫)

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    重度のアルコール依存症の父親をもつ千映。
    そして夫にも酒への執着が見られる…

    他人から見て、千映が置かれてる状況を考えたら、ゆるすなんて不可能だと思う。だけどそこで「全部ゆるせたらいいのに」と思うのは家族だから、愛がある(あった)からであって…なんとももどかしくて、切ない気持ちになる小説だった。自分の努力でどうにもならないことと向き合うのは、難しいよなあ…。幼い頃、父からたしかに全力で愛されていたのに、本人はそれを覚えていないのも、悲しかったな。
    宇太郎と千映の物語だと思っていたら、千映と父親の壮絶な人生の物語だった。
    切なく重いけど、目が離せない展開に夢中になって読んだ。

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    2023年09月05日
  • 悪と無垢

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    流れるように心の中に入っていってぐちゃぐちゃにして出ていく
    どれも最後はバレていくんだけど、別に構わないというような爽やかさ
    結局英利子の目的はわからなかった
    悪と無垢ってそういうこと?
    目的がないから自覚なく人を傷つけられるってこと?
    だとしたらこれ以上の邪悪はないと思う
    スリルがあっておもしろかった

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    2023年08月27日
  • 悪と無垢

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    ネタバレ

    悪い女、それも飛び抜けて悪い女。他人を思うように操る能力が底抜けで、関わったら最後だというのが恐ろしいのだけれど、面白くて一気読み。
    最初は短編集なのかと思ったが、人々の繋がりが徐々に明らかにされていくのがたまらなかった。違和感は全部伏線だったのかと。時系列や人物などしっかり把握・理解して読んでいく必要がある本だった。
    恐ろしいエピソードは沢山ある。
    栄利子が偽の通訳をしていたのは怖かった。そして最初に不倫現場になったマンションが聖の部屋だったと分かった時、この家族は本当にやばいと思った……。
    知らない方が幸せ、なのかどうか、栄利子を見ていると不安にさせられる。こちらの常識と価値観が通じない相

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    2023年08月22日
  • 愛を知らない

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    ネタバレ

    初めて一木さんの作品を読みました。
    本屋さんで表紙に惹かれてなんとなく選んだけど、読む!って決めてよかった、素敵な作品でした。

    誰が愛を知らない話なんだろう、と読み始めて
    この子かな?と思ったところから
    後半で転調、世界がひっくり返った。

    でも、ひっくり返ってなかった。
    愛がほしい者同士だったんだなと最後まで読んで感じた。

    好きなセリフがたくさんあった。

    『別の引き出しにしまう』そうすることで、
    人をよく見過ぎたり、悪く思い込もうとしたりせずに、大事なままとっておけるなと教えてもらいました。

    感情表現が繊細で、わたしの好きなタイプの本でした!

    『優しい嘘って言葉、あたし大っ嫌い。そ

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    2023年08月15日
  • 全部ゆるせたらいいのに(新潮文庫)

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    余韻…真ん中ぐらいからぐわっとノンストップで読んだんだけど感情移入してしまって今もくるしい ネタバレしないようにするとなんも書けない

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    2023年08月09日
  • 愛を知らない

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    ネタバレ

    一度世界に入ったら読み終わるまで続けて読んでしまった。
    あの年齢のそれぞれの悩みがリアルに書いてあって
    思い出してしまった
    自分と生まれてくるかもしれない子供のことも考えさせられた。

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    2023年05月14日
  • 愛を知らない

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    感情を整理してタンスの引き出しに分けて入れるみたいなことを書いていて、私は出来てないなぁと思った。人って見方を変えたら違った人になるな。その人のことをもっと知りたいと思う心が強くなった。

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    2023年05月06日
  • 全部ゆるせたらいいのに(新潮文庫)

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    ネタバレ

    どうして主人公はこんなにも夫の飲酒へ過敏になっているのだろう?と匂わせながら次章では父親目線や自分の幼少期の目線で話が進んでいく。
    2人のボタンの掛け違い、或いは掛け違いに気付いていてもどうしようもないことへの切なさが読んでいて苦しかった。確かに、愛はあった。選択したことのひとつひとつ、気持ちの弱さや脆さが積み重なり心が壊れていく、家族が壊れていく。
    最後まで宇太郎目線で話が進むことはなかったから、主人公が一番大切な人を信じることに気付いたラスト、宇太郎が、今の家族が、どうなっていくかは千映のこれからの"ゆるす"形なのだと思う。
    ゆるすことは、酒を許すことではない。
    酒を許

