東江一紀のレビュー一覧

  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

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    読み応えのあるタフな本だが面白い!
    金融経済の歴史の1ページとして、リーマンショックとは何だったのかという観点で、金融や経済に興味が無い人でも何が起こったのかその概要を説明(それも非常に分かりやすく)している末尾の解説部分だけでも是非とも読んでほしいと思った。

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    2013年08月04日
  • これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義

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    MITの人気教授による物理学講義の書籍化、つまり、サンデル教授の「これから正義の話をしよう」の物理学版といったところ。
    すべてがすべて面白いというわけではないが、力学だけでなく、光学や著者の専門であるX線宇宙観測を含んでいるのは珍しいし、目新しい。個人的には、原子物理学や量子力学を加えてほしかったが、他に良書も多いので、そちらを読めばよいかもしれない。
    様々なウェブサイトのURLが記載されており、そちらで図版や動画により、講義内容のイメージを更に膨らますことができるというのは、現代の物理学講義本らしいというか、アメリカの大学の講義らしい感じがする。英語に不自由しないなら、公開されているMITの

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    2013年06月06日
  • これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義

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    MITの物理学教授が彼の講義をもとに物理学の美しさを伝えるために書いた本。
    前半はニュートン力学や電磁気学といった古典物理の内容で、後半は彼の専門のX線天文学の説明になっている。

    様々な分野が広くカバーされているが、とりわけ虹(光)に対する熱意が伝わってくる。自分が子供になったかのように虹に執着するようすは、とても70歳を超えているとは思えないエネルギーを感じる。この光への情熱がX線天文学(光の分析)へとつながっているのだ。

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    2013年06月01日
  • これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義

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    たまに無性に読みたくなる数学・物理・科学関連。
    マサチューセッツ工科大学の教授でどうやら世界で一番人気のある物理学者の先生の著書です。
    数学・物理学の一般向け書籍ではサイモン・シンの「フェルマーの最終定理」「宇宙創造」が素晴らしいけどルーウィン先生の著書はより専門的でちょっと難しい。でも有名な講義の方法などはとても興味深く私も頭がよくてMITの学生だったらよかったのにと思わせる内容。
    そしてこの翻訳本での語り口調は東野圭吾のガリレオシリーズの天才物理学者の話し方にそっくり。この物理学者然とした喋り方はもちろん福山雅治演じる湯川学のキャラクター作りでも重要な点だけどこの業界では一般的なものなのか

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    2013年04月24日
  • これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義

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    第一線の科学者であり、優れた教育者でもある著者の授業を受けられるMITの学生は幸せだ。

    本書も授業内容を髣髴とさせるもので、トピック、内容、語り口それぞれとても魅力的。
    高校生以上向きのこの手の本としては、一押しだろう。

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    2013年04月05日
  • これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義

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    実践することにより物理学の理解が深まり、学生により興味を持ってもらおうとする姿勢に感服します。しかもiTunesUで公開されているルーウィン教授の授業動画を観ると楽しさが倍増します。

    この本は電子書籍にもなっているんですね。電子書籍の方では、文中に紹介されている動画のURLにダイレクトに飛べたりするんでしょうか?
    願わくば、電子書籍の特性を活かして、動画を埋め込んであって欲しいと思います。

    教育における動画の活用(e-learning)は現場ではかなり進んでいますので、権利等の問題で書籍のマルチメディア化が遅れているとすると残念です。
    「百聞は一見にしかず」さらに言うならば「百見は一体験に

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    2013年03月04日
  • これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義

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    ネタバレ

    インターネットに配信されるMITの物理講義でも有名になっているMITルーウィン教授が物理学について重力、電磁気力からX線天文学までを解説する。
    ポイントは理論を教えるのではなく、物理の目的やそれが意味する面白さを実際の現象や教室での身体をはった実験で教えてくれることです。
    ある意味でんじろう先生の授業に通じるものがあります。
    残念だったのは文字で説明するのが主体で、図が少なく説明についていけないところが多々あったこと。この本にもっと言葉で説明していることを丁寧に図示してくれると言うことないのですが、そこが玉に瑕でした。

