あらすじ
授業をネットで無料公開しているマサチューセッツ工科大学。世界中で大人気なのが、ルーウィン教授の物理学入門講義。教室に鉄球の振り子を下げ、反対側のガラスを粉々に砕き、返ってくる鉄球が、教授の顔面を粉々に砕く寸前で止まる様を見せて、エネルギー保存の法則を伝える、など、物理学の美しい法則を身近な事象で体をはって説明をしていく。虹はなぜ、あのような色の順番なのか? ビッグバンはどんな音がしたのか? NHKでも放映され、世界中で人気の授業を完全書籍化。
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Posted by ブクログ
2024年10月2日、Yahooフリマで大学名のスウェット探してて、米国大学院ランキングをググッたら1位だったので「マサチューセッツ」で検索したらこの本が出てきた。
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マサチューセッツ工科大学のルーウィン教授の物理学の講座を収録したもの。1章 物理学を学ぶことの特権 2章 物理学は測定できなければならない。 3章 息を呑むほど美しいニュートンの法則 4章 人間はどこまで深く潜ることができるのか 5章 虹の彼方に 6章 ビックバンはどんな音がしたのか 7章 電気の奇跡 8章 磁力のミステリー 9章 エネルギー保存の法則 10章 まったく新しい天文学の誕生 11章 気球で宇宙からのX線をとらえる 12章 中性子星から部落ホールへ 13天空の舞踏 14章 謎のX線爆発 最終章 世界が違って見えてくる
物理を理解しているのとそうではないのでは世の中の見え方が根本的に違ってくる。
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NHKの白熱教室を視聴した方が先の人間です。
そこからこの人面白い!と本書を読んだ他 iTunes U で動画視聴もしました。本に書かれていることはテレビで言っていたことほぼそのまま(元ネタだから当たり前か)、本よりも動画で彼が動いているのをぜひ見てほしいです。本があれば勉強はできるけど、講義でしかできないことを彼はやっているのではないでしょうか。内容としては日本だと中学~高校くらいだと思うので、こんな授業が日本の学校で行われれば良いのに!と思っています。
おかげさまで、お天気雨のときに誰よりも早く虹を見つけられるようになった気がします(笑)。学校の水道でも虹を作って遊びましたよ。
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楽しかった!
まだ第一回しか観ていなかった「白熱教室」の録画をフォルダごと夫に消されてしまい、仕方なくこの本を読みましたが、結果的には大正解。テレビでは触れていなかったであろうルーウィン先生の生い立ちや芸術への情熱なども含め、本当に興味深く、終始惹きつけられて読みました。
虹の話、音の話、宇宙の話。どれもロマンに満ちています。おすすめです。
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推薦理由:
本書は、マサチューセッツ工科大学物理学入門講座のウォルター・ルーウィン教授の講義を書籍化したものである。我々の日常生活から宇宙の彼方まで、様々な事象を物理学の理論で鮮やかに説明していくルーウィン教授の講義は美しく感動的で、原書のタイトル『FOR THE LOVE OF PHYSICS』の通り、物理学への愛が伝わってくる。紹介されている多くの実験が大変面白く、ウェブサイトで公開され世界中で人気がある。本書で物理学の楽しさに触れて欲しい。
内容の紹介、感想など:
物理学とは複雑な数式の集合のように思える。しかも、あのマサチューセッツ工科大学の物理学の講義なら、厳しい顔をした物理学者が、常人には理解不可能な数式と専門用語を並べ立てて、日常生活とは無縁に思える難しい事を述べているに違いない。そんなイメージを吹き飛ばすのが本書に書かれているウォルター・ルーウィン教授の講義だ。
ニュートンの法則の講義では、エレベーターの中で体重計に乗るという分かり易い例から宇宙船の中で宇宙飛行士が浮遊する無重力状態は自由落下状態なのだと説明し、圧力の講義ではストローで飲み物を吸い上げる仕組みや、シュノーケルを使って潜れる水深の限界などを解説して日頃注意も払わなかった重力や空気圧がこれらの日常的な事象に様々な影響を及ぼしている事に気付かせる。
特に彼の講義を魅力的なものにしているのは実験だ。ワイングラスの固有振動数の音をスピーカーから出してワイングラスを粉々に割って見せたり、自分の体を帯電させて蛍光管を発光させたり、エネルギー保存の法則を証明するために、15kgの鉄球の軌道上に自分の頭部を置くという命がけの事までする。このような実験を見せながらその結果を導く物理学の理論を説明していくのだから、面白くないはずがない。振り子の周期がおもりの重さにかかわりなく一定であることを証明する実験では、何と学生の前で天井から吊り下げられた振り子のおもりに乗って揺れてみせるのだ。本書の見返し部分にこの写真が載っている。
