一木けいのレビュー一覧

  • 愛を知らない

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    高校で同じクラスになった親戚の橙子は、まわりから浮いている存在だ。クラスでも一目置かれるヤマオの推薦で橙子は合唱祭のアルトソロになる。ピアノ伴奏する涼と指揮者の青木さんの四人で練習をはじめるが...。
    「愛着障害」この言葉を最近になって目にすることが多くなってきた。
    橙子は、ネグレクトされて保護されて芳子の家に里子として引き取られた。里子にだされた子供は、度が過ぎる程のイタズラや、悪さを繰り返し、里親の反応を試しくるのだそう。
    クラスに馴染めない橙子も、そんな可哀想な子供だから、わかって欲しいと芳子は言った。
    しかし、芳子の本当の姿を涼とヤマオは知ってしまう。
    「恩にも時効はあっていいと思うのよ」涼のピアノの先生が言った言葉が印象に残った。
    芳子の日記を読むと、育てにくさを感じながらも懸命に子育てしていたのが伝わる。
    あの子を遠くからそっと守るように大切にする。そんな愛し方もあると最後に気付いてくれて良かった。
    「誰かに大切にされた経験は、どんなつらいことでも生き抜く力になる」に胸が詰まる気持ちになった。
    「愛を知らない」はやっぱり「愛されたい」の裏返し。
    橙子はきっと強く生きていけると思う。


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    2021年06月23日
  • 愛を知らない

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    母と橙子、それぞれの「愛してほしい」が切ない程伝わってくる小説。これをクラスメイトで親戚の涼の視点から書いているのが凄いと思った。青木さんとヤマオのキャラクターも魅力的。
    母娘の関係という地球上最も近い存在の愛の形を描いてると思う。恋愛の男女の関係とは別の視点で、人間として1番関係性が密接で深いのは母娘だと思っていて、それをここまで描ききっていることに感動した。

    男の人は、あまり読んでも分からないかもしれない。

    母として、娘として、女として、愛されたいと望む人間性を切なく描いている。

    そんなに長くないのでスッキリすぐ読める。
    197ページあたりは、スピードアップして、私はゾッとした。

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    2020年05月17日
  • 元カレの名前なんて忘れた

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    女性の恋愛は、上書き保存。男性な恋愛は、名前を付けて保存。
    という言葉を昔よく聞いてたけど、この本を読んでいると、女性も名前を付けて保存はすると思えてくる。
    その元カレ自身と戻りたいとは思わなくても、その時の感情であったり、思い出は残っているものなんだろう。

    引きずるのではなくて、思い出としてしまっておく感覚。
    4つの物語は中身が全く違うけど、人生を濃くするなら失恋も必要なひとつの栄養なのだろう。

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    2026年10月23日
  • あなただけに許す距離

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    ネタバレ

    4.0
    恋愛短編集
    1個目のお話が好きだった、律やさしい
    そのあとのひなちゃんの依存する話も印象的やった、最後にひなちゃんがまたエッセイ書いてて前に進んでてよかった

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    2026年10月23日
  • 元カレの名前なんて忘れた

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    面白かった!
    すごく読みやすいし、女性は高確率で共感できそう。
    4人の作家さん、どのお話もリアルで、歪で、だけど愛しかった。

    主人公たちが自分の過去を見つめながら、決意して次に進む、
    前向きなお話で読後も爽やか。

    感情描写も丁寧で、丁寧すぎるくらいでフワフワと読めた。

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    2026年10月21日
  • 元カレの名前なんて忘れた

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    4人の作家による4つの終わった恋とその後の物語。元カレの名前は誰も忘れていない。忘れてはいないけれど、忘れた。もういらないという訣別の宣言だから。

    ▷以下一部内容に触れます

    姉ちゃん
    テレビドラマに出て有名になった姉ちゃんの周囲に元カレが増えた。なのに姉ちゃんが会いたい元カレは連絡もしてこない。でも僕はその元カレの今を知っている。姉ちゃんはその元カレに思いを残しているわけではなく、かつての同志として会いたいと思っているということも。僕と姉ちゃんのちょっとイレギュラーな関係。でも僕は。
    青山美智子さんらしい明るい展開が心地良い。

