朝日新聞取材班のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
韓国ドラマにハマり、色々な作品を観る中で、ノンフィクションの韓国も知りたいと思い、手に取った。日本と同様に少子高齢化や移民受け入れなどの問題に向き合っている韓国がどのような政策を取り、またそこに住んでいる韓国人がどのような気持ちで、それらの課題に向き合っているかなど、とても分かりやすくまとめられていた。日本に住んで日々の生活を送っていると、そう言った課題に対する視野が狭くなる時があるが、こうやって他国が向き合っている課題やそこにいる人の考えを本を通して出会うのは、自分の見ている世界を広くするのにとても良いと思った。韓国以外にも、他の国の本も読んでみたいと思った。
-
Posted by ブクログ
2019年に起きた京都アニメーション放火殺人事件を追ったルポルタージュ。
事件のあらましから犯人の生い立ち、裁判の経緯、被害者の人生、遺族の言葉、識者の見解までの詳細を報告する。この殺人事件は、30人以上が死亡する衝撃的な事件だったので、その日のことはよく覚えている。犯人は、自分のアイデアを京アニに盗用されたという勝手な思い込みだけで犯行に及んだ。決して許せない事件ではあるものの、彼の不幸な生い立ちと孤独な人生、それが犯罪に至った経緯を知ると、もう少し社会のサポートがあれば防げたのではないかと思った。(これは結果論でしかないが)アメリカでは格差と分断が問題視されているが、日本でも生活環境の格差による社会の分断が密かに進行しているのかもしれない。このような事件は、これからも断続的に発生するような気がする。 -
Posted by ブクログ
とてつもなく重い。
想像のはるか上をいく現実。
実体験を実名で公表された被害者の気持ちを、ほんの微力ながらも、いつかなにかの役に立てるようにしっかり受け止めたい。
性被害にあった子ども(特に男児)が加害にいたる場合がある。早期に性被害のケアを行うことで、加害と被害の連鎖を避けることができる。
それにしても、被害者ケアが日本はとても遅れている。被害者はまずどこに相談を、そして何をしてもらえるのか、どうすれば良いのか、金銭的な負担もしかり。
身近な人の役割として「まずは被害者の『味方になる』のが、あなたの仕事。事実かどうかを確かめるのは他の人の仕事だ」
私にも娘がいるのでこれは絶対忘れないでおこう。
痴漢加害常習者は電車に乗らない環境作り、幼児に対する性虐待加害者は、子どもと2人にならない対策。加害者側の苦悩や努力も知ることができたけど、、結局は、加害者を減らすことが被害者を減らすことに繋がるから、行政が対策することは大事だけど、、極論は一生外に出ないでくれとも思う。 -
Posted by ブクログ
こんなにも…沢山の人たちが性暴力の被害に遭われていたことに、強い憤りを感じました。そして、意外にも身近だったことに驚きました。あ…でも、私もあったわ…満員電車で痴漢をされたこと!!声をあげることはできず、途中下車して心を沈めてから帰宅したことを覚えています。それが繰り返されることもなかったので、トラウマにはならずにすみました。
性暴力は「魂の殺人」とも言われるそうです。その場限りではなく長い間被害者を苦しめ、その後の人生に大きな影を残すばかりか、PTSDやうつなど発症し社会生活が営めなくなったり、最悪の場合命を落とすこともあります。そして、「プライベートゾーン」という言葉を初めて知りました。水着で隠れる大事な部分と口をそう呼び、人に見せない、触らせない、人のも見ない、触らないというルールを、近年教育現場では子どもたちに教えているようです。この書籍に、声を寄せてくださった方々…すごく勇気が要ったと思います。読んでいて、心が苦しくなりました。でも目を背けずに知ることも大切なことですよね!
最後に、私たちはどうしたらいいのか…。
『社会のすべての人が、同意のない性的な行為は「性暴力」であることを理解すること』 『「何があっても被害者は悪くない」ということを社会の共通認識とすること』
あとがきからの抜粋です。 -
Posted by ブクログ
子供の貧困問題について友人と話した時
その友人に
「貧困層が暮らしているURのような場所で、虐待だの餓死だの、置き去りだのあったとして...近所の人間が気づけると思う?同じような明日の生活もままならない人たちが、隣の事情を気にかける余裕があるとおもう?
なぜ気づけなかったのか、なぜ手を差し伸べられなかったのかって言ってる側って結局は裕福なんだよ。同じステージにいない人たちが気づけるはずがない」
と言われた
この本にも同じようなことが書いてある
決して少なくない子供の貧困にどう向き合えるか、手の差し伸べ方はあるか
無力でも考えることには必ず意味がある -
Posted by ブクログ
ネタバレこれからの課題「孤立させない」ってね。
難しいな、、、と。
訪問介護、訪問看護も入っていたのでしょう?