ルーウィン教授の講義からは、物理学に対する限りない愛と、それを学生に伝えようとする情熱が感じられる。理科系であろうとなかろうと、全ての人が興味を持たずにいられないルーウィン教授の講義を本書で体験して欲しい。
本書に載っているルーウィン教授の講義や数々の実験の多くをウェブサイトで観ることができる。URLが記載されているので、大物理学者が天井からぶら下がって揺れている様子を観てみよう。
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物理を知ってしまうと世界ががらりと違って見える。その楽しさを存分に伝えてくれる快著。
青空や夕焼けはなぜあのような色なのか?虹ができる仕組みは?といった身近な物理のほかに,力学,電磁気学,量子論といった物理の基本も楽しく紹介。自身の専門のX線天文学のあゆみについても語ってくれる。気球やX線観測衛星による研究ネタは一見あまり一般受けしなさそうだが,まったくそんなことはなく,実に興味深かった。
冒頭の自伝部分も読ませる。ナチス支配下のオランダでの生活,強制収容所での祖父母の死,フォン・ブラウンの活躍に対する複雑な心境,映画『ライフ・イズ・ビューティフル』への反感…。教授の人生が詰まった一冊。
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物理の面白さを実験中心に分かりやすく書かれている。特にX線天文学、中性子星、ブラックホールh集中して記されている。レイリー散乱、虹、ひも理論、プラズマ、Maxwell方程式、渦電流、赤方偏移は実生活にも即したものだ。今一度思い出していきたい。
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MITで物理学を主専攻していない学生向けに行われている物理学講義を書物化してくれた一冊。
物理学を主専攻していない学生向けとありますが、(大学で物理を勉強していた自分の感想だと)高校時代物理が好きだった/得意だったか大学で物理を勉強していたとかでないと本書の面白さを理解するのはちょっと難しいかなと思いました。
(また、じっくり理解しながら読み進めるのに結構時間がかかりました。)
あらためて物理は面白く、知れば知るほど思考力の幅が広がりそこから新しい何かを生み出せそうな気もするので、人生の最後まで少し地道に勉強していこうと思った一冊でした!
Posted by ブクログ
MITの一般教養の物理をやっている先生による本。講義の様子は動画で公開もされている。前半はその授業の内容に準じている様子で、後半戦は専門のX線天文学についてその歴史を自分の体験で語る。後半はちょっと難しいといえば難しい。
ヒッグス粒子のノーベル賞のとき、理論物理学者と実験物理学者のどちらに賞が送られるべきか(実際は「理論」のほうだった)議論されているのを見かけたが、著者は実験物理学者。だからか身近な現象に根ざした(虹とか)話が多くて素人にもしたしみやすい。とにかく測定の精度の大事さを強調するところもさすが。「ここでわたしが、天体物理学の理論の大多数はいずれ誤りであることが判明するなどと断言しても、同業の理論家たちの機嫌を損ねる心配はないだろう。そんなわけで、わたしを含めた観測天体物理学者の多くは、大半の理論にあまり注意を払わない。」
・年周視差により数千光年までの恒星との距離を測ることができる。太陽に最も近いプロキシマ・ケンタウリ(4.3光年)の年周視差は0.76秒角。10セント貨を3.5kmはなれたところに置くと1秒角。月を1800枚にスライスしたのも1秒角。天文学には精密な観測が必要になる由。
・ケフェイド変光星は光学的輝度と変光周期に相関がある。これを利用して1億光年までの距離を測ることができる。
・17世紀半ばに気圧計を作ったのがトリチェリ。密度の高い液体ほどコンパクトに作れるので、水の13.6倍の密度を持つ水銀を使った。長さ1mのガラス管に水銀を注ぎ、管の口を指でふさいでひっくり返してから水銀を満たした深皿に入れて指を離した。水銀がいくらか流れ出したが76cmの高さの水銀柱ができた(気圧の変動により上下する)。管の上部にできた空間は、実験室でもっとも初期に作られた真空のひとつとなった。
・飛行機を飛ばす力。ボーイング747を例にすると、揚力の80%以上が反作用揚力(翼の下を流れる空気が下向きに押されることによる)、20%未満がベルヌーイの揚力(翼の上下の気圧差)。→なんかこの説は間違いらしい。よくわからん。
・虹を見つけるコツ。太陽に背を向け、自分の頭の影を見つけ、自分とそこを結ぶ線から全方向に42度離れた位置に注目する。また、虹の内側(青い側)の空は明るいが、外側(赤い側)の空は暗い。光の屈折の性質による。
・水滴の代わりにガラスでも虹を作れる。黒い厚紙、スプレー式透明接着剤、球状で無色透明のガラスビーズ(直径0.15から0.25mm)を使う。
・深宇宙さえも完全な真空ではない。地球上でつくりうるどんな真空よりも完全な真空に近いが、プラズマと呼ばれるイオン化した気体がおもに存在する。
・ワイングラスなどの共鳴。どこかから余分なエネルギーをもらえるお得なシステムのようにも見えるが、実際はその固有振動数において投じられたエネルギーを最も有効に活用しているだけ。