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    2023年05月06日
  • 悪と無垢

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    嘘に騙され貶められる人達の悲喜こもごもで一気に読んだけど、帯に記されてる実娘のターンが短くてびっくりした。そこがメインじゃないの……?
    という物足りなさで☆-1

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    2023年04月29日
  • 悪と無垢

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    ネタバレ

    サイコパスな女性を中心に、運命を狂わされていく人たちがオムニバス形式でつづられていく。実際にいそうな気もして、怖さを感じた。

    0
    2023年04月28日
  • 全部ゆるせたらいいのに(新潮文庫)

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    愛ってなんなのか。
    家族ってなんなのか。
    他人から見たら異常なものでも、本人からすると普通なのか。
    見たいものを見たいようにしか見ていないからなのか。
    愛、家族にはどうして人をこんなに執着させるのだろう。

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    2023年04月20日
  • 愛を知らない

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    よくある青春もの、
    のようで違う、のがよい。
    合唱コンクールに向けて練習に励む学生たち。
    を描いただけの青春物語…ではなくて、
    痛みを伴う母娘の関係を軸にした話で、
    単純なハッピーエンドではない読後感もよかった。

    正しくあろうとすればするほど
    陥る闇もあるのか。
    そんなことを考えさせられた。

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    2025年12月06日
  • 全部ゆるせたらいいのに(新潮文庫)

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    アルコール中毒、のさまをまざまざと見せてもらい、自分もそうでないか、家族に迷惑かけてないか、不安にさせられた。襟を正していこう。

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    2023年04月19日
  • 悪と無垢

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    連作短編となっており、それぞれが最終的に繋がって真相が明らかになっていくのだが…。一体なぜその女は躊躇なく嘘をつくのだろう。不可解だし、それ以上に嫌悪感で一杯になるのに、続きが気になって一気に読んだ。

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    2023年03月31日
  • 愛を知らない

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    ネタバレ

    途中からなんとなく背景は推測できたけれど、明らかになったシーンにはぞわりと鳥肌がたった。1種のホラー。
    自分の記憶にある遠くは無いシーンが浮かんで、重い気持ちになった。

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    2023年03月04日
  • 愛を知らない

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    偶然に見つけた作家さんだったけれど、見かけると気にする様になってきた。

    タイトルが内容をまさに表していて、凄く良いなと思った。

    親の愛の形は様々で、親でない人からの愛もある。
    受けた愛と似た愛を人に与えるのだろうか。

    人を試す様な愛。それに胸を締め付けられる作品だった。

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    2023年02月16日
  • 愛を知らない

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    一木けいさん、初読み。

    『女による女のためのR-18文学賞』出身の作家さんで、このタイトル。

    勝手に大人の恋愛小説をイメージしていたが、心に闇を抱えた登場人物達が織りなす青春小説だった。

    主人公は高校2年生の橙子。
    クラスで浮いた存在だった橙子が合唱コンクールのソロパートを任される。

    橙子が発する言葉や奇妙な行動に首を傾げていると徐々に明らかになる真実と、その背景に胸が苦しくなる。

    そして橙子の母である芳子の裏の顔には人の心の奥底に潜む狂気を感じ背筋が凍る。

    愛に餓え、愛を求める人達の不器用さが、痛い程に胸に突き刺さる。

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    2023年02月14日
  • 愛を知らない

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    一木けいさんの作品を去年初めて読んで、文章がとても好きで3冊目。途中とても苦しい展開だった。なんとか救いが見えるラストではあった。こどものころって、高校生まではそうだと思うけど良くも悪くも学校や家しか場所がなくて逃げられない。そんな環境が恵まれていればいいものの、息苦しければその後の人生に影響を及ぼしてしまう多感な時期だ。そんな時期に良い仲間に出会えた橙子はよかったと思う。幸せになってほしい。しかしヤマオは素晴らしい人間だな。

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    2023年01月22日
  • 愛を知らない

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    ネタバレ

    追い詰める人は追い詰められてる
    恩にも時効がある

    がすごく響いた。
    憎みきれないけど自分の中で整理をつけて進んでいかないといけないんだなと....

    最後バタバタとまとめられた感じがして、冬香先生の過去と橙子のその後が気になった。
    この方の文章はとても読みやすいです。

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    2022年12月27日