一木けいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
良かれと思って与えた愛の形が人を苦しめることってあるんだなって、そんなことを考えながら読みました。それぞれの立場に立てば理解できても、許せないし、でも諦められないし。誰かと生きていく難しいなって思いました。家族ってある種の呪い。幸せであろうと不幸であろうと、離れようとしてもなかなか離れられなくて、嫌いにはなりきれなくて、恐怖や不信感に支配されていても、父親だから…夫だから…っていうところに着地する。でもそれは悪くない。
ただ、当たり前のことだけど暴力や暴言で人を支配しようとするのは弱い人のやることだと思った。はけぐちがなかったのかもしれない、追い込まれて、逃げられずにいたのかも知れたない。でも -
Posted by ブクログ
なかなか興味深い題材で、感情移入しやすかった。また読み返したい。アル中の父を持つ女性の話。私の父もお酒をかなり飲む人だけど、ここまでではないし、暴力、警察沙汰があるわけではなく飲みすぎて病気になったりお金がすぐなくなっちゃうくらいだけど、アル中って本当に怖いなってことを再認識しました。
すべての章に、愛という文字が含まれていて、そこもなんとなく好きなところ。
愛について、考えさせられました。勝手にしろって突き放せたら楽かもしれない、それでもあなたが好きだとゆるせたら楽かもしれない。だけどどっちにも振り切ることができない辛さ、不安定さ、やるせなさ。勝手に期待してそれを裏切られて、失望して、期待す -
Posted by ブクログ
文庫本としてはなかなかの長編小説だったが、するすると読めてしまったし、寝る前の読書時間が楽しみになる本だった。
登場人物達が皆魅力的で愛おしい。
誰しも自由でありたいと願っているであろうが、自由だから魅力的な訳ではない。
その自由を得るために、常に自問したり他者を思いやる想像力を働かせたりしながら戦う人が魅力的なのだと思う。
目盛りが合う、合わない、合わせる、合わせられない。
それが心地良いものか、そうでは無いのか。
相性というものを言語化するのは難しいけれど、こういった捉え方があるのかと納得した。
愛と嫉妬と執着、これらは必ずしもセットなのか?
「同担拒否じゃない愛は軽い」というス -
Posted by ブクログ
ネタバレ彼女たちの求めていることは、私の求めている事だった。
テオに、祐介に、ヴィンセントに感じられた安寧がどうしたって正規の夫には感じることができなかったのが虚しかった。求めるものはいつだって正しい形で素直に手に入ることはなくって、傷つくないと、捨てる覚悟がないとだめなんだろうか。そうなんだろうな、多分。
『なーなーの国』での晶の終わりの独白を最初はどういう感情由来のものか分からなかったけど、次の『パ!』で彼女視点の話が続いた時、ああ孤独で虚無を抱えて、何もかもが通り過ぎてどうだってよくなってるんだって気づいたりしてた。
基本的に不倫や浮気をしている登場人物を好感持って読めないんだけど、彼女たちに -
Posted by ブクログ
アルコールにまつわる苦しい家族の物語が描かれています
千映は毎晩のように泥酔する夫・宇太郎に対して強い怒りと絶望を感じている…とよくある夫婦ものと思って読んでいたら、父と娘の話になっていく
3、愛で選んできたはずだったはもう凄絶です
1、愛に絶望してはいけないで千映がどうして夫に対して激しい感情を抱いていたのかという答えが書かれています
読んでる最中ずっと苦しくてたまらなかった
総ページは240ページと少なめですが、中身はかなり重くて濃い
『全部ゆるせたらいいのに』という千映の祈りはただひたすらに悲しい
ラストは未来への希望を感じられて良かった