朝日新聞取材班のレビュー一覧

  • 子どもと貧困

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    コロナ禍前の本でやや情報が古いところもあるが、子どもを取り巻く貧困の様相は変わっていないと思う。子どもに愛情をもてなかったり、子どもが働いて得た金銭を取り上げたりするような親に対し、自己責任論を叫ぶだけでは子どもは救われない。長期的には行政の支援の拡充が、短期的には民間(周囲の大人)の助けが何より必要とされる。

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    2023年03月01日
  • 朽ちるマンション 老いる住民

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    マンションが抱える歪みや課題を述べた本。もはや放置できない重要な社会問題を突きつけている。後半にはコミニティ再建の明るい話題を提供。他の住宅問題にも応用できそうだ。解決策は人のつながりに帰する。

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    2023年02月18日
  • 朽ちるマンション 老いる住民

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    第一章「管理会社の管理拒否」の内容から衝撃的。そんな事があるんだとも思ってもおらず、さらには最近増えているとの事。
    あまりにも無関心であったことを少し反省し、これからは関わりを持っていきたいと思うこと

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    2023年01月25日
  • 平成家族 理想と現実の狭間で揺れる人たち

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    とても読んでよかった本だった。みんな、周りのひととか見えない何かから、何かしらの無遠慮な無責任な「普通」を押し付けられて苦しんでいるんだなと分かる一冊だった。ほんと生きるのってなんて大変なの…と思う一方で、キラキラして見えるけど、しんどいなあと思いながら頑張ってみんな生きてるんだなと思えて、なんだろう、すこし安心したというか、生きる勇気が湧いたというか…すこしだけ、なんだけど、大きなすこしだなとおもう。

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    2021年03月30日
  • 分極社会アメリカ 2020年米国大統領選を追って

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    コロナ禍の中、取材制限もあったかと思うが、その中でも数多くの市井の人や識者を取材し2020年のアメリカ大統領選を描いた良書。将来読み返してみてこの大統領選によって何が変わり何が変わらなかったのか振り返るのにもいいサンプルになるかと思う。

    ただ朝日新聞という属性からか、民主党シンパに対しては幅広い層の意見を拾い出していたのに対し、共和党シンパに対してはトランプ積極支持のタカ派的意見の拾い出しに偏り、ハト派的保守がほとんど取り上げられていない様に感じた。ここをカバー出来る本を探して読んでみたい。

    ハト派的保守が極めて少数派になっているのであれば恐ろしい事だが…

    ジュンク堂書店近鉄あべのハルカ

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    2021年02月25日
  • 権力の「背信」 「森友・加計学園問題」スクープの現場

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    森友学園への国有地売却問題、加計学園の獣医学部新設問題に関し、次々特ダネ記事を出してきた朝日新聞が、それら「モリカケ問題」の取材過程をドキュメンタリー的にとりまとめている。
    何かと批判されることの多い朝日新聞だが、これらの問題に関しては、非常に実直で丁寧な取材を重ねていたんだなということがよくわかった。まさに良い仕事をしていると思う。特ダネ記事がどうやって生み出されるかという過程も少し垣間見えて、興味深かった。
    モリカケ問題については、いずれも問題そのものよりも、疑惑が報じられたり、国会で追及されたりした際の政権側の対応が非常に不誠実であったということを改めて認識した。また、いずれの問題も、安

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    2021年02月14日
  • 平成家族 理想と現実の狭間で揺れる人たち

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    家族というものの理想や呪縛は未だに昭和を引きずっているな、ということに気付かされた。
    自分自身もコロナの影響もあり、家族の在り方について少し悩んでいた時期。
    自分で作った理想の家族像に縛られていた気持ちを少し解きほぐすような気づきがあったと思う。
    家族の形に正解は無い。

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    2021年02月02日
  • 負動産時代 マイナス価格となる家と土地

