朝日新聞取材班のレビュー一覧
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現在の韓国の問題点を4章構成で伝えてくれます。第1章「少子化」第2章「高齢化」第3章「移民」第4章「ソウル集中」です。
私は第1章の少子化と第4章のソウル集中に特に興味を覚えました。韓国の出生率は0.72と日本の1.20と比べてもかなりの少子化となっています。(5P)
そうであるにもかかわらず、女性は子供を生もうとしません。その理由は育児にお金がかかるからというものです。そして、勤めている女性が妊娠・出産することでキャリアが途絶え、再びキャリアを積むことが難しくなるというものです。
愕然としたセリフがあります。『以前、知人女性から「妊娠した」と報告されたことがある。祝福したものの、「内心「は -
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その日、朝日新聞を広げて1面を見たときは衝撃だった。子どもへの性暴力に関するルポルタージュが大きく掲載され、他の記事よりも先に目に飛び込んできたのだ。だが私の第一印象は「なぜ『今さら』?」だった。そして記事を読み始める前にはこうも思い浮かんだ-「これって昔テレビでやってた『ウイークエンダー』の再現フィルムみたいに、扇情的になるおそれがない?」と。
しかし読み進めれば、取材班キャップの大久保真紀記者の、従来の同種の報道から一歩踏み出そうとする意思はすぐに伝わった。それは記事に一種の“やさしさ”としてにじみ出ていた。新聞記事にはたしか「読んでいてつらくなったら、無理に読まなくてもいいです」という -
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朝日新聞に連載されたルポ。魂の殺人というだけあって何十年も影響があったり新しく家族を形成してもそちらに影響が出るなど深刻。能力のある方が性暴力を受けた事で未来が閉ざされるのは言語道断だろう。
読んでいくと卑劣の見本市になっており陰鬱になるが教師など立場を利用した性暴力は本人達の言い逃れ(本書での加害者は基本的にこのパターンだけど)は醜悪。障害者への性暴力は回復への道を閉ざさせておりご家族の方の話を読むに辛くなる。
被害者が加害者になるケースもあり、加害者になって初めて認知というかケアされるというのも酷い話だ。
自分は高校生の頃全寮制の学校に行っていたが性暴力を何回か目撃している。止められなかっ -
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関西万博が2025年4月13日に開幕した。
開催に向けた動きは約12年前の政治的な出会いから始まったとされる。
その間にさまざまな問題があり、幾度となく頓挫したであろうことは薄々感じてはいた。
これは、朝日新聞取材班のルポであり、その当時の会話や写真なども含まれていて、どんな思いを背負って開幕までに漕ぎ着けたのかがよくわかった。
未読ではあるが『大阪・関西万博「失敗」の本質』の本が出版されていて、ノンフィクション・ライターの松元創さんのインタビューまで掲載されている。
この開催前から失敗と銘打った本の出版も凄いことだが、大阪在住の者としては「失敗」とは言ってほしくはないのである。
第1章 -
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関西万博が開催され、友人や知人も足を伸ばしてみに行くことも増えている。とはいえ、どこかあまり自分ごととして捉えられず、テレビを見ないからか余計に、情熱的に情報を追えていない自分がいることに気がついた。改めて、万博の実態ということで手に取ってみた一冊だが、大規模な国際プロジェクトの予算管理、工程管理の難しさを痛感した。誰が悪い、等を責める論調が多いが、この規模の国際展示を各国と調整しながら成し遂げる上で、完璧に成立することなど到底不可能だろう。鼻から、不測の事態がつきものという前提で取り組むのが健全だとする思ってしまう。現職では総合商社のファイナンスに携わる中で、数千億円規模のEPC契約やIPP
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新聞の記事で連載されているルポをまとめたものなので、紙面で読んだことのある内容もいくつもあったものの、とにかく、ただただ胸が痛い。あまりにも壮絶で苛酷な事実の連続に、仕事柄こういう事例はこれまで何度も見聞きしたことがあって、それなりに耐性があるつもりだった私でさえ苦しくなった。読み終えられないかもしれないとさえ思った。なので少しでも被害経験のある人は、心身に不調をきたすかもしれない。要注意。