・長い縄跳びをじゅうぶんに速くまわすと、縄がふたつをの弧を描く。中央に動かない1点(節)ができる。縄が二次固有振動数で振動し始めたのだ。振動するものはすべて複数の固有振動数を持っている(三次以上もある)。楽器の弦は同時に複数の固有振動数で振動して倍音を出す。
・物質の中には正電荷を引き寄せるものと、正電荷を手放して負の電荷を引き寄せるものとがある。それら相反する物質同士をこすり合わせるとそれぞれ逆の電荷を帯びる。それを表に並べたのが帯電列。
・この地球上でわたしたちと関係のある原子・分子のほとんどは電気的に中性。室温の純水であれば1,000万個の分子のうちイオン化しているのは1個だけ。
・ボルトとは電位の単位である。例えばアメリカのコンセントのふたつの穴の電位差は120ボルト。電場の強さはボルト毎メートルであらわす。
・平均的な雷が放出するエネルギーを電力に換算すると1兆ワット。しかいs数十マイクロ秒しか続かないので、1回の落雷の総エネルギーは100ワット電球1か月分くらい。
・高周波の電流は導体の外側を流れる(表皮効果)。雷の時、車のなかが安全な理由はこれ。ただ最近はグラスファイバー製の部品が増えているので危ないかも。
・ヒトは100ジュール/秒の赤外線を発している。100ワット電球と同程度。
・蟹星雲(牡牛座X-1)は1054年に観測された超新星爆発の残骸で6,000光年離れている。1000年後の今でもX線を放出しながら天文ショーが続いている。
・中性子星は高速で自転する。フィギュアスケート選手がスピンする時、伸ばした腕を体に引き寄せるとスピンの速度が増すのと同じ理屈(角運動量の保存)で恒星時代の自転が加速する。蟹星雲の中性子星は30回転/秒で、これまで観測された最高のものは716回/秒。おおくの中性子星は磁極から電波ビームを発するが、磁極と自転軸にずれがあるため、観測する側としては間歇的にビームが出ているように見える。単独パルサー。
・われわれの見ている星の1/3が連星である。一方の星は軌道の半分で地球に近づき、残りでは遠ざかる。もう一方は逆の動きをする。それぞれのスペクトルに赤方偏移と青方偏移の吸収線がそれぞれ見られる。それで連星系だとわかる。
・惑星の公転周期は17世紀になる前ずっとから高い精度で知られていた。太陽と惑星の距離も高い精度で知られていたが、あくまで相対的な尺度(例:金星と太陽の平均距離が地球の72.4%)でだった。→天地明察
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X線天文学者がMITで一般学生に物理学を講義した内容を本にまとめたもの。物理専攻でない一般学生に物理ってこんなに面白い!という記憶を持ってもらうように工夫した講義。学生をびっくりさせる実験をしたりして、紙の上でも面白かったので、実際の講義はとても楽しかったのではないかと思う。
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若干、期待外れでした。
理系で、ある程度、物理の知識がある人は、当たり前すぎて、つまらない部分、物足りない部分が多いかも。
扱っている現象のレベル(難易度)のばらつきが大きい点も、ちょっと気になりました。
とはいえ、「そこまでやるか」的な実験への取り組みについては、読んでいて面白かったです。
YOUTUBEにも、いろいろ講義の様子をアップしているようなので、そちらも見てみようと思います。
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NHKで放映された「MIT白熱教室」の元となった本。高校で学ぶ物理学だけで、いかに幅広い自然現象の仕組みを理解・記述できるのか、という事を数式を用いずに、また非常に分かりやすい例を用いて解説します。
1章から9章までは力学や電磁気学、波の性質などを身近な現象を切り口に扱います。「人間はどれくらいの長さのストローからジュースを吸い上げる事ができるだろう」、「雷はなぜ大きな音がするのだろう」、「楽器の音はなぜ高低の調整ができるのだろう」、「飛行機ははなぜ飛べるのだろう」などなど、きっかけとなる疑問は非常にシンプルです。
10章から14章は著者の専門であるX線天文学の歴史とその最先端の解説です。こちらはちょっと難解でした。
本書の前半部分(1章~9章)こそが、本書の最大の読みどころと感じました。高校生が物理学を授業で学ぶにあたり、是非読んでみてはどうかと感じます。「物理=難解でハードル高い」という思い込みをしている人達を少しでも減らせることができるかも。
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テレビでやっていた、MITの物理基礎講座の書籍版。さらに、教授の専門であるX線天文学の話や、物理を教えるということについての章が付加されている。本書でも述べられているように、物理を学ぶことで、モノのリクツが解ることはとても楽しい。
子供たちも、今は理科が好きと言っているが、現在は単発的な雑学の寄せ集めに過ぎない。物事を系統だてて理解し、自分で考えるように導くことはできるのだろうか?