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    2013年02月11日
  • これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義

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    ネタバレ

    マサチューセッツ工科大の教授であるウォルター・ルーウィンの一般向けに書かれた物理の解説本です。本書での強烈な言葉が物理がわかれば世界の見え方が変るという著者の主張です。

    僕にとって印象的なのは、第5講の虹に関する部分です。虹の発生するメカニズムを知れば、虹が出そうな気象条件のときに水平方向のどの方向に、垂直方向のどの角度を探せばよいかがわかります。キーワードは42度。さらに、不思議な虹、たとえば二重の虹(色のグラデーションが反対になる!)や飛行機から見られる丸い虹、白い虹が紹介されてそのメカニズムを理解することができます。

    このように、この本の特徴は、身近なところから攻めるというところです

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    2013年02月10日
  • フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

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    HFT業者の熾烈な争いが描かれている。東証にアローヘッドが導入されて板読みによるデイトレが事実上消滅したと聞いたが、これを読むととても人間が勝てる相手でないことがわかった。

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    2025年03月02日
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

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    投資の世界を小説で勉強しようと思い読んだ。でもサブプライムのCDOのCDSという特殊分野で一般的な勉強にはならず。1回目は流れを追うだけだったが、すぐ2回目読んだら結構コンパクトでわかりやすかったことに気付いた。描き方も巧みで「もう一度言ってもらえますか」(p252)や「ゼロ!」(p272)など劇的で良い。東江一紀の翻訳が自然でさすがというのもある。普通に良くできた小説。
    でもこれが作り話でなく2007年に実際に起きたことというのは笑えない。著者は金融危機の源を1981年にソロモン・ブラザーズが合資会社からウォール街初の上場企業に転じ財務上のリスクを株主に転嫁したこと、つまり投資銀行側の問題と

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    2024年09月17日
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

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    CDOを取引するために努力した人たちの話や、AIGがリスクを負っているため証券会社は悠々と取引を売っていた話、何億ドルの取引をしても全然動かない取引値といった個別の内容は面白かったが、詳細な内容は書かれていないし、全体的にわくわくする部分が少なめ。それでも読ませてしまうのは原作者と翻訳者の腕な感じがします。
    当時の雰囲気を知るために読むような本。

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    2024年03月20日
  • フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

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    高頻度取引(HFT)業者の実態をHFTが表面化した頃に書いており、時代を先取り(HFTからしたら遅いと思うが)した内容と著者のストーリー性に惹かれて一気に読み終わった。
    では、どうすればいいのか?までは書かれていないが、数兆円が日々取引される取引所の実態をここまで明確に書いた本は投資知識として読むべき1冊になると思う。

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    2023年12月19日
  • 指差す標識の事例 上

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    4章からなるうちの2章までが上巻。1章は医学の描写がキツくて読みにくく、2章は語り手のキャラクターが独りよがりで受け付けない。3章と4章が気になるところだけど、いつかまたゆっくりと読み直すことにして、上巻で終了。
    表紙のデザインは素晴らしい。

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    2023年01月12日
  • 指差す標識の事例 下

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    なかなか読み応えはあった ただ薔薇の名前とかもそうだけど、結構ディープなキリスト教世界の話が主要部分にあるので、僕のような門外漢には、その辺りがちょっとピンとこないかな
    特に英国国教会とローマン・カソリックの確執とかさ、わからんよね
    まあ全体としては良かったけどね
    関係ないけど統一教会はキリスト教の系譜?から外されてるらしいね
    まあそうだろうな

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    2022年09月14日
  • 垂直の戦場【完全版】(下)

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    ジョゼフ・ガーバー『垂直の戦場【完全版】(下)』扶桑社ミステリー。

