三浦英之のレビュー一覧

  • 沸騰大陸

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     本書は、三浦英之さんが、アフリカ特派員時代の取材を基に、「imidas」のweb上に連載したコラム「アフリカの長い夜」をまとめ書籍化したものです。

     疲弊し冷め切ったような日本と、良くも悪くも欲望が渦巻き熱量のあるアフリカを対比することで、余りの隔たりの大きさを実感し驚愕します。まさしく、人口爆発、種々の不条理が入り乱れ「沸騰する大陸」アフリカのリアルが描かれていました。
     小国それぞれの、悲しく辛い事実の数々に言葉を失います。この現実を広く知らしめるという点で、間違いなく価値ある一冊でしょう。

    ※本文中の、ノーベル平和賞受賞の現地医師の言葉
     「私が欲しいのは、誰もが安心して暮らせる平

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    2024年12月12日
  • 災害特派員 その後の「南三陸日記」

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    三浦英之『災害特派員 その後の「南三陸日記」』集英社文庫。

    『南三陸日記』の続編のルポルタージュ。

    一年間、東日本大震災の津波被災地の南三陸町で暮らした災害特派員・三浦英之の「人を殺すのは『災害』ではない。いつだって忘却なのだ。」という結論は、確かにその通りだと思う。三陸地方に伝わる『津波てんでんこ』、宮古市重茂などに残る『此處より下に家を建てるな』という石碑など、先人たちの教えは受け継がれている。東日本大震災では、これらを忘れた者たちの多くが生命を落としたのだ。

    千年に一度の大地震。生命を失っても仕方無い大災害だったと言えば、そうかも知れないが、自身と家族の生命を守る手立てはあったと思

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    2024年11月24日
  • フェンスとバリケード 福島と沖縄 抵抗するジャーナリズムの現場から

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     この作品は、東日本大震災後10年後の福島と、戦後基地問題にゆれる沖縄の問題をジャーナリストの三浦英之さんと、阿部岳さんが提起したものになっています。

     折しも、東京オリンピックやコロナ禍…首相や福島や沖縄の各地域の首長はこの時期どのような対応をしたのか…。もう、私もずっと感じてきたことだけれど、首相の記者会見、原稿を読んでいるだけじゃん!国会も同じだし…見る価値あるのかな…?そんな思いを抱いてきました。だから見ないし…それじゃ、政治への不信感は私だけでなく皆が抱えるものになっていますよね!でも、かつての福島や沖縄の各地域の首長は、自らの命を縮めるような必死さを持って基地や原発者問題に真摯に

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    2024年06月18日
  • 涙にも国籍はあるのでしょうか―津波で亡くなった外国人をたどって―

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     『事実ーこの国はまだ東日本大震災における外国人の犠牲者数を知らない。』
     そんなことがあるのかと…正直思いました。だけど、私が心を動かされたのは、犠牲者数を把握できていないことではなく、ひとりひとりに生活があり大事なもの、大事な人がいて…それが、突然失われ、それでも生きていかなければならない人々の悲しみ、苦しみ、それでも見出したささやかな希望のような思いです。

     全てを失ってしまった中国人青年に現在も「お前は一人じゃないんだぞ」と伝え続ける先輩職人、大人が無理しないと子どもたちを守れないと教壇に立つ教師たち…。日本人だから、外国人だから…ということでは決してないんです。

     発災後に赴任し

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    2024年06月13日
  • 五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後

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    この大学の方針は、もちろん当時の政治的な思惑もあったにせよ、若者たちからすればいいものだと思った。
    言葉も文化も異なる人と共に過ごし、お互いの言語を学んで腹を割って話し、意見が違っても受け入れる。
    何かを聞いて不快に感じる人を生まないために言論封殺するよりも余程建設的。これこそ多様性のあり方じゃないかと思う。今の時代こそ、日本にこういう理念を持った学校があってもいんじゃないかな。五族協和をそうだけど、学生に主体的に考えさせる教育とか必要だと思うなぁ。

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    2023年07月02日
  • 五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後

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    建国大学生の人生を描いたノンフィクション。
    取り上げられている建国大学生はわずかだが、皆、2020年代の日本では考えられないような、壮絶な人生を送っている。

    最初にある建国大学生のカラー写真が素晴らしい。
    90歳くらいの老人だが、顔自体は、知性と人生を生き抜いてきたたくましさと前向きな明るさを感じさせるとてもいい顔である。

    藤森孝一
    「人生は一度きりしかありませんから、誰にもその比較はできません。
    若い頃は目の前にたくさんの道が開けていて、全部が自分の可能性のように思えてしまう。
    全てが自分の未来だと勘違いしてしまうんですね。でも本当はそうじゃない。そのうちのほんの一つしか選べない。自分が

