増田ユリヤのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ひみつシリーズmRNAのひみつを読んでから、興味が出て手に取りました。
2020年2月に中国武漢市から起こったパンデミック
そのワクチン開発に貢献した生物学者がいた..
その名はカタリンカリコ。
彼女の生い立ちやmRNAの知識、彼女に関わりの深い科学者などを小学生にもわかるように書いてくれています。
カリコ氏の幼少期、住まいの写真からも、その暮らしぶりや性格まで伝わってくる気がします。
パンデミックが起こる前まではボート選手の娘の方が有名だったと嬉しそうに話す様子、どんなに環境が変わっても謙虚なカリコ氏に惹かれてしまいました。
カリコ氏のように謙虚でまっすぐに生きるコツ
「ハンス・セリエ先生の教えの通り。無駄なことに時間を費やさない。自分がやるべきことに集中する。シンプルだけど、ただそれだけよ。」 -
Posted by ブクログ
「職業:ドイツ人」(引っかかるがちゃんと冒頭で解説してくれている)のマライ・メントラインさん、おなじみ池上彰氏と増田さんによる対談形式。初版が昨年の9月だからまぁまぁ情報は新しい。
マライさんの事は今回初耳だったけど、会話の端々から知性や有能さが滲み出ている…二度の日本留学に加え、15年の在日歴でも「毀誉褒貶(きよほうへん)」って言葉が出てくるか?
自分が対談の場にいたらドイツの話よりも先に、彼女について色々聞き出そうとするかも笑(他のお二方の手前、聞かずじまいになるのがオチなんだろうけど…)
ドイツ国内の土地柄から対談は始まる。各地方を日本の地方に当てはめ、特に「同じドイツ語圏のウィーンは京都に似通っている」ってくだりは、行ったことすらないのに納得できた。その感覚がまた刺激的で面白い!
池上氏は相変わらず会話が解説になっていた笑
全章要約したいけど自分の技量では…(以下略)恒例の、特に気になった箇所だけ抜粋↓
【労働】
バカンス好きとかノー残業のイメージは前からあったけど、仮に残業したら別の日から残業した時間分を差し引く「時間バンク」って制度まで備わっている。ノー残業然り、そうやって長所ばかりに目が行っちゃうんだよなー笑 でも「日本は全然なってない」とか言って優劣付けちゃうのは違う気がする。
あちらはあちらで即戦力第一主義だったりと、就活面はなかなかに厳しそうだし。
【教育】
「(日本の学生は)出来合いの正解を求めている」マライさん…手厳しいけど的を得ています。テスト形式一つを取ってもそう。マークシート形式が一般的な日本で論述問題を出そうものなら、「採点基準は先生の主観だ」といちゃもんを付けられる。今まで意識してこなかったけど、「平等/公平」へのこだわりはここにも表れていたのかと。
平等を唱えているわりに、教育格差が出ちゃうプロセスもまた嫌らしい。
【政治】
わが国の首相が短期間で変わる理由について、以前別の本の著者が「彼らも日本人でシャイだから、顔を覚えられる前に辞めたがるんだ」ってジョークを飛ばしていたのを何故か思い出した。実際、戦後-昨年9月時点でドイツでは8名が首相を務められたが、対して日本は34名。
ドイツでは周辺国からも支持されるから長期政権化し易い。日本側だって勿論シャイな訳じゃないけど、世襲制に近いから変な義務感に囚われて長続きしないのかなと思えてくる。
…読後はまぁまぁ息切れ状態。
この世の諸問題を一身に浴びたみたいなのもあるけど、途中何度も立ち止まって考えていた。それだけ思うところがあったり、或いは曖昧にしたまま生きてきたんだと痛感したり。
同時に「隣の芝生は青い」と言いますか、お国事情が違う他国を引き合いに出す思考にも陥りがちだったのかと。
何が正しいのかをまずは自分の頭で考えアウトプット出来るようになっておかねば…と言うのが、何もかもが主体的な御三方を見て導き出した答えである。 -
Posted by ブクログ
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンといえばファイザー、モデルナが代名詞のようになっているが、これらはmRNAが史上初めてワクチンとして人体に使用されたもの。それって大丈夫なの・・・という思いもあるかもしれないが、mRNAワクチンの実用化ができた!というタイミングでCOVID-19がやってきたというまさに歴史の偶然。もちろんパンデミックのためにやや性急な感じで認可されて世界中で使われているという面もあるだろうが。
歴史の偶然とはいえCOVID-19発生から1年程度でワクチンができたことは驚き。最初の頃はワクチン開発まで数年はかかると言われていた。それが1年で世界中で接種されるようになるには多くの物語があるのだが、mRNAワクチン作成の基礎技術のかなりの部分を発見したのがこの表紙の女性、カタリン・カリコ。
カタリン・カリコは1955年ハンガリー生まれの研究者、ハンガリーのセゲド大学・研究所の頃(1980年前後)にRNA研究を始める。1985年研究者としてアメリカへ。その後も安定しない身分や収入にもかかわらず、RNA研究を続ける。
mRNAを細胞に挿入して特定のタンパクを作るという(細胞は生体ではない培養細胞なのでいわゆるin vitro)研究をずっと続けてきた。確かに、mRNAを準備すればどんなタンパクでも作れるというコンセプトは今考えるとすばらしい。しかし、当時(2000年前後)のバイオテクノロジーのレベルではコンセプトどまりで、あまり評価もされなかった。
一番の障害は作ったmRNAを細胞に入れると(あるいは生体に投与すると)抗原性が高く異物と認識されて激しい炎症を引き起こし細胞が死ぬこと。ここへのブレークスルーをカリコと共同研究者ワイズマンが発見した(以下のステップ)
mRNAではなくtRNAであれば炎症を引き起こさない
mRNAとtRNAの違いはウリジンがtRNAでは修飾を受けていること
よって、mRNAのウリジンにtRNAと同じ修飾を施せば炎症を引き起こさない
さらに修飾のかわりにmRNAを作るときにウリジンをシュードウリジンにすれば高効率でタンパクを作れる「Kariko-Weissman Technique(2012年特許)」
幸運なことに、ちょうど21世紀になり抗体医薬など生物学的創薬がポピュラーになり、mRNA創薬の周辺技術が整ってきたこともあり、そうした医薬ベンチャーの時代が来ていた。2013年カリコはドイツのベンチャー企業ビオンテックの副社長として招かれる(年齢を考えれば特許使用のため?)。そしてビオンテックがファイザーと協業してCOVID-19ワクチンを作ることに。
カリコ氏は一躍ノーベル賞候補に。研究人生の終盤にコロナ禍がおこり、これまでの研究が一気に花開いた格好になった。努力する者の上に神は微笑むということか。
→Natureの特集記事は一読の価値あり 。ビオンテックやモデルナにはまたそれぞれの物語があるようで、これから読んでいく予定。 -
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ネタバレ過去の経済危機の対策が(うまくいったにしろ、うまくいかなかったにしろ)今の状況を考える上で参考になるということがよく分かる。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」ってやつでしょうか。池上さんは現在の政府の対応に関して問題点を提起するというスタンスに見えるけれど、益田さんは明確に批判するというスタンスなのが目につく。元がテレビの企画のようだから立場をはっきりさせる必要があるのかもしれない。「はじめに」後の本文から池上さんの口調が砕けた感じになっているのがずっと気になりっぱなしだった。書籍にするなら文体を丁寧語に変換してもよかったのでは? 巻末のメルケル首相の演説内容はしびれる。