【感想・ネタバレ】9月9日9時9分のレビュー

あらすじ

家族と愛をめぐる難題に挑む鮮烈な傑作長編!

タイ・バンコクからの帰国子女である高校1年生の漣は、通学中の痴漢や思いやりに欠ける日本の日常に馴染めず、心細さを感じていた。家に帰れば、理解あるやさしい両親と大好きな姉が漣を心配してくれている。だが、姉は離婚をしてから、人が変わってしまった。そんななか、高校の渡り廊下で出会った先輩に、漣の心は一瞬で囚われてしまう。やっと見つけた自分の居場所に、高まる気持ちを抑えることができない漣だったが、あるとき漣は、彼との恋が漣の家族を傷つけるものであることに気がついてしまう。大切な家族のために、別れるべきなのかもしれない。でも、自分の幸せを優先することは、そんなにいけないことなのだろうか。漣は家族と自分の幸せのため、新たな未来を探す覚悟を決める。初恋と青春を捧げ、漣が導き出した答えとは……。バンコクに住んでいた著者が描くタイの描写は圧巻! 気鋭の作家が、高校生のみずみずしい視点で家族と愛をめぐる難題に挑む傑作長編、待望の文庫化!

※この作品は単行本版『9月9日9時9分』として配信されていた作品の文庫本版です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

自身の誕生日なので読んでみた。
読み終わってから女性のためのR18文学賞受賞者と知り納得。この作品賞の作家さんはみんな面白い。
恋愛小説と思って読むと不完全燃焼かも。この作品はそこが主軸ではなかったみたい。
姉の身の上に起きたことはもちろん不幸だし、同情はするけれど、漣のスマホを解約しろとか監視するようなことをしていくら家族でも気持ち悪いなと思うし、自身の不幸を他人にまで負わせるのは間違っていると思う。
朋温とはまたいつか再会してもらいたいと切に願う。友人の印丸君がとてもいいキャラだった。

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2025年07月26日

Posted by ブクログ

恋愛要素は私の中ではあくまでもオマケ的な感じで
自分と他者との境界線や
自己認識を得る時に起こる痛みを丁寧に書いた本だと感じた。

救済を受け入れて、助けてもらうのも勇気がいる事だよな。
差し伸べてもらった手を握れるのは
本当に助けを求めてる自分を知ることから始まるんだと、しみじみ思う。

タイでの様子や現地の人たちの描写にとても愛があって、きっと作者はタイに特別な思いがあるんだろうなと想像した。

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2024年12月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルに因んで、9月9日に読みました。

ロミオとジュリエット現代版なような作品です。
互いに想い合いながらも、互いの背景が、家族がそれを許さない、でも好きな気持ちは抑えられない、そんな状況に感情移入してしまい、泣きました。

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2024年10月15日

Posted by ブクログ

一木けい(いちきけい)さんは初めて読みました。とても読みやすい文章ですぐに小説の中に入れた。

テーマはDVと重く、心に響く言葉がところどころにあった。『生きているではなく、ただ死んでいないという暮し』『この人は自分にとって唯一無二って相手に出会ってしまうのって幸せなことじゃないのかも』人生は楽しいことと辛いことを比率で言うと1:9なのかも知れない。思い通りに行かないことしかない。

その中で家族がDVされたら、家族にDVされたら、私だったら。。。主人公のようには思えないし出来ない。主人公はDVした人が変われるかもしれないと信じている。私は絶対変わってほしくないと思う。でないとDVを受けた人は何だったのか?殴られ損?こいつが変わるために殴られたの?結局こいつのために生まれてきた?なんて考えてしまう。

主人公には感情移入出来なかったけど、お姉さんの気持ちは痛いほど分かった。味方になってほしい家族にあんなこと言われたら、私だったら耐えられない。結局DVを受けた人じゃないとその気持ちは分からないのかもしれないね。

タイ在住の著者はさすがで現地の様子が素晴らしく描写されてて、行ってみたくなってしまった。国王が亡くなって国民が悲しみにくれる姿や、渡れない道路、聞いたことのないフルーツなど、住まないとこんな風には書けないだろうなぁなんて思いました。

読むのは辛い人もいるかも知れないけど、素敵な小説でした。

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

漣が好きになった人は、姉の別れた旦那の弟だった。
彼と付き合うことは、自分の家族を不幸にすると悩む漣。
漣の彼氏の朋温がいいやつで、私も好きになってしまいそうだった。
登場人物の中で米陀さんがいいやつだと思った。米陀さんは、自分がたくさん傷ついてきたからこそ、他人を思いやれる人。漣は私も同じなのだが、幸せな家族があるからこそ、他人の痛みに気づくのが遅れてしまうタイプ。自分がどんな境遇であっても、周りの人のことを想い、幸せを願う気持ちは大事にしたいと思った。
解説を高知東生が書いているが、これもなかなかよかった。おすすめの本

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2024年01月28日

Posted by ブクログ

序盤はバレてはいけない主人公の恋愛を見ているのが面白かった。一目惚れをしたことがある人は特に共感できると思う。後半は正義を振り翳す主人公に共感できない部分も多くあって少し残念だった。

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2025年04月20日

Posted by ブクログ

タイからの帰国子女の主人公の初恋のお相手がDVを理由に姉と離婚した男の弟だったというお話でここだけ書くと許されない恋系の青春恋愛小説みたいな感じ(実際そうなのだけど)ですが、DVのところを割と掘り下げて描いていて、そこにタイの文化的なサイドストーリーが絡むというちょっと不思議な小説でした。

主人公の言動に冷や冷やする場面が多くて結構体力を奪われる作品だったな。

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2024年12月19日

Posted by ブクログ

主人公の少女は、父親の転勤に伴いバンコクで中学まで生活して帰国。忙しない日本になかなか馴染めない。
バンコクでの観光でない生活感がうまいなと思っていましたら一木さんバンコクにお住まいとか。

少女の姉が元夫のDV(精神的肉体的経済的!)で精神的に追い詰められて離婚。
それを知らなかった少女は元夫の弟に恋してしまう。DVについて知った後でも なかなか彼のことを諦めきれない。少女の家族は当然大反対。
DVに堕ちていく状況、共依存となっていく恐怖、別れるための裁判と その後の精神的打撃を濃厚に読める。
そして、他のDV系の小説と違うところは DVを病気として認識して 更生プログラムや施設の存在に言及して 加害者の将来にも意識しているところ。
少女は 自分の恋の為でなく 姉の幸せ 元夫の未来までより良い方向へと動き出す。

一木さんは、初版印税を更生施設に寄付するとしている。それは、一木さん自身も厚生の必要性 加害者である人達への救済も考えているということなのかな
果たして 被害を受けた人と家族はどこまで受け入れるか。病気と性格の区別はあるのか。
難解な問題提示です。


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2024年04月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

禁じられた恋みたいなシリアスリアルな感じだと思ってたら、わりとメンタル面の話が多くてしんどかった。
、キツイもんはきつい。1度壊れた心は治らない。、でも生きていくしかない。
人生って大変だよね。、ほんとに。
読んでて重たくなった。でも最後は少し救われたのかな。
何もかも捨てて愛に生きるなんて出来ない

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2024年02月07日

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