朝日新聞取材班のレビュー一覧
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働き手の人口が8割に減る「8がけ社会」に向けて、何ができるか?を示すことを約束した朝日新聞の特殊を書籍化。
まずここに至るまでの経緯を
人口問題研究では、戦前の1940年に発表した将来推計で、すでに現役世代の減少と高齢者の激増を予測していた。推計では、総人口が1965年に1億人に達し(実際は1967年)、2000年に1.23億人でピークを迎える(実際は2008年で1.28億人)と予測している。
このように、人口学による将来人口推計は他の分野に比べてはるかに精度が高い。人口の減少は予見できたはずなのに対策が遅れたのは何故か。
1970後半〜1980年代は、戦前の「産めよ殖やせよ」政策の反 -
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朝日新聞デジタルでの連載をベースに再構成されている。元が新聞連載のため、わかりやすい文章で書かれており、いまの韓国の状況を概観するには良いと思う。
韓国に興味があって本書を手に取る読者もいるのだろうが、おそらく取材班の意識は日本とのリンクを探ることにある。少子高齢化、移民、一極集中という副題は、日本においても身近なテーマだからだ。
日本と韓国の共通項は多い。そのなかで、本著で書かれてはいるがしっかりと言葉にされていないものが世間という概念である。ヨーロッパで似たような概念を探そうにも、それらは世論や社会規範と訳されるようなものであり、世間という言葉に含まれる独特の内面化された視線というもの -
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去年の都知事選があまりに奇妙だっ(というか、これまでとなんか違ってい)たこと、それにはsnsが一役買っているようであることがずっと気になっていたので、そのあたりを上手く説明してほしいなと思って読みました。
多様化する民意に、現在の選挙制度と政治体制がすでに追いつけなくなっていることを、戦後の日本の政権の歴史を紐解きながら、過去の選挙や国勢調査の結果を参照しつつ、丁寧にまとめている点は好感がもてるのですが、ポピュリズム政党についてのことが知りたくて読んでるのに、ずっと自民党の話…
突き上げられる側が今後どうしていくか、ではなくて、なぜ現代日本で政治的無関心と裏腹に(というか政治に無関心であるが故 -
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大阪での55年ぶり万博開催まであと約1カ月!てことでやっぱり万博関係の本を何か読んでおこうとこの本を購入。とはいえこういったルポの類の本は初めてかも。
以前に橋下徹氏の本を読んで、当時の松井府長と橋下市長が会食の場で安倍首相に万博開催を提言したのが発端というのは知っていた。だからこそ、そこから万博開催までどんなドラマがあったのかという点には興味があった。正直自分自身も今回の万博は予定通り開催できないと思っている派だったので。
「建設費が倍増」「会場予定地での爆発」などの新聞で目にしたことのあるようなニュースが丁寧に深掘りしてありそのあたりは読み応えがあった。
賛否両論のある今回の万博ですが、こ -
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明仁天皇が最初に参与会議で退位の意思を示したのが2010年。天皇のビデオメッセージの発信が2016年8月。そこから慌ただしく始まった退位・改元をめぐる内幕を取材班の立場から追いかける内容。基本的には既存の知識や論点の確認だが、時系列的に整理ができるのはありがたい。
取材班は「あとがき」で、新聞記者は「歴史の記録者」だと鼻息荒く書いているが、この程度のことに取材チームを長期で組んで夜討ち朝駆けをやっているのか、と半ば驚き呆れながら読んでいた。こうしたメディアの報道のあり方こそが、空気としての天皇制を支えているのではないか。「保守派」の抵抗と安倍官邸のせめぎ合いをめぐる箇所など、心底からどう -
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朝日新聞社取材班やから、ちょっと構えてたところはあったが、まあそれ程思想を表に出しては来なかったか。
その分、内容は、ない。
新聞記事とか、ネット情報とか以上のものは殆どない。
あえて言えば被害者家族の慟哭だが、想像の範囲を出るものではない。泣いたが。
朝日だし、後半の「識者」は評論家だったり小説家だったり、社会がどうの環境がどうのという奴ばっかりで期待通りだったが、被告に、一片の同情も湧かない。
こういうやつは昔からいるし、どこにでもいる。
ゼロには絶対できない。
悲惨だという環境も、そこでちゃーんと頑張って、人として生きていく方々が大半だ。そこへの支援と、犯罪者への対応は、全く違う。無礼だ -
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2040年 現役世代が2割減る 3人に1人が高齢者
建設業の求人倍率は5倍を超える 全職業では1.2倍
介護業界から人が減っていく
男性・年配・東京に偏る意思決定
東京の一極集中 20~39歳の女性の3~4人に1人は東京圏にいる
