三浦英之のレビュー一覧
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単純ではない大東亜戦争の当時の姿。
第一章「真珠湾の空」: 「ヘルダイバーズ」と呼ばれた真珠湾攻撃隊の若者たちの青春時代に焦点。飛行機乗りから戦後は操縦教官となる。自由な空。
第二章「アフリカを攻撃した日本人」: 特殊潜航艇でアフリカを攻撃した日本兵の最期を描く。潜水艦伊16号。マダガスカル島北部のイギリス軍攻撃。島に漂着した日本人二人の運命。
第三章「ミッドウェイの記憶」: 空母「赤城」の整備兵が語るミッドウェイ海戦とその後の人生。
第四章「一〇一歳からの手紙」: 101歳まで生きた元満州国官僚が、死の直前に書き残した最後の「極秘計画」について。満州国に作られた建国大学。満州に残され -
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三浦英之(1974年~)氏は、京大大学院卒、朝日新聞社の記者・ノンフィクションライター。『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』で開高健ノンフィクション賞(2015年)、『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』で小学館ノンフィクション大賞(2018年)を受賞。
著者は、東日本大震災の直後から1年間、宮城県南三陸町に駐在し、2011年6月~2012年3月に朝日新聞に連載した「南三陸日記」をもとに、2012年に『南三陸日記』を出版し(更に、一部内容を追加して2019年に文庫化)、文庫版は平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞(2019年)を受賞している。
本書は、著者が2017年秋~2021年春 -
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三浦英之『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』小学館文庫。
第25回小学館ノンフィクション大賞受賞作。余りにも普通過ぎる内容に拍子抜け。
確かに密猟によるアフリカゾウの絶滅の危機は由々しき問題であり、象牙の国際密輸の実態も捨ててはおけない問題だ。しかし、根底にあるのはアフリカの貧困と象牙を求める富裕国と象牙取引の抜け道の存在だろう。
象牙の売買のためにアフリカゾウを虐殺する国際密猟組織。密猟で動く金が貧困にあえぐアフリカ人の生活の糧となり、過激派テロリストの資金源となっている実態と背後にある中国の影に迫るノンフィクション。
本体価格780円
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【建国大学】1938年5月-1945年8月
近い将来、戦争になって翌朝には相互の首府・主要都市は壊滅しているような世界になる
《このような決戦兵器を創造して、この惨状にどこまでも堪え得る者が最後の優者であります》石原莞爾
その最後の勝者となれる国を造りうる人材を育成をするために
「3)各民族の学生が共に学び、食事をし、各民族語でケンカができるようにすること」などを指針として空前の拒否を投じ満州国.新京(現、長春)につくられた大学。
そのOBの戦後レポート。
国内編は興味深く、何カ所も付箋した。
海外編はまるで「取材できませんでした報告」レポート。彼らが取材時点で置かれていた環境の報告、という -
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在野のジャーナリストによる情報公開請求が端緒となり、稲田朋美氏を防衛大臣辞任に追い込んだのか。そして、現地取材記者との見事なタッグでその顛末を届けてくれた。こうして記録で振り返れば、派遣隊員によるかけ替えのない報告を即座に処分したなんて偽りとしか考えられないが、「日報」の存在に着目した布施氏はエライ。正直、隠蔽なんて官民あらゆる組織で茶飯事だろうが、コトがコトだけに晒された意義は絶大だ。それにしても、南スーダンの腐敗ぶりの凄まじさを知る。レイブ、略奪、殺戮。彼らが手にしている武器を製造し、武器商人とつながっているのは国連安保理常任理事国なんだよなぁ。マッチポンプだわ。