一木けいのレビュー一覧

  • 全部ゆるせたらいいのに(新潮文庫)

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    親子とアルコール依存症の話だった。タイトルが身に染みる内容。
    父のことがあってもなくてもあの旦那の調子だと辟易するのも分かるけど過去はずっと着いて回るなと思う。

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    2024年04月17日
  • 1ミリの後悔もない、はずがない(新潮文庫)

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    家庭環境が良くないけど強い由衣が好き。西国疾走少女が一番好きかな。そこまで悲しいことも起こらないし。どの話も悲しみや後悔を抱えている。人のタフさを感じられて良かった。

    著者の隠喩が好き。そこまで物語がタイプでなくても苦痛に感じない

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    2024年04月14日
  • 愛を知らない

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    ネタバレ

    普段はあまり買わないような本。
    流行りの本かな〜?と思いつつ購入。
    読んでみるとスイスイ入ってくる、吸い込まれる。
    どうなる?どうなる?!と久々に一気読みした。

    重い重い!!ちょっとずつ重くなってくる!!
    うわぁ〜〜〜。となりながらも読み進めた。
    が、最後が少し薄かった。
    最後を良い意味の激重にして欲しかった感。
    ハッピーエンドなのは嬉しいけど
    終盤まで引き込まれていただけに
    拍子抜けしてしまった。

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    2024年04月05日
  • 悪と無垢

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    一番好きなのは奈落の踊り場。読みやすい文章で物語に入り込めて時間があっという間に感じた。

    読むだけで浮かび上がる情景と足りない空白を埋めようと想像させるそのバランスが私の好みだった。


    「愛想笑いに疲弊する頬は、真崎の部屋にいたときとは筋肉の使い方が違った」

    表現の仕方や一つのアクションに対して自然なアプローチで情報を説明するのがスマートに感じる。

    次に好きなのは馬鹿馬鹿しい安寧
    最初の主人公より愚かさを感じるのに何故かイライラせず読める。

    この二つの作品は不倫特有のヒリヒリ感とハラハラ感、理性的に考えて決断すればリスクを冒さなくて済むのにそうしない人間の非合理的なところが垣間見れて

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    2024年04月04日
  • 9月9日9時9分

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    ネタバレ

    禁じられた恋みたいなシリアスリアルな感じだと思ってたら、わりとメンタル面の話が多くてしんどかった。
    、キツイもんはきつい。1度壊れた心は治らない。、でも生きていくしかない。
    人生って大変だよね。、ほんとに。
    読んでて重たくなった。でも最後は少し救われたのかな。
    何もかも捨てて愛に生きるなんて出来ない。

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    2024年02月07日
  • 愛を知らない

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     初めて読む作家さん。文章が、素人の域を出ていなくて、少しびっくりし、戸惑いながら読んだ。でも、確かに、心を動かされるものがあった。話題になったのも頷けた。力がある1冊だった。

     幼い頃から親に虐待を受け、愛着障害を持つ女の子の物語。合唱コンクールの練習に励む高校生四人が主な登場人物。

     愛着障害を持つ女の子は、幼い頃、自分を施設から引き取ってくれた育ての親に、試し行動を繰り返し困らせた。高校生になって、随分と落ち着いたとはいえ、クラスメイトへの態度もぶっきらぼうだ。人からよく思われようなんていう気持ちは皆無と思える行動をとる。

     この物語を読んで1つ強く思ったことがある。私も、この女の

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    2024年02月07日
  • 1ミリの後悔もない、はずがない(新潮文庫)

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    表現力が秀逸。若かった頃のカサカサした気持ち、ざわざわした気持ち、なげやりな気持ちなど、生々しく共感できる。それぞれの短編が緩く繋がっているけれど、主人公が目まぐるしく変わるのが自分としては落ち着かなかった。