人口学 100年前の計算通りの人口
バブル後 ロスジェネ世代 力を発揮する機会と次の世代を生む力を削いだ
農業従事者 1/4に →スマート農業
インフラ 地方町村では3割人手不足に
海外永住者57.5万人 女性6割(2023年)
遠い過去から見る
正規労働者数は変わっていないが1960年代から自営業者が減り非正規が増えた。
低賃金を残さない選択
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読み終わりました。
発売してすぐ購入して、なかなか読む気になれず
少し経ってから2/3一気読みしたんだけど
苦しくて、辛くて、、なかなか続きが読めなくて
たった数ページだったんだけどね、苦しくて。
やっと読み終わりました。
悔しいです。
京都アニメーション。京アニ。
無敵の人。
どうしてこんな事件が起きてしまったのか、
やっぱり今回の被疑者、青葉真司も生い立ちは
色々あったりするんだけどそれを免罪符には出来ないよ。
生まれた環境、生まれた時代…
いろいろ悪いことが重なったのは可哀想だけれども
青葉からしたら関係者、でも実際は無関係の人達
その方々の方が遥かに可哀想です。 -
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さすが新聞記者だけあって課題の捉え方が鋭い。高い取材力を発揮して多様な意見を見せる事にも成功している。ただ新聞記事が元ネタなので一つ一つの文章が短く、本質を追いきれていない。どの話題も尻切れとんぼ。また供給力が8がけになることばかりを取り上げるが、需要も8がけになることへの視点が欠けている。一面的な主題の掘り下げ方を含めて、新聞社が作る本の限界だと感じた。
少子化は社会発展の必然であって、いくら対策しても減少の勢いを多少和らげる効果しか期待できない。もちろんそれも重要だが、より本質的には人口減少と高齢化を所与の前提として、いかにその社会に我々が適応していくのかを考えなければならない時期に来てい -
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前半部分の当事者の話はかなり当事者の主観に寄った印象を受け、相手側の状況も同時に書くと印象が大きく変わるんではないかと言う印象を受けた。後半部分は若年者中心の話で、障害を持ちながら社会とどうやって順応していくかと言う話が主体で自身の参考になった。合理的配慮に関しては、雇用者側が負担を感じない範囲での配慮が必要との事だったが、人によってその度合いは異なるため、解釈が非常に難しいと感じた。また、第三者から見ると特別に優遇を受けていると捉えられかねないため、どのように社会が受容できるような仕組みを作るかがイメージできなかった。日本以外での国の事例などを紹介してくれると嬉しかった。また、当事者の話が多
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朝日新聞デジタルのマンション管理をめぐる連載。
マンション管理の専門家やマンションの住人、元住人への取材をまとめています。
マンションは戸建てと違って庭木の手入れや外壁・屋根の補修の手間がないのがいいところと思っていましたが、そんなことはなく、むしろほかの住人と話し合うという段階を踏んでから行うため、どっちもどっちだな…と思い知りました。
マンションに住むなら、自分のマンションの資産価値を高めたいはずなので、その目標に向かって管理組合がひとつになるのが理想だと思います。
管理組合自体を外注する動きもあるようなので、マンションの管理を人任せにすることの危険さに、より多くの人が気づかなければならな -
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大統領選を含めて、トランプからバイデンへと大統領が変わる状況を描いている。
分極の軸はいくつもある
共和党と民主党
都市と農村
白人と、黒人、ヒスパニック
移民と、アメリカ国民
2極に分かれていること自体が問題ではなく、これまで2つの極をむすびつけてきた様々な接点が失われていくことが問題である
朝日新聞の記者が、テーマごとに記事を書いたものをまとめたものである。
気になったのは、以下です。
・経済政策一つとっても都市と農村で、人々は違う捉え方をする
・ドル紙幣に書いてある「我々は神を信じる」の言葉が「宗教的だ」として批判が起こり、「メリークリスマス」のかわりに、「ハッピーホリデーズ -
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沢山の取材を重ねてこの本を作ってくれた人たちには星5なんだけど、あまりにも犯人の動機に同情できなかった……。
犯人の家庭環境や幼少期のトラウマのようなものが、歪んだ思想を生み出してしまったと思っていたんだけど、そのような影響を感じられないのがめちゃくちゃ怖かった。犯人は自身の信じる「かっこよさ」に捉われていきすぎた優生思想になっていると
感じたが、この思想は何をきっかけに生じたものなのだろうか…。
こういう本を読んでいると、育ってきた環境があまりにも辛くて犯人に同情してしまう部分もあるのだが(もちろん犯罪はだめだけど)、ここまで犯人に感情移入できなかったのは初めて。
被害者遺族への取材部分は読