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    2024年06月05日
  • 帰れない村 福島県浪江町「DASH村」の10年

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     原発事故で帰還困難区域になった福島県浪江町津島地区(旧津島村)。本書は、離散した旧津島村の人々を追ったルポタージュです。
     著者の三浦英之さんは、この旧津島村に線量計を持ちながら3年半(2017年秋~2021年春)通い続けました。そして、多くの元住人から丁寧に話を掬い取り、自然豊かで美しい村が存在していた事実を記録し続けました。本書は、2020.9.16〜2021.3.31に、朝日新聞及びデジタルサイトに掲載された記事の書籍化で、元記事が「帰れない村(withnews)」でカラー写真とともに読むことができます。

     基本的に、一人につき見開き2ページの記事と見開き2ページ×2枚のモノクロ写真

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    2023年02月20日
  • フェンスとバリケード 福島と沖縄 抵抗するジャーナリズムの現場から

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    お二人それぞれの内容が大変濃いので、スラスラ読まずにじっくり考えながら読むべきなのだが、ページを繰る手が止まらなかった。
    新聞購読をやめて6年になる私がいうのもなんだが、このような気骨あふれる記者が新聞社に残って頑張り続けてほしいと思う(新聞やめておいてやっぱり言える立場ではないなぁ)。
    私はこのような書籍やネット配信を読むことでで密かに応援続けよう。
    安倍元首相銃撃事件の日以降、三浦さんのTwitterが更新されていない。どうしておられるのだろう。

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    2022年10月31日
  • フェンスとバリケード 福島と沖縄 抵抗するジャーナリズムの現場から

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    映画「新聞記者」で描かれている現実が
    加速している気が強くする。

    ミャンマーのことが他人ごとでなく
    アフガニスタンのことも他人ごとでなく、
    良く言われることだが
    気が付いた時には すでに遅し
    になってしまわぬように

    三浦英之さん、阿部岳さん、
    宮崎園子さん、安田菜津紀さん
    のような 記者さんが 
    特別ではなく
    当たり前に活動している
    そんな世の中を
    私たち一人一人がもっと強く意識していかなければ
    と 改めて思ってしまう

    三浦さん、阿部さんたちが
    つながっていくように
    私たちも 私たちの隣人たちと
    つながっておかなければ
    と 思わせてもらった

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    2022年09月16日
  • 帰れない村 福島県浪江町「DASH村」の10年

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    2019年3月、著者の「文庫版 南三陸日記」を読んで、私はおそらく生涯で1番読書で泣いた。大震災直後の赴任先での、コラムと写真の記録だった。

    本書は、岩手県ではなく福島県浪江町「旧津島村」の「(放射能で)100年は帰れない」と言われたその後の元村民たちを取材した記録である。3年半のWEB連載だった。「南三陸」同様のコラムと写真で構成されている。けれども、私は読書中一度も涙を流すことはなかった。代わりに、どんどん塞ぎ込みたくなった。

    前著は、「直後」ということもあって、町民たちの心が、未来が激しく動いていた。悲しいことがたくさんあったからこそ、展望を持とうとしていた。一方、10年後の「旧津島

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    2022年03月01日
  • 帰れない村 福島県浪江町「DASH村」の10年

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    ページをめくるたび、モノクロ写真を目にするたび、読むのがつらくなった。けれどたぶんそれは、私が普段「生き(て何かをす)る」ために、これら「帰れない村」のひとびとのことを(悪い言い方をしてしまうと)思考からシャットアウトしてしまっているからだと思う。いま、今、実際に、原発事故によって散り散りにさせられ、以前とまったく異なる生活を余儀なくさせられている方々が居られるにもかかわらず。
    これだけの事故の、(これを書いているのはロシアにウクライナが侵略され、核攻撃を示唆されたとさえいわれる2022年2月28日である)また「核」ということばに背筋がふるえる広島長崎の、記録が記憶があるくにで。私たちはきょう

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    2022年02月28日
  • 五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後

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    満州に日・中・朝・露・蒙・台の若者が一緒に学ぶ大学があったのね。日本敗戦後は皆さん苦労されている。掲載されているお写真の皆さんがとてもいいお顔。

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    2022年02月25日
  • 日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか

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    ネタバレ

    他書の引用で紹介されていたので、自分には珍しくドキュメンタリーを手に取りました。政府の隠蔽体質を暴く丹念な取材は、稲田大臣とは好対象なファクトを積み重ねた結果だったと言えるだろう。著書のようなジャーナリストが居なければ、政府の現実無視(南スーダンの戦闘状態)、実績作りありきで政策をを操る政府の危うい運営の結果、自衛隊から犠牲者が出ていたかもしれない。こんなご都合主義の政権が軍隊を操れる危うさを恐ろしく思う。ただ、著書の考える憲法9条を遵守すれば良いという考えには同意できない。平和は尊いけれども隣国中国と共存していくには、各国と協調しながら自国の責務を果たせるだけの武力は必要だろう。だからこそ、