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    2024年02月06日
  • 悪と無垢

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    グロテスクだったね〜。終始、陰湿な雰囲気が続く。
    わたしの理解が足りていないのは大いにあると思うが、最後までわからないことが多い。あらすじに「果たして彼女の目的は、」と書かれているが、最後まで読んでも英利子の目的はわからなかった。
    というか、別に目的なんかないんじゃないのとも思った。世の中には娯楽として嘘をついたり、人を蔑める人もいる。狂人ではなく正気の狂人。あとお父さん。
    最後に出てくる切子の「やらないで後悔よりやって後悔って言うけど、迷ったらやらない」の言葉は凄く好き。

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    2024年01月20日
  • 全部ゆるせたらいいのに(新潮文庫)

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    アルコール依存症の父のもと育った千映。
    自分の夫もまた、アルコールに溺れようとしている。
    夫に父の姿が重なり、『ああなっては欲しくない、娘の恵に自分と同じ道は歩ませたくない』と神経をすり減らす日々を過ごしている。

    『全部ゆるせたらいいのに』とは、つまり、ゆるすことができない部分があるということだ。
    全部ゆるすことができたら楽になることは理解しているけれど、ゆるすことができない。
    許すは、何かを行うことを認めること。
    赦すは、既に行った罪や過ちを責めないこと。
    平仮名で表すことでそのどちらの意味も含有しているのだとすると、過去も未来もひっくるめてあなたの行為をゆるしたい、ということなのかな?

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    2023年12月07日
  • 愛を知らない

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    「誰も彼も、見たいものだけ見て、信じたいものだけ信じるよね。この世界にあるのは、そんなきれいなものばっかりじゃないのに。ー」(P.154)
    「誰かを傷つけないために言わないことで、別の誰かが傷ついたら?ただ黙っとくのがほんとうに、いいことだと涼ちゃんは思うの?ー」(P.155)
    「それで、その人のすべてを、わたしの中の引き出しに分けることにしたの。たしかに大事にしてもらった。愛をもらった。守ってもらった。つらいときに優しくしてくれた。情に厚くて、セクシーで、すごく魅力的な人。だけど、そのよい方ばかりに目を向けると、つらくなっちゃうのよ。そんな人に対してこんなことを思う自分がろくでなしに思えて。

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    2023年11月15日
  • 悪と無垢

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    キャラクター小説には成り切れていない。実際にいる表と裏がある人を煮詰めたような悪女だが全くチャーミングではなく、単に不快。人間関係が強引なところも散見されたのが残念。設定は面白いと思うのだが。

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    2023年11月12日
  • 悪と無垢

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    こわい。現実でも周りのあの人ももしかしたらってなりそうだけど、それ思いだしたら気が狂いそう。だから大丈夫。現実にはいません。

    一気に読めるしどうなるのか気になる展開ではあったけど、最後のつながりはちょっとわかりづらいのと、えりこがどうしてこんなになってしまったのか、どうして娘をいじめるのかがよくわからない。

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    2023年08月28日
  • 悪と無垢

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    ずっと不穏。終始べたつくように纏わり付く不快感。読みながら思い出す過去に出会い引っ掻き回したあの女。
    私は何のためにこれを読んでいるのか、何?何かの苦行??でも、何故か頁を捲ってしまう。
    読み終わって残ったのは、よりいっそうの嫌悪感。
    怖い。怖い。

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    2023年08月18日
  • 愛を知らない

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    愛とは。母親側からと子供側からの視点で描かれているけど、どちらの立場からしても辛い。血の繋がらない子供を育てるって軽くできることじゃないし相当な覚悟と精神力も必要で大変だろうと思う。それを思うと日記からもわかるように芳子の気持ちも痛いほどわかる。今同じように手がかかる子供がいる私自身の言葉を代弁しているような。そして橙子の愛を知りたいが為の言動や態度が子供ながらにしての必死のSOSだということもすごく伝わってきた。どっちも愛されたいだけなんだよな〜って読んでればわかるのに、現実はうまくいかなかったり言葉では言えないってあるよな〜

