一木けいのレビュー一覧

  • 悪と無垢

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    ネタバレ

    短編と見せかけつつ、最終的に、全ての話に登場する1人の嘘つきに繋がっており、その嘘つきの異常性について娘が言及する。
    序盤は毒親から逃げる目的で急いで結婚し、その夫も亭主関白が強く、「稼いでくる旦那様の性的奉仕もできないなんて妻失格だぞ」と言っちゃう人だった。帝王切開で出産すると、母からも姑からも、「自然分娩ではない?痛みがなんだって?あんた異常。」とやっと産んだのに罵られ、現実で有り得る光景であり、絶望的で頭が痛くなった。

    最後の話で、各話の登場人物が出てきたりするのだが、誰が誰だったか、名前の記憶が曖昧だったのでよく分からなくなった。
    誰かの考察を読みたい。

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    2023年03月04日
  • 悪と無垢

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    「奈落の踊り場」「馬鹿馬鹿しい安寧」「戯れ」「カゲトモ」「きみに親はいない」
    5話収録の連作短編集。

    それぞれ独立した物語だと思い読み進めていくと、一つのアイテムに既視感を覚え、ある人物の姿が浮き彫りになっていく。

    途轍もなく嫌な予感は徐々に確信に変わり、この人物から目が離せない。

    美しさと賢さを兼ね備え、息をするように嘘を吐く。
    彼女に縋り頼って来る者達に見返りも求めず、純真無垢な言動で接しながら、そっとほくそ笑む姿はまるでサイコパス。

    彼女の目的を探ろうとしても一向に真実は見えて来ない。

    人間の不可解さに唸る読後。

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    2023年02月18日
  • 悪と無垢

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    初読みの作家。
    一気に読んでしまいたい魅力がありつつ、終始胸糞悪さが拭えない小説。
    湯水のように嘘が出てくる人…出会いたくない。

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    2023年02月14日
  • 悪と無垢

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    これまでの一木さんの作風とは一線を画す不穏な内容だった。
    プロローグを除き5篇からなる連作で、最初の2篇はどちらも同じような“不倫もの”でげんなりした。が、3作目から様子が変わり、遠回しに書かれているものの正体に気付く。5作目まで読み終え、改めてプロローグを読む。大きく息を吐いたが、結局のところ理解したとは言い難い。
    病的な人なのか、モダンホラーに出てくるような超自然な存在なのか。どちらとも取れるが、おそらく前者だろう。人の行いは、時としてホラーより恐ろしい。

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    2023年01月08日
  • 悪と無垢

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    息を吐くように嘘をつく母。どれだけ彼女に振り回される続けてきたか。関わるすべての人を不幸にしていく母。いつになっても母は母なのだ。

    最終編にすべて集約されるが、そこまでの話が入り組みすぎて…私には難しすぎました。最近こういうのが多いなぁ、私の脳が劣化したんだろう、歳だな。

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    2022年12月31日
  • 愛を知らない

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    ネタバレ

    読みやすいし、青木さんやヤマオなど、キャラが立っていて好感も持ちやすく面白かった。

    ただ、芳子の橙子との向き合い方は残念すぎるし、最後も、「今さら後悔しても…」感が尽きない。

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    2022年11月21日
  • 愛を知らない

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    「誰かを追い詰めるのは余裕がない人」だったなんてわかったつもりで、本当は気づきもしなかったな。
    だから、追い詰めてる人を責めることはしたくない。

    今はまだ、どう手を差し伸べたらいいのか、それとも、差し伸べない方がいいのか、わからないけど少しずつ自分の中で答えを見つけていきたい。

    この先、橙子のように興味のない人の声なんて気にせず、嘘で固めず、自分に芯のある強い人になれずとも、近づけたらいいな。

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    2022年05月26日
  • 愛を知らない

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    言葉って、口にした瞬間思っていたことと微妙にずれちゃってるの。
    ああこんなこと言いたかったんじゃないのにって、天を仰ぎたくなる。
    特にすっごく疲れてるとき。
    なんでわたしだけがこんな目にって思っちゃうようなときはほんと、ダメ。
    そういうときって、ろくなこと放出しない。
    自分がつらいときこそ、他人の苦しみに鈍感にならないで、手を差し伸べられるような人間になれたらなあっていつも思うわ。
    そこまで到達できなくても、せめて自分を保てたらいいのに。

    救うっていうのは、救われたい人がいてはじめて成立する行為じゃないの?