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    2021年12月26日
  • 災害特派員

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    ネタバレ

    この手記が世に出されたことをとてもありがたく思う。一章ごとに、胸にズンと「私たちの」責任がかかるのを感じられた。本というのは、活字を読み込んでいくうちにある種の追体験をする、というものと私は捉えている。だから、「ゲームや映像としてモニター越しに」見るものとは(少しだけだけれど)異なって、読者のこころに引っ掻き傷をつけていける。著者が、ひととのかかわりを、おのれの筆になるままに書いてくれたことで、私たちは、著者とかかわったひとたちのことを「想像」できる。むろん実体験に勝るものはないだろうけれど……。それでも、読んでいるときは我がこととして痛みを感じられるだろう。「外からだけみるもの」とそれはきっ

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    2021年06月09日
  • 災害特派員

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    信頼に足るジャーナリスト
    「白い大地」に触れた時から
    ジャーナリスト三浦英之さんは
    私の中では抜きんでたお一人です

    三浦さんが
    ルポルタージュする時に
    出逢った人たち、
    意識的な取材者にせよ
    たまたま出遭った取材者にせよ
    その描かれたお一人お一人が
    なんと魅力的なことか

    三浦英之さんの
    真摯な眼差しと
    誠実な心が
    読んでいる者に
    伝わってくる

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    2021年05月20日
  • 災害特派員

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    決して「忘却」しないために、著者の本を読む。
    「南三陸日記」「白い土地」そしてこの「災害特派員」
    これからも読み続ける。

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    2021年03月08日
  • 日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか

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    身内に自衛隊員がいながら、今頃このようなもの読んでいる自分のアンテナを先ずは猛省。

    フリージャーナリストの布施祐仁氏が防衛省・自衛隊の日報隠蔽を調査報道して稲田大臣達を辞任に追い込んだ事件は記憶に新しいが、隠蔽ばかりがフォーカスされた結果、肝心の南スーダン情勢そのものは然程クローズアップされずに森友・加計問題に突入してしまったから、三浦英之氏パートは貴重。

    「自衛隊大事」ならぬ「自衛隊派遣大事」の日本政府には今更驚かないけれど、南スーダンでの状況を「武力紛争」と認めるかどうかの競り合いの側面に、国際法的な問題点のあることが指摘されている。
    軍法会議が存在しない自衛隊。市街戦になって非戦闘員

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    2020年08月31日
  • 日報隠蔽 自衛隊が最も「戦場」に近づいた日

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    ジャーナリストの矜恃ここにあり!
    大まかな推移は、「はじめに」で三浦英之さんが3pでまとめている。
    それを更にまとめると、

    2012年南スーダンに自衛隊が平和維持活動(PKO)で派遣される
    2016年7月、大統領派と副大統領派の、首都ジュバでの大規模な戦闘が発生する。
    当時、日本政府は「政府軍と反政府軍との間に散発的な発砲事案が生じている」と発表。
    憲法9条は、海外での武力行使を厳しく禁じている。よってPKO派遣の原則は「現地で戦闘が起きていないこと」であった。政府は奇策を打った。南スーダンの事実を加工して「戦闘」を「衝突」と言い換えた。

    「戦闘」か「衝突」か、国会やマスコミが不毛な議論を

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    2020年05月12日
  • 五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後

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    五族協和を目指して満州に作られた建国大学、この本を手に取るまでその存在すら知らなかった。とても貴重なインタビューの数々。
    どの方々もそれぞれ激動の人生を歩まれていて、今の時代の学校に通って就職して…という良くも悪くも変わりばえのしない人生と比べずにはいられなかった。人生とは、と考えずにはいられない。
    この機を逃したら一生語られることなく死んでいく人がいた。ぎりぎりの時間で、今この本が出たこと自体がとても喜ばしく思える。

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    2018年08月03日
  • 日本で一番美しい県は岩手県である

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    「日本で一番」とタイトルがつく本は多いが、誇りをもって付けたタイトルだと読むと解る。

    一つ一つページを捲るたび、場所や文化、人、食と発見があり、愛を感じる。
    地元の人たちの反応も知りたい。
    そして、自分の住んでいる県を見直す機会ともなる。

    そうそう、チャグチャグ馬コをいつか見に行きたいとずっと思っている。

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    2026年03月19日