三浦英之のレビュー一覧
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試し読み
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岩手で生まれ育ち、現在も岩手で暮らしている私からすると、なんとも気恥ずかしいタイトルである。なにか他の四十六都道府県の皆様に申し訳ないような気もする。いずれも岩手に負けない魅力があると思う。
著者は、ルポライターで朝日新聞の記者であり、著作もいくつか読んでいる。現在は、盛岡総局に勤務しており、紙面で署名記事を見かける。本書は、朝日新聞のWebメディア<withnews>に連載されたものに加筆修正し、さらに書下ろしを加えたものである。見開きページにエッセイと写真が1頁づつのレイアウトとなってる。岩手県だけでなく、ただし隣県に関するものも含まれている。
なにしろ岩手県は広いので、東京には -
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試し読み
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Posted by ブクログ
日本人を父に持つ子供たちが1970-80年代にアフリカに取り残された。金属資源を探査するために押し寄せた日本人単身者は現地では幸せな家族を持った。しかし単身で帰国することが前提だったのかもしれない。
父の記憶がない(ほとんどない)子たちは、父に焦がれて会いたいと明るく願う、太陽の子。その子たちの現地の生活を支援する日本人や、そして彼らを取材する記者の生き方も強くて尊い光。
一方で、日本に帰った父には日本の家族が今は(昔も)ある。触れたくない過去なのだろう。
記者がどこまで追求するのが正義なのか・・・。闇のままにしておくのか、答えはないだろうけど、「太陽の子」は存在する。
記者という仕事は取材 -
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三浦英之氏は、1974年神奈川県生まれの新聞記者・ルポライター。京大大学院を卒業後、朝日新聞社に入社し、国内外の社会問題や紛争地・災害現場などを精力的に取材してきた。『五色の虹』で開高健ノンフィクション賞(2015年)、『牙』で小学館ノンフィクション大賞(2018年)、『帰れない村』でLINEジャーナリズム賞(2021年)、『太陽の子』で新潮ドキュメント賞と山本美香記念国際ジャーナリスト賞(いずれも2023年)等、受賞歴多数。
本書は、2011年3月に発生した東日本大震災の直後に、1年間宮城県南三陸町に駐在した著者が、その時の取材体験を書き綴った、回想録的なルポルタージュである。2021年に出 -
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特派員としてアフリカに駐在した筆者の取材記録から作成された内容。2017年までの内容で少し時間は経過しているが、非常に良かった。
ルワンダの虐殺に関する記事などは、生々しかったが、綺麗事ではない現実を、全然違う環境にいる人達に伝えるジャーナリズムは素晴らしく尊いなと感動した。
最近、アフリカの人口増加が大きく、ビジネス先としてアフリカの話題が増えている。米中対立で、半導体資源の争奪が起きている。万博でアフリカの国のコーナーに行くと商社マンらしき日本人が現地から来た人らしき人に熱心にビジネス?の話をしている光景をみた。自分は、安易にアフリカをビジネスの市場や供給元としか考えるようなことがないよう -
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二〇一六年三月、著者のもとに不可解なメッセージが届いた。フランスのニュースチャンネルのリンクが貼られるとともにそこに書かれていたのは、日本企業の鉱山開発に伴い、一〇〇〇人以上の日本人男性がコンゴに赴任した一九七〇年代、コンゴで生まれた日本人の子どもたちを、日本人医師と看護師が毒殺された、という内容だった。信じがたいニュースの〈疑惑〉について調べるうちに、著者はコンゴにおける日本人残留児の問題と関わるようになっていく。
〈疑惑〉の真相以上に、そこに息づいている人々の声を拾い上げ、伝えようとする。真摯な想いに貫かれた一冊だと感じました。作中、〈「人を信じるな」と発する人間の言葉を信じない〉とい -
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2016年に著者のtwitterに次のようなメッセージが投稿された。
<朝日新聞では、1970年代コンゴでの日本企業の鉱山開発に伴い1000人以上の日本人男性が現地に赴任し、そこで生まれた日本人の子どもを、日本人医師と看護師が毒殺したことを報道したことがありますか?>
著者は当時、朝日新聞のアフリカ特派員として南アのヨハネスブルグに駐在していた。半信半疑ながら海外のニュースサイトで、元になったと思われる記事を見つける。そして真偽を確かめるべくコンゴに向かう。そこで現地に根を下ろして生活している日本人の協力を得ながら、日本人残留児と思われる人々に取材を試みる。
彼らは日本人と思われ -
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1945(昭和20)年を知る人たちの、(おそらく)最後の証言。
え、こんなことがあったのか、という知られざるエピソードが満載だ。
とりわけ圧巻だったのが「101歳からの手紙」。
もと地方紙のワシントン支局長としてケネディ暗殺事件を伝えた人物から
著者に分厚い手紙が送られ来る。
差出人は、満州国の建国大学の卒業生であった。
建国大学は自由は教育で知られたが、満州の瓦解とともに7年で閉校・・・
あ、この話、知っている、知っている・・・
あたりまえ、『五色の虹 満州国の建国大学卒業生立ちの戦後』の
著者だったのだ。すっかり忘れていた!
ここでも満点★をつけているくせに!あ~、やだやだ。
ともかく -
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三浦英之『太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密』集英社文庫。
22回新潮ドキュメント賞、第10回山本美香記念国際ジャーナリスト賞のダブル受賞作。
1970年代から1980年代にかけて日本がアフリカに残した大きな傷跡に迫ったルポルタージュである。
海外に出向した労働者が現地の女性と懇ろになり、女性が子供を産むという話はたまに耳にするのだが、まさかという衝撃的な話には驚愕した。
日本人は戦時中にも中国やフィリピンを始めとするアジアの侵略国で残留孤児を生み出している。もしも、アフリカでも同じような状況を作り出していたとしたら……
切っ掛けはフランスの国際ニュースチャンネルに掲載さ -
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1冊の本の中に戦争を生きた人たちの人生がギュッと凝縮された重い本だった。文章が読みやすいものだから、次々好奇心いっぱいでページをめくってしまうのだが、さすがにあいだあいだでは、その時、その場所、そこにいた人たちの心に思いを馳せた。
知らないことが多かった。私の無知もあるが、大方の人が知らないようなことを何年もかけて取材して本にしてくださってありがたいことだ。
本書にも書いてあるが、先の戦争を体験した人がどんどん亡くなっていく。それは仕方のないことで、101才まで生きて秘密を伝えてくださった先川さん、よくぞ長生きしてくださった。他の方も長生きしておられるからこそ証言してくださった方も多い。でも本