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    まえがきより引用

    > マンションのモデルルームで営業マンから「いまの家賃と同じような月々の住宅ローンの額で、同じ間取りの部屋に住めますよ」と言われて心が動いたら、それは不動産の維持管理費が重いのに、売るに売れない「負動産地獄」への第一歩になる。
    > なぜなら、住宅ローンの支払い以外に、マンションを所有することによる管理費、修繕積立金、固定資産税などの負担があることが計算外になっているためだ。

    法定相続人増加により売るに売れない土地家屋、リゾート地などの地方不動産の悲惨な実態、サブリースで安心といわれていたのに赤字になる田舎の投資用アパートなど。
    不動産投資の将来の負の側面を存分

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    2020年09月13日
  • 平成家族 理想と現実の狭間で揺れる人たち

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    「家族はこうあるべきだ!」という昭和からの呪いがあって、平成末期から脱・呪いが叫ばれる。

    そのうち、脱・呪いが新しい呪いみたいに扱われそうな気もする。
    そうしたら、そこから抜け出すためにはどんなことが提案されるんだろう。
    脱脱脱脱してるうちに、根っこに残るのは、どこまでの個なんだろう。

    独りになりすぎるのも、怖い。

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    2020年08月20日
  • 平成家族 理想と現実の狭間で揺れる人たち

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     ある社会学の先生に薦めていただいた1冊。少子高齢化、核家族の崩壊、生涯未婚率の上昇…平成の時代は家族のかたちが大きく変わった時代でもあった。コレクティブハウスなんて知らなかった。ここに出てくる人たちは、どれも「あり得た私」であり、とても身につまされる。独身で子なしの私には耳の痛い記述もある。
     一人の記者はその様な家族のかたちへのとらわれを「呪い」と表現する。ただ、「呪い」を表面化したのは、大きく言って経済の停滞だろう。国の思い通りのようでシャクに触るが、公助が期待できないのなら、自助の力を高め、互助の輪を広げるしかないのかとも思う。

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    2020年07月18日
  • 負動産時代 マイナス価格となる家と土地

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    ネタバレ

    日本では土地は長く資産としての価値があった。
    しかし、これからは相続したことによる、維持管理により価値がマイナスとなる。
    空き家が増えるということは、町内会の機能不全によりごみ捨て場や街頭、治安悪化などを招く。

    バブル時に建てられたリゾートマンションの現状、サブリースの罠など。

    事例では、高知県四万十市の固定資産税の15%が死亡者に課税されているとか(相続人不明とか、相続でもめているとか)。これから全国的にもっとふえてくんだろうな、と思う。

    なかなか興味深い内容で、限界地域の家土地問題について深く考えていかなければいけないと考えさせられる。

    ただ、「負動産の生き返り」とされている各国の

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    2020年04月09日
  • それでも日本人は原発を選んだ 東海村と原子力ムラの半世紀

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    正力松太郎の原発推しは総理への野望の為だったとは。その後の読売への影響を思うと罪深い。
    にしても、茨城新聞社長を初め地元住民への、原子力ムラの海外視察旅行という名の接待攻勢はエゲツない。この手の事は幾らでもやってるという訳か。
    いかにして原子力村になっていったかを様々な関係者の声を拾い描いた、いわば東海村物語。

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    2020年03月08日
  • 権力の「背信」 「森友・加計学園問題」スクープの現場

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    「ペンタゴン・ペーパーズ」の感覚で読むと、やはり地味に映るし、悪の規模と隠ぺい、欺瞞の大きさがせこく、情けないのはしょうがないか。しかしそれでも権力の腐敗を暴く物語は、スクープの熱情とともに伝わってくるし、名もなき記者たちが奮闘するさまはドラマチックだ。それが新聞記者という本来感情を押し殺すテキスト制作を生業としている職種が描くものだから、当然押しとどめている行間から、零れ落ちてくるような感情が味わい深いのだ。
     ただ朝日新聞読者としてリアルタイムで味わったある種の熱狂には届かないのも事実。もうすこしエモーショナルに個人的な主観も併せて読みたかったかもしれない。

