東江一紀のレビュー一覧

  • 指差す標識の事例 下

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    歴史の転換期に立ったイングランドを舞台に、多数の実在の人物を壮大なフィクションの世界に引きずり込んで繰り広げられる謀略の物語。上巻で積み上げられた謎を下巻で解き明かしていく構成で、正直、上巻はかなり忍耐力が必要でした。

    書物と宗教的背景が絡んでくるためウンベルト・エーコ『薔薇の名前』が引き合いに出されていますし、「犯人探し」の体裁を取ってもいますのでクリスティも言及されています。が、おそらく読書子各位はそれが作品を皮相的に捉えただけの惹句であろうことを、早々に見抜いた上で読み進められたことと思います。

    そういう意味では、クリスティもエーコも「レッド・ヘリング」だったと言えるかも知れませんね

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    2025年11月24日
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

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    リーマンショックを理解する上で、これほどとっかかりやすい本はない気がする。小説なのでコーンウォールキャピタルなどで一部脚色はあるが(続 マーケットの魔術師に本人インタビューがある)、とにかく読みやすい。これを読んでなかったら、CDSとか全くわからんかったと思う。

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    2025年03月01日
  • これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義

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    2024年10月2日、Yahooフリマで大学名のスウェット探してて、米国大学院ランキングをググッたら1位だったので「マサチューセッツ」で検索したらこの本が出てきた。

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    2024年10月09日
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

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    映画を先に見ていたので、話が理解しやすかった
    事実は小説よりも奇なり...!
    ビル・ミラーとアイズマンが話すシーンとか、そんな出来すぎたことが起こるかねっていう気持ちになった

    マイケル・バーリが気の毒すぎた、懸命すぎた余りに非難されるなんて、現代の魔女狩りじゃんね

    金融業ってひっどいなあと思ってしまった、、、

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    2024年03月14日
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

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    マイケル・ルイスの本、はじめて手に取りましたが、予想をはるかに超えて面白かったです。2008年に引き起こされる世界金融危機の発端となるサブプライム・モーゲージ債。これが貸し手の金融機関と借り手(所得の低い米国人)の間だけでしたらここまで被害は大きくならなかったのでしょうか、いわゆる投資銀行と呼ばれる連中が、錬金術をはじめるわけです。しかもタチが悪いのが、錬金術をはじめた投資銀行のトップが、事態を全く理解しておらず、S&Pなどの格付け機関もその金融商品(CDSやCDO)について理解していないのです。

    本書では、この錬金術に気づいた極めて少数派の人々が、その人物像も含めて丁寧に描かれてお

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    2023年05月04日
  • 指差す標識の事例 下

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    ネタバレ

    下巻は暗号解読の達人である幾何学教授の手記から始まる。
    上巻は、まずヴェネツィア人の医学生であるコーラの手記から始まったのだが、真面目でお人好しの好青年と思われた彼の姿は、ふたり目の法学生プレストコットの手記によって、いささか様相が変わってくる。
    重大な事柄の記述漏れ、明らかな噓。
    コーラはなぜ、ロンドンではなくオックスフォードにやってきたのか。

    しかしプレストコットの手記も変だ。
    尊敬する父の汚名を返上するための彼の行動は、どう見ても常軌を逸してきている。
    ヒステリックなその行動を、彼は、さらに魔法をかけられたからだと思い、その魔法から逃れるために、サラを無実の罪に陥れ、死刑へと向かわせる

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    2023年04月07日
  • 指差す標識の事例 下

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    各章の語り手のミソジニーとパターナリズムに辟易しながらも、語り口と構成に乗せられて一気に上下二巻を読み通してしまいました。
    読後感も程よく、面白かった!

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    2022年05月08日
  • これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義

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    マサチューセッツ工科大学のルーウィン教授の物理学の講座を収録したもの。1章 物理学を学ぶことの特権 2章 物理学は測定できなければならない。 3章 息を呑むほど美しいニュートンの法則 4章 人間はどこまで深く潜ることができるのか 5章 虹の彼方に 6章 ビックバンはどんな音がしたのか 7章 電気の奇跡 8章 磁力のミステリー 9章 エネルギー保存の法則 10章 まったく新しい天文学の誕生 11章 気球で宇宙からのX線をとらえる 12章 中性子星から部落ホールへ 13天空の舞踏 14章 謎のX線爆発 最終章 世界が違って見えてくる

    物理を理解しているのとそうではないのでは世の中の見え方が根本的

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    2021年10月18日
  • フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

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    さすがマイケルルイス。「ようわからん話」になりそうなテーマを活劇のような面白さに仕立てている。群像劇のようで実質的な主人公はリーグテーブルでは下位のカナダの銀行に勤める日系人のBrad Katsuyama。彼が仲間とともに投資銀行コミュニティと大手証券取引所が作り上げたボッタクリシステムをぶち壊すために、フェアで新たな証券取引所であるIEXを作るまでの実話。

    同じ金融機関でも、ニューヨークの投資銀行と田舎の運用会社では全く異なる生態系の生き物といって良いことが描写されていて興味深い。

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    2021年07月12日
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

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    GFCの爆心地がどこだったのか、なぜあそこまでの金融危機となり得たのか、世間に逆行して住宅市場をショートできた賢人たちがどのようにその決断に至ったのか…
    それらが非常にわかりやすく、かつ飽きずに読み続けられる良書だと思います。