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タイトルの通り物理が実用的にかつ体系的に学べます。
初学者から物理をかじった人までこの本は基礎を日常にあるもので説明をするので、読み終えた後に何気なく散歩したら物理的な発見が沢山あると思いますのできっと楽しみが増えると思います。
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NHKでも放送されていたMITの名物教授、ルーウィン教授の本。TV放送を見ていましたが、それが良かったので本でもじっくり読んでみたくて購入しました。もちろん、ルーウィン教授の授業は動画でみるべきですが、その後に本をゆっくりと読むのも良いものでした。
本書では序章にユダヤ人であった父の思い出が載っている点が印象的でした。すごく陽性に見えるルーウィン教授にこうした暗い過去があるのが意外でした。特に、ユダヤ人である父が徐々に行動を規制され、公園に入れないようになり、墓地くらいしか入れなくなったため、”わたしは今でも、父と近くの墓地をよく散歩していたことを思い出す。”というのがせつない。
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MITの人気教授による物理学講義の書籍化、つまり、サンデル教授の「これから正義の話をしよう」の物理学版といったところ。
すべてがすべて面白いというわけではないが、力学だけでなく、光学や著者の専門であるX線宇宙観測を含んでいるのは珍しいし、目新しい。個人的には、原子物理学や量子力学を加えてほしかったが、他に良書も多いので、そちらを読めばよいかもしれない。
様々なウェブサイトのURLが記載されており、そちらで図版や動画により、講義内容のイメージを更に膨らますことができるというのは、現代の物理学講義本らしいというか、アメリカの大学の講義らしい感じがする。英語に不自由しないなら、公開されているMITの講義の動画を見たら、もっと楽しめるのではないかと思う。
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MITの物理学教授が彼の講義をもとに物理学の美しさを伝えるために書いた本。
前半はニュートン力学や電磁気学といった古典物理の内容で、後半は彼の専門のX線天文学の説明になっている。
様々な分野が広くカバーされているが、とりわけ虹(光)に対する熱意が伝わってくる。自分が子供になったかのように虹に執着するようすは、とても70歳を超えているとは思えないエネルギーを感じる。この光への情熱がX線天文学(光の分析)へとつながっているのだ。
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たまに無性に読みたくなる数学・物理・科学関連。
マサチューセッツ工科大学の教授でどうやら世界で一番人気のある物理学者の先生の著書です。
数学・物理学の一般向け書籍ではサイモン・シンの「フェルマーの最終定理」「宇宙創造」が素晴らしいけどルーウィン先生の著書はより専門的でちょっと難しい。でも有名な講義の方法などはとても興味深く私も頭がよくてMITの学生だったらよかったのにと思わせる内容。
そしてこの翻訳本での語り口調は東野圭吾のガリレオシリーズの天才物理学者の話し方にそっくり。この物理学者然とした喋り方はもちろん福山雅治演じる湯川学のキャラクター作りでも重要な点だけどこの業界では一般的なものなのか、それとも東野圭吾の創作か、はたまたルーウィン先生がオリジナルなのか。そんなところが一番気になった(笑)
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第一線の科学者であり、優れた教育者でもある著者の授業を受けられるMITの学生は幸せだ。
本書も授業内容を髣髴とさせるもので、トピック、内容、語り口それぞれとても魅力的。
高校生以上向きのこの手の本としては、一押しだろう。
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実践することにより物理学の理解が深まり、学生により興味を持ってもらおうとする姿勢に感服します。しかもiTunesUで公開されているルーウィン教授の授業動画を観ると楽しさが倍増します。
この本は電子書籍にもなっているんですね。電子書籍の方では、文中に紹介されている動画のURLにダイレクトに飛べたりするんでしょうか?