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    2019年06月24日
  • 負動産時代 マイナス価格となる家と土地

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    バブル時代、必ず値上がりすると教えられた不動産。今じゃ、相続放棄や所有者不明の土地、空き家が日本中に存在する。日本の不動産はもはや「負動産」となってしまった。

    本書は、そんな負動産事情を象徴するリアルの取材録。管理組合も修繕積立金もないマンション、一等地なのに所有者不明で誰も利用することができない土地、ゼロ円でも買い手がつかないリゾートマンション、などなど。

    こうした問題をどうやって、誰が解決すべきか。やはり、政府・行政しかないだろう。不動産の所有権について、一定期間の行使がなければ、所有権を放棄したものとみなしてしまう。もはや、それくらい極端で強引で共産主義的な対応が必要なのでは。

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    2019年04月20日
  • 権力の「背信」 「森友・加計学園問題」スクープの現場

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    不条理が通じる永田町、私達の世界とは異次元だ。一般は真実を知っても、単にもがき溺れる子供かも。正義はあるのだろうか? しかし、共産的な民主主義に生きているから、こんな事も当たり前におきているのだろう。

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    2019年02月27日
  • 子どもと貧困

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    子ども食堂の中で、本当に必要な人がこれるのかが問題との記述に考えさせられた。ネグレクトの場合は食堂のことも知らないかもしれないし、困っていても、他人に気づかいされたくないため、利用する人もいないかもと。

    P49 子供たちの育ちや能力、可能性を阻害する主な要素は、①不十分な衣食住、②孤立・排除、③不安感・不信感、④低い自己評価、⑤虐待・ネグレクト、⑥文化的体験・環境の欠如、⑦低学力・低学歴などが挙げられる。

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    2019年02月23日
  • 妄信 相模原障害者殺傷事件

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    相模原障害者殺傷事件に関して真相の追求と、障害者に関する問題提起をする本。
    朝日新聞記者の取材が元になっている。
    前半は、加害者の特異な行動を時系列で紹介し、事件に至る経過を説明している。
    後半は、障害者が社会に受け入れられていない現状に関する問題提起をしている。
    「妄信」というタイトルから、加害者の異常性を暴き出す少し文学的な香りのする作品なのかと思ってしまったが、障害者の問題がメインの様に感じた。
    不寛容で無関心な日本の社会に一石を投じる力作で、障害者や弱者について考えるべきだと思いました。
    障害者や弱者に無関心な人にこそオススメです。

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    2017年08月04日
  • 非情世界 恐るべき情報戦争の裏側

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    インテリジェンスの世界の実態。日本はアメリカの植民地なんだな。今の安保法制の転換も仕方ないかもと思わせる。

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    2015年03月22日
  • 8がけ社会 消える労働者 朽ちるインフラ

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    働き手が2040年に2024年と比べて8割になってしまうという「8かけ社会」についての本です。労働供給不足についてすでに課題意識を持っている人にとっては、あまり得られるものは多くないという読後感でした。

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    2025年10月08日
  • 平成家族 理想と現実の狭間で揺れる人たち

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    平成という失われた30年、停滞の30年の家族模様を描き出している。家族のあり様も多様化し、様々な価値観が許容されてきた時代にあっても、生きづらさを抱えて生きている人が多く存在することを物語っている。単身社会、家族破綻など、読み続けるのが辛くなるほどの厳しい現実にさらされる人々がいる。圧倒的な格差はネットなどを通じて顕在化し、より一層弱者を苦しめるのだろう。個人主義が進み、深慮や想像力が欠く人が増えてくれば、社会が殺伐としてきて、悪意と憎悪が悪用される時代が到来するのは必然だった。平成あっての令和であることを再認させる本だった。

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    2025年09月19日