    三月なんて前世
    物語は琴をずっとフォローしてきた気の合ういとこ(のようなものの)瑞月が買ってきた米粉パンを食べるところから始まる。恋の始まりから終わりまで、そしてその後まで丹念に描かれる。
    元カレは二股男で、琴のためだったはずの米粉パンを利用され、おまけになんだかキレイなストーリーを勝手に作って自己陶酔しつつPR。
    そんな元カレをすっぱり断ち切って前世にしてしまうまで。元カレの米粉パンをまた買って、バリバリもりもり食べて、新しい現世を生きることができるといいなと思う。
    瑞月が最高の親友、だ。

    すべてはカーテンの中
    別れを告げてきた彼が無傷で去ることが許せず、セフレとしてとどまることを選択してしまった美加。その選択もどうかと思うが、別れた後まで最低なクソ特盛男。高校の同級生サチと出会い、彼女の壮絶な過去を知った美加が手にしたもの。美加の出す答えは?何か一撃を加えて欲しいと思ってしまう。犯罪でなくていいから一生忘れられないようなことが起きないかな(←犯罪者の思考かもしれない)
    短編だが町田そのこさんパワー全開。サチに会えて良かったね。

    二つ歳上
    大学生の19歳から27歳まで過ごした彼と別れて着物屋で働き始めた沙良。着物との出会い、そしてひかりさんを初めとする同僚たちとの関わりの一方で、別れた元カレとの日々を見つめ直す。2歳歳下にただ甘えて過ごしてきたことにも気付く。
    着物屋さんで働く仲間がみんな気持ちの良い人たちで、とても良い職場だ。着物を好きになり、今の自分を楽しんで生きる沙良の成長にエールを送りたい。

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    2026年10月20日
  • あなただけに許す距離

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    一木けいさんの作品を初めて読んだけれど、満たされず葛藤する恋、自分自身を肯定できなくなったり、1人のひとにのめり込んでしまう瞬間などが美しい言葉で切なく描かれていて凄く好みな作品だった。5つの短編集で、誰しもきっと感情移入してしまうのでは。

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    2026年10月13日
  • あなただけに許す距離

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    恋愛短編集なんどけどタイトルに引かれて読んだ。

    海辺で読んだからか、明るくよめたが、家で1人でよんだらまた違う印象だったかもしれないが、余韻がよい。

    若い2人の恋愛から大人の複雑な恋愛模様まで。私とは同じ境遇の人は誰1人いないのだけれど、読んでるとき恋愛におけるあれやこれや面倒で情けないとろける感情がよみがえった。そしてたまに名言というかグサリとくる一文がある。
    距離感が完璧な2人になるために世の中のみんな努力してるんだろうな。
    あと、すごいなんか東京の空気感!て感じた。緊張感あったな。

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    2026年10月10日
  • 元カレの名前なんて忘れた

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    どのお話も良かったです。元カレとあるように、どうしても恋愛小説になってしまいますが、不思議とさっぱり読める素晴らしい作品ばかりでした。

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    2026年10月10日
  • 彼女たちが隠したかったこと

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    ネタバレ

    2023年1月に単行本を読み、今回文庫になったので読む。その後すぐ単行本を読んで違いを確認。
    ・単行本のプロローグで『女』が死んでいる(?)場面がなかった!
    ・文庫は年次がふってあるので、時系列でわかりやすい。

    個人的には英利子、浩司が主人公の話を読みたかった。何を考えていたんだろうな…。エミリと翔太の話は救いがあってよかった。

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    2026年10月07日
  • 元カレの名前なんて忘れた

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    大好きな青山美智子さん、町田そのこさんの作品が入っている一冊。
    『元カレ』をテーマにした4つのお話でした。

    思ってたよりも深くて、現実的。
    それが読み終わった時の感想です。

    人の心のうちってほんと難しいですね。
    それでも人を好きになるっていうこと、そういう人がいるっていうことは尊いことなんだろうなって思いました。

    どのお話も味わい深かったですけど、やっぱり僕は青山美智子さんの作品が好きだなぁ。
    ありがとうございましたm(_ _)m

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    2026年10月06日
  • 元カレの名前なんて忘れた

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    どれも興味深かった。特に『三月なんて前世』が好み。元カレってそれほど気になるものなのか? 終わったことを振り返ってもと思うけど、気になるということはやり残したことがあるのかも。

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    2026年10月05日
  • 結論それなの、愛

