三浦英之のレビュー一覧
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どんどん読み進めた。このような作品を前にいい加減な感想は書けないと思う。
満州建国大学の存在など全く知らなかった。
三浦さんが布施祐仁さんとお書きになった「日報隠蔽」に感銘を受け、トークショーまで行って、サインいただいて、この本の前に「五色の虹」という本も出されてるのだと知り。。。
ギリギリ間に合った感じがすごいと思う。戦後悲惨な経験をされた方々、よく長生きしてくださった、という感じだ。お亡くなりになってしまったら、お話は2度と聞けない。何も話せないまま、お亡くなりになった人の方が圧倒的に多いのだが。
建国大学卒業生のそれぞれの戦後。
と、それを取材なさり、一冊の本にされた記者さん。
どちらも -
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ページをめくる手が止まらなかった。キルギスに抑留記念館を建てる計画があるから取材しないかという誘いから始まる長い旅。日本、中国、朝鮮、モンゴル、ロシアの建国大学生がたどったそれぞれの戦後。収容所に入れられても、良い人生だと言える強さ、いつかロシアと対峙したときロシア語が必要になるのではと、新潟で農家をしながら勉強部屋をロシア語教材で埋めつくす老人。彼は、最後は65年ぶりの同期生との再会のため、ロシア語を飛行機の中でも寝ずにおさらいする。150人の定員に対して2万人の応募があった試験から選ばれた彼らは、平和な時代だったら、どれだけ活躍できた人たちなんだろう。
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朝日新聞の記者である三浦英之氏が、かつて満州の最高学府として実在した建国大学と、その卒業生たちの戦後を取材した作品。
建国大学は1938年に石原莞爾らの起案により、満州国のリーダー育成を目的として設立される。五族協和のスローガンのもと、アジア各国から優秀な生徒が学費免除で集められ、学内では当時としては珍しく言論の自由が許されており、社会主義の研究なども行われていたそうだ。
この建国大学の存在があまり知られてこなかった理由としては、終戦と同時に学校に関する資料がほとんど焼却されてしまった事、そして卒業生の多くが、日本帝国主義の協力者として母国から迫害を受けた事が大きい。三浦氏が取材で中国を訪 -
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ネタバレ日本から遠く離れたアフリカのコンゴに、日本残留児がいるという事実を、この本を読むまで知らなかった。
コンゴに赴任していた日系企業の社員たちは、現地の10代女性(多くは10代前半)との間に子どもをもうけ、任期が終わると帰国し、その後は音沙汰がなくなる。
父親が去ったあと、残された母親と子どもたちは厳しい生活を強いられ、「日本人との子ども」であることを理由に差別を受けたり、就職が難しかったりする状況に置かれてきた。
彼ら「太陽の子」は、自分たちを日本人だと言い、いつか父親に会う日を信じて、わずかな父親の情報や思い出を大切に抱えながら今も生きている。
彼らが父親に会いたいと願うのと同じように、 -
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戦後80年…もう、80年なのか、まだ80年なのか、感じ方は人それぞれ!このタイミングで、三浦英之さんのこの作品を読めて感無量です。まだまだ、知らないことが沢山あるんだなぁ…と改めて感じました。
いずれは「五色の虹」も読もうと思っていたんですが、この作品を読んだらすぐに手にしたくなりました。満州の建国大学についてのノンフィクションです。この作品では第四章の「一〇一歳からの手紙」で触れられています。あと、第六章の「園井恵子の青春」は、原爆の犠牲になった元タカラジェンヌについて描かれていますが、こちらも別の作品で三浦英之さんの作品ではないんですが、一冊深堀りして読もうと思っている作品があります -
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三浦英之氏は、1974年神奈川県生まれの新聞記者・ルポライター。京大大学院を卒業後、朝日新聞社に入社し、国内外の社会問題や紛争地・災害現場などを精力的に取材してきた。『五色の虹~満州建国大学卒業生たちの戦後』で開高健ノンフィクション賞(2015年)、『牙~アフリカゾウの密猟問題を追って』で小学館ノンフィクション大賞(2018年)、『帰れない村~福島県浪江町「DASH村」の10年』でLINEジャーナリズム賞(2021年)、『太陽の子~日本がアフリカに置き去りにした秘密』で新潮ドキュメント賞と山本美香記念国際ジャーナリスト賞(いずれも2023年)等、受賞歴多数。
本書は、著者が2014~17年に、 -
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30~40年も前の出来事の残された糸をたぐりながら、爆撃や政変をかいくぐり、Twitterやメール、英語仏語を駆使して、希望を持ち続けて世の中の不条理と戦う。まるで冒険物語のようだった。
決して一足飛びに都合よく解決する問題ではなかったが、作者と、登場する2人の日本人たち、そして実際の日本人遺児たちの希望を持ち続ける明るさに作品全体が照らされて、自分もなにか世界に希望を抱くことができるような爽やかな読後感だった。
一方で、読むのに体力のいる一冊だった(頑張った)。
アフリカの地理、歴史、政治・経済についての丁寧な解説にかなりページが割かれていたので、興味深い反面、読み進めるのにかなり重量感 -
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ネタバレ朝日新聞の記者をされていて、特派員としてアフリカ駐在中の2014年8月から2017年8月までの3年間での取材の記録をもとにしたエッセイを収録しています。
10年たっているから、当時の取材対象になった人々や社会の状況は今はまた変わっているのだろうけれども、
個々のストーリーはとても短く、本当に取材しきれなかった断片、という感じで、具体的な社会的背景や全貌を知りたくなるようなところで終わってしまうのですが、著者の鋭い着眼点や、人間への強い好奇心を感じました。
圧倒的な現実を前に、つまり、ことが絡まりすぎて混沌すぎて圧倒されるような状況を感じるのですが、直視し続けるのは皆ができることではないな -
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筆者の綿密な取材から、本のタイトルにもあるように、ほとんど表に出ていないような戦時中の真実を知ることができ、新たな発見があった。
例えば原爆疎開にしても、新潟自体が原爆投下の可能性があったことは知っていたが、当時多くの人が知事の命令により疎開し、人が街から消えていたことは初めて知った。
結局は何事もなかった訳だか、自分が処罰の対象となることを恐れず、多くの市民の生命を守ろうとしたリーダーとしての判断は素晴らしかったと思う。
取材を受けた生き残った人達は、本当に奇跡的に生死の分け目から生き残った方達であり、戦争の悲惨さと平和の大切さを未来に引き継ぎ、伝えるため取材に応じたのだと思う。その想 -
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今年は戦後80年という節目でもあり、例年以上に報道の情報発信や著作の販売促進に注力されている気がします。ブク友さんたちも、私の知らない多くの関連本を読まれ、意識の高さに感心します。
三浦英之さんの新刊は7章立ての内容で、そのほとんどが私にとって未知の事実でした。タイトルに"最後の"と付してあるのは、世に送り出す"タイミング"としての意味合いのようですが、最後の生き証人の意も当然あるでしょう。
あの太平洋戦争を生きた人々の、知られざるエピソードに心震わせられ、力強く前向きな勇気をもらえます。三浦さんの文章には、いつも胸を熱くさせられます。それは、