支援者として取材されている人物に、複数私の知人がいた。これまで手にした著作の著者や、私自身が受講したセミナーの講師も何人も登場していて、彼らはこれまでと変わらない姿勢で、被害者支援に携わっているのだなあ -
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子どもの頃に性暴力を受けた男女の告白に幾度も涙し、胸が押し潰されそうな気持ちになった。まず、被害者たちの勇気ある告白に畏敬の念を示したい。
彼等のその後の人生は、さまざまだ。被害の記憶に蓋をして忘れ去っていたのに、小さな出来事がきっかけで思い出してしまう人、誰にも言えないまま心に傷を抱えてきた人…。
本書では、被害者たちの話にとどまらず、日本社会の性犯罪に関するデータや、PTSDの具体的な症例、性犯罪にあった子どもが起こしやすい行動など多岐に渡って説明がなされている。私自身、この本で知る知識も多く、性暴力が被害者に与える大きすぎる悪影響について思い知らされた。
加害者側の視点も出てきたのが新鮮 -
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【目次】
はじめに なぜ事件は起こったのか
第1部 事件に至る経緯
第1章 青葉被告の生い立ちから
1.【事件当日】十数分間の逡巡の果てに……
2.【幼少期】親の離婚,そして貧困
3.【高校時代】「お前ならできる」恩師の言葉に背中を押され
4.【高校卒業後】夢追い,東京へ。逮捕,そして派遣生活に
第2章 事件は止められなかったのか
5.【2008年以降】「金字塔」の落選。そしてネタ帳を燃やした
6.【2018年以降】「盗作された」募る不満。支援拒み,深まる孤立
第2部 証言の記録
第3章 青葉被告は何を語ったのか
1.143日間の公判で語ったこと
2.記者との20分間の面 -
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予想以上に自分の中に重たいものが残った。生い立ちこそ違うが、就職氷河期下にキャリアアップに繋がるような就職が出来なかった青葉被告の行動や考え方が自分の当時をなぞるようで悲しくなった。
起こしてしまった事件の大きさに軽々しく減刑をした方がいいなどとは言えないが、青葉被告の罪は自分たちが住んでいる社会がもたらしている自分は、この本を読んでいて感じた。
最近、仕事で統合失調症を発症したことがあり今は薬を飲みながら一緒の職場で働く同僚がいる。他の同僚たちの配慮があるとは言い難い厳しいダメ出しに、心を砕きながら毎日頑張っているがなかなか理解が得られない様子を間近で見てきた。
本書の終盤でも書かれていた -
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戦争前からウクライナに滞在していた記者による、戦争初日から三日目にキーウを脱出するルポを読むと、外からネット経由で見るしかなかった当時の状況を内側から見ることができる。
戦争開始当初はニュースを見たり読んだりしては泣いていた。いまは慣れてしまって、毎回泣いたりはしなくなった。でも侵攻当初の記事を読みながら涙が次々と溢れてくる。
チェルノブイリ原発が侵攻当日に占領されていたことを、この本を読んで今更知った。
「ジェノサイド条約は、国や人種、民族、宗教に基づく集団を破壊する意図による行為を「ジェノサイド」と定義しており、犠牲者の人数は関係ない。ウクライナ系を特定して殺害する行為があった場合、ジ -
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最近、テレビや新聞で「子どもと貧困」についてよく耳にするようになったが、これは、そのテーマについて新聞に掲載された記事をまとめたり、現状を示したもの。
貧困家庭の子どもの思いや、学校の先生、スクールソーシャルワーカー、子ども食堂、児童相談所等の現状や取り組みがリアルに描かれています。
でもこれは一部分の切り取り。
17歳以下の6人に1人が貧困時代。
自分の生活とは全く別世界だと思っていたことが案外身近で起こっていることに、危機感を覚えました。
一見して貧困とは分からない家庭が増えているそう。
思い返せば、小学校の時、夜逃げした親子が何組かいたが、その時はどうしていなくなっちゃったんだろう…と思