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    私自身がタイで駐在妻をしているのもあり、タイ駐在妻が出てくるお話と知り、この本を手にとりました。

    タイでの暮らし一つ一つが細かくリアルで、情景が浮かんでくるようでした。バイタク、メーバーン、日本人学校の注文弁当…細かい日常描写がタイ在住者にはツボでした。
    登場人物の倫理観(不倫・男を買うなど)には理解出来なかったのですが、登場人物の寂しさ、やるせなさ、孤独感など自身駐在妻だからこそわかる感情もあり、『この負の感情は私だけじゃないんだ』とホッとした気持ちにもなりました。

    タイで暮らしている人、特にタイ駐在妻の方にはぜひとにとって欲しいです

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    2026年10月05日
  • 元カレの名前なんて忘れた

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    元カレというテーマのなかにも色んなパターンがあって面白く、短くテンポがいい話が多いので読みやすかった。

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    2026年10月04日
  • あなただけに許す距離

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    絶妙。一木さんの作品は全てそう、綺麗さも厭な感じも全てがちょうど良いからグイグイ読んでしまう。世界観が絶妙。きっと誰かしらに感情移入できる連作?短編集

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    2026年10月01日
  • 元カレの名前なんて忘れた

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    元カレがまだ元カレになる前だったあの頃を思い起こしながら、今を生きる女性たちがかっこいい。

    全部良かった中で特に世界観に惹き込まれたのは一木けいさんの「三月なんて前世」だったなあ

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    2026年09月27日
  • あなただけに許す距離

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    ネタバレ

    (盛大に引用あり。注意)
    失敗し、成長し、ふと振り返った時のたらればの恋の行方たち。ついでに雑学多くて大歓喜。渋谷って谷だったんだ!な恋愛短編集。

    どの短編も、大人になって、物事を俯瞰で見られるようになってから思い起こすと、甘酸っぱくほろ苦く感じられる思い出たちのような素敵な作品でした。

    うろ覚えですが、
    ""太宰治の人間失格の一節に
    "自分の幸福の観念と、世のすべての人たちの幸福の観念とが、まるで食い違っているような不安。"というものがあり、
    自分の幸福の観念と、世の大多数の人の幸福の観念は、近いから相対だと感じるのだけど、この文章を口にしたということは、柊介さんはそうではないのかもしれない。""

    この一節に痺れました。
    幸せは相対で、不幸は絶対。と感じる主人公に対して
    幸せも不幸も絶対。と感じる柊介さん。

    そこを深く掘り下げられる洞察力が小説を味わい深くさせていると感じました。一木けい先生めちゃめちゃカッコイイです。


    また、
    "私は、共感する人が多くない作品こそ、世に出る意味があると思うんです。
    共感されにくい日常を生きている人もいますよね。そういう人が、この作品のなかでは息ができる、この作品は私を理解してくれるって、ほっとするかもしれない。
    当事者じゃなくても、共感はできないけど、こういう人がいること、自分の知らない苦しみがあることを心に留めておこうって思う人がいるかもしれない。"

    ここはもしかして一木けい先生が大切にしている価値観なのかな、と思いました。
    本当に誰にでも寄り添ってくれる、優しい作品を生み出してくださり、ありがとうございました。
    文才が無いので、引用ばかりですが、一木けい先生も、もしかすると木繭チレン先生などのように小説を書いている間は息ができるタイプなのかもしれませんが、
    私も、この作品を読んでいる間は楽に息が出来ました。
    読み終えた今、気管が体をぶちやぶるぐらい広いです。

    あなただけに許す距離 カッコよくてうなる小説でした。

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    2026年09月27日
  • あなただけに許す距離

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    言葉は一回投げただけでは伝わらない。ボールをA地点からB地点へ送ればいいわけじゃなく、行ったり来たりして、ようやく形が出来上がっていくもの

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    2026年09月26日
  • 元カレの名前なんて忘れた

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    全部の話が面白くてひとつひとつ丁寧に読んだ。元彼って過去の恋愛ってそれぞれだけど嫌な思いでもそうでなくても自分を成長させてくれたなと今なら思う

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    2026年09月24日
  • 元カレの名前なんて忘れた

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    大人な恋が描かれてて、ちょっと読み入ってしまった。男に惑わされちゃうけど、自立して生きていこうとする姿が描かれていて、ちょっと背中を押される感じ。

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    2026年09月16日