    市場が間違っていて自分は正しいと確信できるだけの分析力と、莫大なショートポジションを維持したその胆力は想像を絶するものがありました。

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    2021年06月26日
  • 指差す標識の事例 下

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    長い。
    ちょっとした知識どころか、相当念入りに勉強してから挑んだほうがいい。
    下巻最後の人物解説、年表、訳者解説を最初に読んだ方が楽しめるような気もしました。
    かなり読み手を選ぶとは思うけど、個人的にはがんばって読んでよかったかなって感じでした。
    歴史、宗教絡みのネタに微塵も興味を感じない人には全くおすすめできないし、おもしろくないと思います。

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    2021年02月10日
  • 指差す標識の事例 下

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    第三の手記は幾何学教授ウォリス、最後は歴史学者アントニー・ウッド。
    四部それぞれ翻訳者が違うという趣向がまた面白い。「信用できない語り手」、楽しいなあ。

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    2020年11月28日
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

    購入済み

    錬金術に気づいた極めて少数派の人々が、その人物像も含めて丁寧に描かれており、とても興味深く読みました。また複雑な金融商品についても、素人にもわかりやすい説明がされているので、すらすら読めました。

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    2020年09月25日
  • 指差す標識の事例 下

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    ネタバレ

    深いですね~側面どころか、縦・横・斜め・あげくは斜め下から読まなくてはならない本だったなんて・・・。
    4人の手記の形をとっていても政変ありスパイもどきも出没。そしてまさかのキュン話にまで行き先を変えながらもミステリーの形を保ち、謎は深まるばかり。
    『薔薇の名前』を称している通り、時間をおいてまた手に取ってみたいカモ。

    自分のなかの最大の??だった東江先生の謎もあとがきでスッキリ。

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    2020年09月20日
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

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    銀行員3、4年目の時に上司におすすめしてもらい読みました。この本を読んでいない先輩よりは「リーマン・ショック」「空売り」「CDS」「サブプライムローン」と言った用語についても自分の言葉で話せるようになったと思います。

    リーマン・ショックについてほとんど無知の状態で手に取りましたが、ストーリーが面白く、手に汗握りながら、ワクワクしながら一気に読み進めました。
    知ってるようで知らない「リーマン・ショック」についてキャッチアップ出来ます。

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    2020年04月29日
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

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    モーゲージ債: ローンをかき集めて証券化したもの.リスクとリターンを階層別に切り分ける
    サブプライム:劣位

    誰かの人間の資産は誰かの人間の負債→モーゲージ債はこの負債をこねくり回して証券化 流動性が高まり効率性が生まれ負債を抱える側も低金利でローンを借りられるようになるという一見するといい話

    →経済の発展って「貸し借りの発展」なんだな


    主人公のアイズマンは裏表がなく,ある意味”空気が読めない”ところがあるけど
    他人に流されず,自分で考える力を持っているとも言える

    金を貸す銀行側が正常な判断ができなくなることはある 少し前だったらスルガ銀行がいい例.返済能力が行き詰まる融資を見つけたら

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    2020年03月17日
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

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    ・安倍政権は1000兆円にもなる国家債務を返す当てもないまま、さらに国債を発行し、大規模な公共事業を約束している。日本国政府はまるで借金が膨張していくことを気にも止めていないようだ。それにも拘らず、日本国債の値段は下がっていない。日本の銀行が、他に融資先がないので買い続けているからだ。しかし、こんなことが永遠に続かないのは明らかだ。いつか破綻するのだが、問題は、それが「いつか」ということだけである。アメリカの不動産バブルの崩壊を予測し、CDOをCDSで空売りして大儲けしたヘッジファンドのいくつかが、今度は日本国債に狙いを定めはじめているようだ

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    2018年11月04日
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

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    去年だったか海外出張の際に機内で途中まで観た『マネー・ショート』の原作。著者は『マネー・ボール』のマイケル・ルイス。サブプライムの証券化の胡散臭さにいち早く気付き、その破綻に賭けた3人(3グループ)の勝ち組を追ったノンフィクション。「勝ち組」とはいえ、それぞれが訳ありな生い立ちを歩み、その人生観を反映してか、投資銀行、金融市場、格付け機関に対する不信感や疑念が彼らの行動の原動力になっており、市場や投資銀行の破綻が実現しても暗い影を落としており、金融市場に対する鋭い問題提起となっています。およそ10年前の話であり、私もリーマン・ショックの煽りで転職活動が苦戦したので、色々と思い入れを持って読み進

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    2017年05月03日
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

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    信用の低いローン・債券を書きあつめてさらに合成したらデフォルト率が低くなる訳ねーわな。
    でもこの手のビジネスプランや事業計画や見込みの立て方って結構あるよね。

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    2016年04月24日
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

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    正直、CDSなどの仕組みについては、さっぱりわからないまま読み終えた。著者が巻末のエッセイで、自分の母親を念頭に、と書いているけど、ざんねんながら、お母さんも一度読んだだけではわからないだろう。でも、それでも読み続けると思う。それはやっぱりノンフィクション作家としてのマイケル・ルイスの腕、というか、あふれんばかりの才能というか。人物の描き方、時代の空気。仕組みがわからなくてもそのざわざわした……でも表面的には何一つ変わることのない、異様な景色が伝わってくる。
    東江一紀氏の翻訳も秀逸。
    「リップマンという人物をできるだけ当たり障りなく評するとすれば、“当たり障りだらけの男”ということになるだろう

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    2016年03月24日