    1996年に邦訳されて刊行されたサスペンス小説が削除原稿を復元した完全版として再刊。

    全くの評判倒れの上に期待外れ。主人公が派手なアクションを繰り広げるかと思えば、躊躇したり、自身の心の声と会話したり、知らぬ間に凄いことをやっていたりと、かなりのトンデモ作品。

    センテレックス社執行副社長のデイヴ・エリオットがオフィスのある高層ビルで社長のバーニーに銃を向けられたかと思えば、謎の集団に襲われ、友人にも同僚にも妻にも裏切られ、一体何が起きているのかという物語。

    そこには、荒唐無稽、あり得ない理由が……

    定価990円
    ★★

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    2022年08月09日
  • 垂直の戦場【完全版】(上)

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    ジョゼフ・ガーバー『垂直の戦場【完全版】(上)』扶桑社ミステリー。

    1996年に邦訳されて刊行されたサスペンス小説が削除原稿を復元した完全版として再刊。

    全くの評判倒れ。さすがに時代を感じる描写とストーリー。展開が遅く、主人公のベトナム戦争時代の過去の挿話がストーリーを読み取り難くしている。

    センテレックス社執行副社長のデイヴ・エリオットが何時ものように出社し、ニューヨークの高層ビルにあるオフィスに入ると、社長のバーニーがデイヴに本気で銃を向ける。バーニーの攻撃をかわし、逃亡したデイヴを謎の男たちが襲撃する。友人の弁護士や妻までが謎の男たちの味方をし、孤立無援となるデイヴ……

    定価99

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    2022年08月08日
  • 指差す標識の事例 上

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    何かよくわからんまま読み進める。不勉強で時代背景もよくわからぬまま。それにしても皆言い負かすことしか考えていないし、性格悪そうー。

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    2022年04月27日
  • 指差す標識の事例 下

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    やっと読み終わった。。読み終えるのに読者にかなりの忍耐力を要することになる、と作者が言っていたそうだが正に。「月長石」が類似作に挙げられてるけど、月長石はこういう忍耐は要らなかったな。

    イギリスの歴史や宗教宗派に馴染みがないことも理由かも知れないが、それだけではない。最初の語り手コーラはいいとして、2人目と3人目がまあ何というか好きになれない。何で誰も彼も引っ叩く。。。耐えて読み進め(謎は気になる特にコーラが)、それを乗り越えた先にウッドが居てくれてよかったが、何しろ疲れ切っててちゃんと読めない。ウッドごめんよ。ザーッと読み飛ばして、終わってから読み直しました。

    最後まで意味わからないジョ

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    2022年02月03日
  • 指差す標識の事例 上

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    帯に、「薔薇の名前xアガサ・クリスティ」とあって手にしたのだが、今のところ両者の印象となるようなことはイギリスとイタリアくらい、あるいは殺人と聖職者というくらいか。
    どちらかといえばウィルキー・コリンズの白衣の女とか月長石、バジル、なんかを思い出させる。
    さて、後半はいかに。

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    2021年11月24日
  • 指差す標識の事例 下

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    ネタバレ

    1663年、クロムウェルによる護国卿政後の王政復古時のイングランド、オックスフォードで大学教師が殺害された。その殺害に関する手記が綴られる。

    まず初めにヴェネツィア人医学生の手記が提示され、それに対する反論に近いものが第2(性格の悪い苦学生)、第3(教授であり偏屈な暗号解読者)、第4(歴史学者)の手記が出されていく。

    面白いのは各手記によって翻訳者が変わること。これにより手記それぞれに翻訳された文体がガラッと変わる。

    個人的にはミステリー部分よりも当時の社会風俗を楽しみながら読んだ。医術に占星術を絡めたり、ヴェネツィア人にとって味もマナーも最悪なイギリスの食事、土地の所有と相続の問題、権

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    2021年06月27日