朝日新聞取材班のレビュー一覧
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コロナ禍の中、取材制限もあったかと思うが、その中でも数多くの市井の人や識者を取材し2020年のアメリカ大統領選を描いた良書。将来読み返してみてこの大統領選によって何が変わり何が変わらなかったのか振り返るのにもいいサンプルになるかと思う。
ただ朝日新聞という属性からか、民主党シンパに対しては幅広い層の意見を拾い出していたのに対し、共和党シンパに対してはトランプ積極支持のタカ派的意見の拾い出しに偏り、ハト派的保守がほとんど取り上げられていない様に感じた。ここをカバー出来る本を探して読んでみたい。
ハト派的保守が極めて少数派になっているのであれば恐ろしい事だが…
ジュンク堂書店近鉄あべのハルカ -
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森友学園への国有地売却問題、加計学園の獣医学部新設問題に関し、次々特ダネ記事を出してきた朝日新聞が、それら「モリカケ問題」の取材過程をドキュメンタリー的にとりまとめている。
何かと批判されることの多い朝日新聞だが、これらの問題に関しては、非常に実直で丁寧な取材を重ねていたんだなということがよくわかった。まさに良い仕事をしていると思う。特ダネ記事がどうやって生み出されるかという過程も少し垣間見えて、興味深かった。
モリカケ問題については、いずれも問題そのものよりも、疑惑が報じられたり、国会で追及されたりした際の政権側の対応が非常に不誠実であったということを改めて認識した。また、いずれの問題も、安 -
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まえがきより引用
> マンションのモデルルームで営業マンから「いまの家賃と同じような月々の住宅ローンの額で、同じ間取りの部屋に住めますよ」と言われて心が動いたら、それは不動産の維持管理費が重いのに、売るに売れない「負動産地獄」への第一歩になる。
> なぜなら、住宅ローンの支払い以外に、マンションを所有することによる管理費、修繕積立金、固定資産税などの負担があることが計算外になっているためだ。
法定相続人増加により売るに売れない土地家屋、リゾート地などの地方不動産の悲惨な実態、サブリースで安心といわれていたのに赤字になる田舎の投資用アパートなど。
不動産投資の将来の負の側面を存分 -
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ネタバレ日本では土地は長く資産としての価値があった。
しかし、これからは相続したことによる、維持管理により価値がマイナスとなる。
空き家が増えるということは、町内会の機能不全によりごみ捨て場や街頭、治安悪化などを招く。
バブル時に建てられたリゾートマンションの現状、サブリースの罠など。
事例では、高知県四万十市の固定資産税の15%が死亡者に課税されているとか(相続人不明とか、相続でもめているとか)。これから全国的にもっとふえてくんだろうな、と思う。
なかなか興味深い内容で、限界地域の家土地問題について深く考えていかなければいけないと考えさせられる。
ただ、「負動産の生き返り」とされている各国の -
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「ペンタゴン・ペーパーズ」の感覚で読むと、やはり地味に映るし、悪の規模と隠ぺい、欺瞞の大きさがせこく、情けないのはしょうがないか。しかしそれでも権力の腐敗を暴く物語は、スクープの熱情とともに伝わってくるし、名もなき記者たちが奮闘するさまはドラマチックだ。それが新聞記者という本来感情を押し殺すテキスト制作を生業としている職種が描くものだから、当然押しとどめている行間から、零れ落ちてくるような感情が味わい深いのだ。
ただ朝日新聞読者としてリアルタイムで味わったある種の熱狂には届かないのも事実。もうすこしエモーショナルに個人的な主観も併せて読みたかったかもしれない。 -
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バブル時代、必ず値上がりすると教えられた不動産。今じゃ、相続放棄や所有者不明の土地、空き家が日本中に存在する。日本の不動産はもはや「負動産」となってしまった。
本書は、そんな負動産事情を象徴するリアルの取材録。管理組合も修繕積立金もないマンション、一等地なのに所有者不明で誰も利用することができない土地、ゼロ円でも買い手がつかないリゾートマンション、などなど。
こうした問題をどうやって、誰が解決すべきか。やはり、政府・行政しかないだろう。不動産の所有権について、一定期間の行使がなければ、所有権を放棄したものとみなしてしまう。もはや、それくらい極端で強引で共産主義的な対応が必要なのでは。 -
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相模原障害者殺傷事件に関して真相の追求と、障害者に関する問題提起をする本。
朝日新聞記者の取材が元になっている。
前半は、加害者の特異な行動を時系列で紹介し、事件に至る経過を説明している。
後半は、障害者が社会に受け入れられていない現状に関する問題提起をしている。
「妄信」というタイトルから、加害者の異常性を暴き出す少し文学的な香りのする作品なのかと思ってしまったが、障害者の問題がメインの様に感じた。
不寛容で無関心な日本の社会に一石を投じる力作で、障害者や弱者について考えるべきだと思いました。
障害者や弱者に無関心な人にこそオススメです。