三浦英之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者は新聞社の海外特派員として アフリカ大陸に約三年間駐在した。文字どおりあの広大な大陸を東奔西走。いつも命の危険を感じながら、身体を張って。
日本に居ては想像すらし得ない事柄を見聞きし、体験した。三作品は本になり賞を貰っている。
そこからこぼれ落ちたアフリカの大自然や市井の人々暮らしに焦点を当てたものが 今作品。
とは言え それすらアフリカ大陸の人々が置かれている状況は 過酷。特に子供と女性。やはり弱い人たちの立場は 暴力と欲望が渦巻く世界においては ここまで人間はするか、してしまうのかと。読むのも辛く、何度も涙してしまった。
日本に生まれ育って 何と幸せなことかと思ったが、それで良 -
Posted by ブクログ
未曾有の大災害が起きた時、離れた場所にいる私たちの知る権利と現地で絶望に打ちひしがれる被災者のプライバシーは絶対的に共存し得ない。
その間に立つジャーナリストの、ジャーナリズムという学問を介しても説明できない葛藤が切々と綴られている一冊だった。
報道する側もされる側も人間。
同じ不便な環境で生活を共にしつつも、一方は大切な人を失っていて一方は大切な人が安全で快適な場所にいる。
それでもカメラを向けることにノーと言われない関係性を築けるのは、ジャーナリストの人としての魅力と真摯な姿勢なんだと思う。
そしてそれはどの仕事にも言えることで、私はこれから何かに躓いた時この本の特にp201あたりを読み返 -
Posted by ブクログ
どの章でも、改行されて『2011年3月11日』と書かれたところに差し掛かると身体がぐっと強張る。
あの日、それぞれの方に降りかかった境遇がいかに悽愴か。
しかも彼らがあの日あの場にいることになるまでのストーリーが前述されているからこそ余計に苛烈で。
第四章にて、筆者が東日本大震災における外国人犠牲者を取材する理由が述べられており、そこからはもうページを捲る手のスピードが倍速となった。
もともと筆者の取材理由が気になっていた。
わかった途端、マイノリティ人種として海外在住経験がある者としての想いがぶわっと溢れ、私なりに知ることで弔いたくなった。
統計上正式に公表されていない彼らに日本人として敬 -
Posted by ブクログ
ネタバレもう何から書いていいか分からないくらい、濃い内容の本だった。
私はこのアフリカの問題に何が出来るだろうか。多分何も出来ない。知ることしか出来ない。
アフリカのいろいろな問題が提示されているが、共通するのは、人が不幸を感じるのは「貧しさ」ではなく「格差」、ということ。
アフリカにある豊かな資源を奪い合う。スマートフォンやゲーム機を使う私たち日本人も決して全くの無関係ではない。
ボコ・ハラム、イスラム過激派、ということは知っていても、ナイジェリアにいることを知らなかった。
ウガンダでは生け贄が求められ、子どもが犠牲になる。「ウガンダの人々から見れば、一部の富裕層は牛を増やしたわけでもなければ -
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人に生きる意味など存在しない
我々はただ与えられた「命」をまっとうするために「生きている」のだ
東日本大震災における外国人の方々の犠牲者を追ったルポタージュ
私は、その多くの犠牲になった方々に、思いを巡らせたことがなかった。
三浦英之さんの、丁寧で愛情深く、圧倒されるその度重なる日々の取材によって、今になって、ようやく知ることができました。
すべて、深く心に残る文章でしたが、最後の章の「本棚のピエタ」は、更に深く深く哀しみと光ともに胸に残るものになりました。
ヒボさんの本棚から辿り着き、この1冊と出会えて感謝です。ありがとうございました。
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Posted by ブクログ
読書記録49.
#涙にも国籍はあるのでしょうか
#三浦英之 著
東北在住、震災のルポルタージュを書かれている朝日新聞記者三浦英之氏
初めて氏のルポルタージュを読んだのは『太陽の子』
経済成長期に資源を求めアフリカ コンゴでの鉱山開発の後に残された子供に纏わるルポに関心を持った
最新作は東日本大地震で亡くなられた外国籍の方々の生きた証と共に彼らの死が残された人々に何を残したかを辿る一冊
本が好き、日本文化が好きで石巻の外国語指導助手として赴任した女性とその家族の序章に始まり、最終章「本棚のピエタ」に繋がる展開
本を閉じるまでに何度涙が流れただろうか
人は何のために生きるのか?著者の思う -
Posted by ブクログ
東北在住で数々の震災のルポを書いている三浦英之さんの最新刊。
ページの冒頭には、事実ーこの国はまだ東日本大震災における外国人の犠牲者数を知らない。
この言葉が何を意味するのか…
つまり厚生労働省が公表している41人と警察庁が把握している33人という異なる数字に復興庁の回答は「どちらも正しい」。
これは、外国人の大切な命が失われているのにもかかわらず、それを正確に把握しようともせず、結果、弔ってもいないことに彼らが残した「生」の物語をたどったルポである。
「日米の架け橋に」と夢を語った女性の思い。
テイラー文庫のことを、本棚を制作した遠藤さんのこともこの本を読み知ることになった。
大好き -
Posted by ブクログ
「事実 ー この国はまだ東日本大震災における外国人の犠牲者数を知らない。」
このような一文から始まるこのルポルタージュ。東北で暮らし、東日本大震災に関して取材し続けてきた記者・三浦秀之さんが書いたものである。
三浦さんは、ある日取材で知り合ったモンゴル人青年との話のなかである事実を知る。それは「東日本大震災での外国人の犠牲者数を誰も把握していない」ということだった。そのことをきっかけとして、三浦さんは震災で亡くなった外国人の方々に関して残された人々を取材していく。
そういえば、私自身も東日本大震災以降、日本人で被災された方が取材されたものをTVや新聞等で見た