一木けいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かつて
「うしなった人間に対して1ミリの後悔もないということがありうるだろうか」という雑談をした最愛の人と、後悔しかない別れ方を強いられた由井。
大人の事情に振り回されて、叶わなかったあの頃の思い
過去と今
あの頃の同級生たち
オムニバスで綴られるストーリー
私が今、人生で1番後悔してる事ってなんだろうな
もしもあの時、一瞬早く(遅く?)アレをしてたら運命は変わっただろう…って転機、実はみんなたくさん持ってるはず
そういうのを知っちゃったら、後悔することめちゃくちゃたくさんありそう~
ラストはてっきり彼の視点の章で締めくくられると思ってたのに…
でもそれがなかった構成が、より余韻を楽しま -
Posted by ブクログ
主人公の少女は、父親の転勤に伴いバンコクで中学まで生活して帰国。忙しない日本になかなか馴染めない。
バンコクでの観光でない生活感がうまいなと思っていましたら一木さんバンコクにお住まいとか。
少女の姉が元夫のDV(精神的肉体的経済的!)で精神的に追い詰められて離婚。
それを知らなかった少女は元夫の弟に恋してしまう。DVについて知った後でも なかなか彼のことを諦めきれない。少女の家族は当然大反対。
DVに堕ちていく状況、共依存となっていく恐怖、別れるための裁判と その後の精神的打撃を濃厚に読める。
そして、他のDV系の小説と違うところは DVを病気として認識して 更生プログラムや施設の存在に言及 -
Posted by ブクログ
愛を知らない高二の少女
高校の合唱コンクールを通して 信じられる友人を得る
一木さんは、信じている者に裏切られる時の状況を 息を飲ませて読ませてくるんだなと思う
施設から引き取られ養女となった少女の不適合性を思わせておいてからの 反転
ここが 良いです
重松サンらのぐっと我慢して正論で生きる学校物も良いけど 脆弱な家庭の子供達が 何かしらに生きる糧を見つけて 正面から生きようとしていく感じが魅力的
愛される事ができなかった少女と
愛する事ができない、あるいは愛し方がわからなかった養母
「恩に時効があっていい」これは、実の親子であっても有効なのではと思う深い意味合いがある
いろんな家庭