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    2023年06月19日
  • 愛を知らない

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    ネタバレ

    高校の合唱コンクールが舞台。
    爽やかな青春小説で、ちょっと変わった女の子だと思っていたら、後半ガラッと印象が変わります。
    不可解な行動をする橙子に隠された秘密。
    読んでいて苦しくなる展開でした。
    虐待と一言で済ませるのとも違う親子の歪んだ愛。
    橙子の育った環境も辛く、母の芳子の過去も苦しく、お互いが愛して欲しいと叫んでいるのに上手くいかない。
    「追いつめる人は追い詰められている人だと思うの」
    「恩にも時効があっていい」
    離れることで上手くいけばいいなと思う。

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    2023年05月04日
  • 全部ゆるせたらいいのに(新潮文庫)

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    アルコール依存症の父親。
    娘の千映。
    それから千映の夫と娘。
    家族の葛藤の物語でした。

    アルコール依存症の父親
    仕事の付合いやストレスで飲酒が増える夫。
    そんな彼らを
    許す? 諦める? 認める? 理解る?
    どれも簡単には出来ないのではないだろうか。
    アルコールでの家庭の崩壊、夫婦間の危機
    読んでいて、どちらも恐ろしく気持ちが沈んだ。

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    2023年04月29日
  • 全部ゆるせたらいいのに(新潮文庫)

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    なにより、アルコール依存というのが
    いかに恐ろしいものかが思い知った。
    その人の人生、周りの人も含め
    狂わされてしまう。完治できた人間はいるのか
    と思うほど、悪循環で呪いのような病気

    主人公の背負ってきた苦労、
    幼少期から父にされてきた事を考えると

    泥酔し家庭に影響するほどの
    目の前の旦那に対し
    信じる、ことが当たり前のように
    できないのは、仕方ないよな
    難しいよな、と思う

    そんな彼女から
    許す、諦めることが
    いかに難しいかを教えてもらった

    お酒で狂うまでの
    千映と旦那と子供の生活

    千映が幼少期の頃の父と母の生活
    お話がそれぞれあって

    どちらも心がポカポカするほど、暖かく幸せな

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    2023年04月25日
  • 悪と無垢

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    英利子がとにかく怖すぎる。
    完全に狂ってるとしか言い様がないのだけど、体裁を整えるのがうまいから、彼女の嘘を見抜ける人がいない。
    こんな人に会ったこともないし、この先も会いたくない…。
    ずっと不穏で嫌な気分のままだったけど、短編がどんどん繋がっていくのに引っ張られて、一気読みしてしまった。

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    2023年04月09日
  • 全部ゆるせたらいいのに(新潮文庫)

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    「許す」ことができれば、
    と思うことは、日常的によくある。

    でもなかなか譲れず、
    相手を非難してしまうことが多い。

    しかもそれを受け入れてもらえなかったら、
    もっと「許せない」気持ちになる。

    全部許せたら、どんなことになるのか、
    考えながら読み進めました。

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    2023年04月09日
  • 悪と無垢

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    初めて一木さんを読んだ時の衝撃が忘れられない。当時から背後には暗い冷たいものはあったんだろうけれど、あの、ページを読み進めたい!と思わせる躍動感というか胸をえぐられる感じが…やっぱり乏しい。小説家としては、上手くなっているのかもしれないけれど。個人的にはすごく、寂しい気持ちになる。
    特に今回は、最初2つを読んで、不倫の話か、もうやめよ…となり、ただレビューを見たら最後には繋がるというので期待を持ち直して最後まで読んだ。最後まで読むと、えぐみとか、薄ら寒さ、心地悪さをちょっとした言動も含め巧く描いているのだけれど…
    あの、次のページを読みたい!!ってなる感じが最初の本からどんどん減っていってしま

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    2023年03月08日