願わくば、電子書籍の特性を活かして、動画を埋め込んであって欲しいと思います。
教育における動画の活用(e-learning)は現場ではかなり進んでいますので、権利等の問題で書籍のマルチメディア化が遅れているとすると残念です。
「百聞は一見にしかず」さらに言うならば「百見は一体験にしかず」かも知れません。これば物理学の教育に限らず、歴史、地理などにも当てはまる事だと思います。
本書は物理学をモチーフにしていますが、教育のあり方がテーマである側面も持っていると思います。
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インターネットに配信されるMITの物理講義でも有名になっているMITルーウィン教授が物理学について重力、電磁気力からX線天文学までを解説する。
ポイントは理論を教えるのではなく、物理の目的やそれが意味する面白さを実際の現象や教室での身体をはった実験で教えてくれることです。
ある意味でんじろう先生の授業に通じるものがあります。
残念だったのは文字で説明するのが主体で、図が少なく説明についていけないところが多々あったこと。この本にもっと言葉で説明していることを丁寧に図示してくれると言うことないのですが、そこが玉に瑕でした。
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マサチューセッツ工科大の教授であるウォルター・ルーウィンの一般向けに書かれた物理の解説本です。本書での強烈な言葉が物理がわかれば世界の見え方が変るという著者の主張です。
僕にとって印象的なのは、第5講の虹に関する部分です。虹の発生するメカニズムを知れば、虹が出そうな気象条件のときに水平方向のどの方向に、垂直方向のどの角度を探せばよいかがわかります。キーワードは42度。さらに、不思議な虹、たとえば二重の虹(色のグラデーションが反対になる!)や飛行機から見られる丸い虹、白い虹が紹介されてそのメカニズムを理解することができます。
このように、この本の特徴は、身近なところから攻めるというところです。一般書によくあるように、数式はほとんどでてきません。
ただ、内容はちょっとむずかしい。それは、高校の時に物理で赤点スレスレの点数をとったことのある僕だからかもしれませんが、正直なところ、もう少し図解があればよかったかなと思います。
ちなみに、この先生の授業はネットで公開されていて、簡単に見ることができます。もちろん英語ですけどね。授業の雰囲気を感じるだけでもいいかもしれませんね。
Posted by ブクログ
1〜9講は物理学の幅広い基本、10〜14講は著者の専門分野であるX線天文学について。やや難易度高めで読み切るのは大変だった。(2014年に読み始めたが途中で長らく放置して、読み終えたのは7年後…)
Posted by ブクログ
ユニークな実験を交えた分かりやすい授業で有名なMITのルーウィン教授による、物理学の講義風読み物。
講義の動画はMITのインターネット授業として無料で公開されていて、NHKでも放映された。現在は、なぜかMITのサイトから削除されており、簡単には動画を見ることができなくなった。
物理に興味をもってもらうために、あの手この手で授業を魅力的にする工夫が文章からも伝わってきて、講義の盛り上がりが目に浮かぶ。さらに、本人の物理学研究における体験、さらにはユダヤ人ならではの大戦中の苦難など、プライベートな部分を描くことで教授への親近感がわき、授業を受けてみたい気持ちになった。
物理学としての難易度は低め。中学生が十分理解できるレベルで、物理を志す人を増やそうというねらいに合っている。娘にも読ませて、あるいはDVDを見せて、理系女子への道を歩ませようかな。
Posted by ブクログ
少し前の話題の一冊。MITで物理学の名物講義を行っている教授による授業内容の紹介。いわゆる大学初年度生向けの教養の物理入門といった内容です。「教える者にとって大切なのは、知識を箱にしまい込むことではなく、箱のふたを開くこと! 」という言葉が印象深い。いろいろ工夫して学生が興味を持ってくれるような授業を行っているんだなぁ、と思う。でも少し意欲のある最近の高校・大学の先生ならこんな感じの授業やっているよなぁ、という程度の内容で、特に驚くような授業ではない。自分が教養の授業とか、高校生向けの模擬授業なんかをする上では参考になりそう。個人的にはエネルギーの講義内容なんかは面白かった。最後の4章は著者の専門のX線天文学研究の紹介で少し難しい。以前読んだ「僕らは星のかけら」を思い出した。でも、天文好きの学生じゃなきゃついて行けないだろうと思う。