    誰かを傷つけないために言わないことで、別の誰かが傷ついたら?
    ただ黙っとくのがほん

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    2022年05月22日
  • 愛を知らない

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    「1ミリの後悔もない、はずがない」が好きだったので、手に取りました。

    愛してはいるはずなのに、うまくいかなくて、傷つけ合う。器用に愛しあえず間違えて間違えて、悲しかった。

    でも誰かに気づいてもらえた彼女は幸せだ。

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    2022年03月17日
  • 愛を知らない

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    恩には時効がある 縁には期限がある

    この本から、得た言葉。

    その人を好きな気持ちと、嫌いな気持ちは、違う引き出しにいれておかないといけない。
    そうでないと、ただしいことが、わからなくなる。

    愛を知らない?
    きっとみんな知っているのかも
    愛は自分の中にある。


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    2021年12月17日
  • 愛を知らない

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    母親の顔、その下の本当の顔を見てしまった
    子供は自分を守る為に、どうするか?
    息を殺して、自立出来るまで潜伏するか?
    レジスタントのように少しずつでも抵抗するか?
    そんな状態のクラスメートがいたら、どうするか?見て見ぬふりをするか?
    クラスの合唱から始まった話しです。



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    2021年10月10日
  • 愛を知らない

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    ネタバレ

    心を掴んで離さない鋭い衝撃のタイトル。愛を知らないのは橙子のことかと思って読んでいたけれど、読み終えた今は子どもから向けられる愛に気づくことができなかった親を指しているような気がしてならない。
    言葉の暴力の場面は自分が言われているかのように胸が抉られる。
    自分だったら、スーパー出禁になるほどの育てにくい子どもに一定した心穏やかな愛情を常に注げるだろうか。橙子の母も、涼やヤマオのような人間とその苦悩が分かち合えていたらもっと早く光にたどり着いたのかもしれない。
    様々な過去を抱えながら生きる登場人物が魅力だった。

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    2021年10月10日
  • 愛を知らない

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    間違ってる。
    だから悪い。
    だけじゃなくて、人は悪い所もあれば良い所もある。ぜーーーーんぶひっくるめて抱きしめてあげたい!
    って感じです。

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    2021年09月28日
  • 愛を知らない

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    こう来るだろうと言う予測はしていたけど、予想外のカミングアウトと予想以上の緊迫感を味わえた後半は一気読み。
    少し物足りないないのは、ヤマオ、パーフェクト過ぎなのと、主人公母の物分かりの良さの漠然とした感じ。前作よりもどこかで読んだ感

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    2020年10月20日
  • 愛を知らない

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    ネタバレ

    初投稿。アウトプットする意識で本を読むと、内容の背景とかが自分なりに深読みできてよかった。テーマは無条件の愛。しかも血縁関係がないとなるとどこまで相手のことを愛で包み込めるのか?そんな問いかけを感じた。そう思うと夫婦って血は繋がってないんだよな〜とか色々思った。
    失って分かる存在ってよく言葉にされるけど、最後はまさにそれ。後悔しないように生きないとね。
    それにしても冬香先生の人生の達観具合が半端ない!「追いつめてくる人は、恐怖の中で生きている」「すでにその人は恐怖のどん底にいる。だから妄想に支配されて苦しんでいる」…思い当たるフシがあります。

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    2020年06月14日