これ以上踏み込む方法って、あと何があるの?
訪問してた看護師さん介護士さん、今考えると怖かっただろうな、、、とか思っちゃった。
ネガティブなものを消すのではなく“薄める”という思考は新鮮。なるほど。
SNSではなく実際の人間関係、居場所があることが重要。
だよな、、、とは思いつつ、被告の経緯を読むと、やっぱりなかなか難しいのでは?と感じてしまった。
自分がその居場所になれるか?って言ったらできないし。
今なら、そういう人からは離れなさいという意見の方が強い。
じゃあ、福祉や介護、医療関係の人達が、それを担うんかっていったら、低賃金で働いてて、人手不足なのに、そんなところまで手が回らないんじゃないか?と。
難しい問題だよね。
深いため息がでた。 -
Posted by ブクログ
<目次>
第1部 現場から
第2部 ともに支える
第3部 能登半島地震~震災からみえたもの
<内容>
2024年1月~朝日新聞デジタルに連載の記事をベースにしたもの。新聞記事らしい視点と文章。半ば過ぎには様々な人へのインタビューが載る。
自分も高齢者の仲間入りしたが、タイトル通り、日本の全盛期の80%で(人口もインフラも)世の中が動いていく中、何をすべきで何を捨てるべきなのか、政府は何をしていくのかのヒントが隠れている。大前提はすべてを幸せにはできない、ということ。難しい問題だが、自助・共助・公助…。テレビの「ポツンと一軒家」もそういう意味でかんけいしそうだ。 -
Posted by ブクログ
ある民間の研究所によると、2040年に社会サービスの担い手となる現役世代が今より2割減る「8がけ社会」がやってくるという。1100万人分もの労働供給不足になると予測される一方で、高齢化の進展により、サービス需要は増え続ける。
医療・介護、物流、教育・保育、交通など生活面、産業・経済面で人手不足による大きな影響が生じる。
この問題を取り上げた朝日新聞連載記事を書籍化したものが本書である。
第一部、二部で様々な現場取材や専門家の意見聴取により課題や解決策を追求、第三部では能登半島地震に目を向け、過疎集落の今後や災害と人口移動、防災と復興について考える。
解決に向けて、高齢者の生きがいビジネス、外国人やロボットの活用、デジタル化、行政サービスの広域化、サービスの取捨選択など色々な観点からの取り組みが紹介されているが、いずれも壁があり一足飛びにはいかない。
そんな中で、興味を感じたユニークな取り組みがアプリゲーム「TEKKON」だ。一般人がスマホの位置情報を使って電柱を撮影、写真を投稿するとポイントがもらえ、お金としても使えるというもの。集まった写真は電柱などを管理する企業が買い取り、修繕の順位付けなどに活用する。電柱、水道管、道路橋などインフラの劣化が進む中、保守・点検を担う土木技術者は不足している。保守・点検は国家資格が必要だが、目視点検で修繕の優先順位の高い箇所をリストアップするのには資格は不要、そこに目をつけたのがこのアプリの活用だ。
ゲーム感覚で楽しみながらインフラの保守面での人手不足に貢献できるという発想は非常に柔軟な感じがした。
エッセンシャルワーカーの不足、効率を求めるコンパクトシティ論者と住み慣れた過疎集落の高齢者住民との葛藤、過疎地に大規模な災害が発生した後に生じる「復興か移住か」の選択など、大きな課題が横たわるテーマだと改めて痛感させられた。 -
Posted by ブクログ
「若者の教員離れ」というフレーズをよく目にするようになった。採用試験の倍率もかつては10倍は下らなかったが、今は1倍を切るところもあるという。その倍率の変化が、教員の仕事について多くを語っていると思う。
私も教員として20年以上勤めているが、かつては本書で窮状を述べている方々とほぼ同じ生活を送っていた。生徒のためと思ってやっていたが、限界に近かった。
給特法の改正で教職調整額が4%から10%に上がるというニュースを見た。残業代は出さないが、数万円やるから倒れるまで働けと言われている気がする。150年もなぜ学校教育だけは進歩しないのか。教育こそが未来であると私は考える。日本の教育の遅れが、日本の貧困化につながっていると考えざるを得ない。即効性のある政策に飛びつきたくかもしれないが、先を見据えた行動の取れる権力者はいないものか。