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Posted by ブクログ
どの章でも、改行されて『2011年3月11日』と書かれたところに差し掛かると身体がぐっと強張る。
あの日、それぞれの方に降りかかった境遇がいかに悽愴か。
しかも彼らがあの日あの場にいることになるまでのストーリーが前述されているからこそ余計に苛烈で。
第四章にて、筆者が東日本大震災における外国人犠牲者を取材する理由が述べられており、そこからはもうページを捲る手のスピードが倍速となった。
もともと筆者の取材理由が気になっていた。
わかった途端、マイノリティ人種として海外在住経験がある者としての想いがぶわっと溢れ、私なりに知ることで弔いたくなった。
統計上正式に公表されていない彼らに日本人として敬意と謝意を表したくなった。
最終章は落涙しながら読んだ。
グリーフケアは、病院ではなくあらゆる生活の場で名を冠せず、昼夜問わず、行われているのかもしれない。
自然発生的に当事者自身が気づきや救いを見出す形で自身をケアするパターンもあるように思えた。
生きる意味や、死んだ意味を、遺された者は自問自答しつつ日々を営んでいる。
時に死んだように生き、時に生きながら死を願い、死んだ者の想いに必死に応えようと日々を営む。
その手探りの日々の中で、出会いや気づきを通して少しずつリカバリーしていく。
単純な経年変化ではない故人への気持ちの変化。
それは人間誰しも同じで、国籍は関係ない。
生きるってなんだろう。
ただ、生きている以上生きるしかないのかもしれない。
筆者の『生きる意味など存在しない』という言葉が、ずんと胸に響く。
"与えられた「命」をまっとうするために「生きているのだ」"。
Posted by ブクログ
人に生きる意味など存在しない
我々はただ与えられた「命」をまっとうするために「生きている」のだ
東日本大震災における外国人の方々の犠牲者を追ったルポタージュ
私は、その多くの犠牲になった方々に、思いを巡らせたことがなかった。
三浦英之さんの、丁寧で愛情深く、圧倒されるその度重なる日々の取材によって、今になって、ようやく知ることができました。
すべて、深く心に残る文章でしたが、最後の章の「本棚のピエタ」は、更に深く深く哀しみと光ともに胸に残るものになりました。
ヒボさんの本棚から辿り着き、この1冊と出会えて感謝です。ありがとうございました。
Posted by ブクログ
読書記録49.
#涙にも国籍はあるのでしょうか
#三浦英之 著
東北在住、震災のルポルタージュを書かれている朝日新聞記者三浦英之氏
初めて氏のルポルタージュを読んだのは『太陽の子』
経済成長期に資源を求めアフリカ コンゴでの鉱山開発の後に残された子供に纏わるルポに関心を持った
最新作は東日本大地震で亡くなられた外国籍の方々の生きた証と共に彼らの死が残された人々に何を残したかを辿る一冊
本が好き、日本文化が好きで石巻の外国語指導助手として赴任した女性とその家族の序章に始まり、最終章「本棚のピエタ」に繋がる展開
本を閉じるまでに何度涙が流れただろうか
人は何のために生きるのか?著者の思う生きる意味とは
Posted by ブクログ
東北在住で数々の震災のルポを書いている三浦英之さんの最新刊。
ページの冒頭には、事実ーこの国はまだ東日本大震災における外国人の犠牲者数を知らない。
この言葉が何を意味するのか…
つまり厚生労働省が公表している41人と警察庁が把握している33人という異なる数字に復興庁の回答は「どちらも正しい」。
これは、外国人の大切な命が失われているのにもかかわらず、それを正確に把握しようともせず、結果、弔ってもいないことに彼らが残した「生」の物語をたどったルポである。
「日米の架け橋に」と夢を語った女性の思い。
テイラー文庫のことを、本棚を制作した遠藤さんのこともこの本を読み知ることになった。
大好きな日本で過ごす喜びを母国の恩師に伝えた青年のことも。
世のためにつくした人の一生ほど、美しいものはない
彼らのことを知ったあと、震災の悲惨さを改めて感じた。
国籍は関係なく涙する
Posted by ブクログ
「事実 ー この国はまだ東日本大震災における外国人の犠牲者数を知らない。」
このような一文から始まるこのルポルタージュ。東北で暮らし、東日本大震災に関して取材し続けてきた記者・三浦秀之さんが書いたものである。
三浦さんは、ある日取材で知り合ったモンゴル人青年との話のなかである事実を知る。それは「東日本大震災での外国人の犠牲者数を誰も把握していない」ということだった。そのことをきっかけとして、三浦さんは震災で亡くなった外国人の方々に関して残された人々を取材していく。
そういえば、私自身も東日本大震災以降、日本人で被災された方が取材されたものをTVや新聞等で見たが、外国人の方の被害というものはあまり見聞きした覚えがなかった。本書のなかで「震災で亡くなった白人のアメリカ人女性の死は毎年大きく報道される」とされた"テイラー文庫"のテイラー・アンダーソンさんに関しても、恥ずかしながらこの本を読んで初めて知った。
日本にはさまざまな外国人の方々が住んでいるし、旅行等短期滞在で日本を訪れて命までは落とさなくても震災の被害にあわれた方もいたかもしれない。そうしたときの涙や悲しみというものは、人種や性別、国籍にとらわれるものではないと色々と考えさせられた一冊だった。
津波で妹のようにかわいがっていた同胞の女性を失った、フィリピン人女性・アメリアさんが取材で三浦さんに語りかけた「涙にも国籍があるのかしらね」という言葉。
そこに込められた一言では言い尽くせないであろう深い思いを考えると、グッとくる。
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小説・文芸
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