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「生け贄」として埋められる子ども。 78歳の老人に嫁がされた9歳の少女。 銃撃を逃れて毒ナタを振るう少年。 新聞社の特派員としてアフリカの最深部に迫った著者の手元には、生々しさゆえにお蔵入りとなった膨大な取材メモが残された。驚くべき事実の数々から厳選した34編を収録。 ノンフィクション賞を次々と受賞した気鋭のルポライターが、閉塞感に包まれた現代日本に問う、むき出しの「生」と「死」の物語。心を揺さぶるルポ・エッセイの新境地!
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Posted by ブクログ
特派員としてアフリカに駐在した筆者の取材記録から作成された内容。2017年までの内容で少し時間は経過しているが、非常に良かった。 ルワンダの虐殺に関する記事などは、生々しかったが、綺麗事ではない現実を、全然違う環境にいる人達に伝えるジャーナリズムは素晴らしく尊いなと感動した。 最近、アフリカの人口増...続きを読む加が大きく、ビジネス先としてアフリカの話題が増えている。米中対立で、半導体資源の争奪が起きている。万博でアフリカの国のコーナーに行くと商社マンらしき日本人が現地から来た人らしき人に熱心にビジネス?の話をしている光景をみた。自分は、安易にアフリカをビジネスの市場や供給元としか考えるようなことがないようにしたい。
読みやすくて一気読みした。きつい情景描写があるので、友達に薦めにくいが、それでも知っておかなければいけないし、考えなければいけないことだと思った。
沸騰大陸、、アフリカ大陸のこと。 これを朝日新聞記者、ルポライターが描く、というのだから、 政治的な内容、と身構えてページを開く。 が、はじめに を読んで、政治的なエッセイではなく、 生活を取り上げる内容なのか、とちょっと安心して中に入る、、 が、結局、凄まじい内容が、、、 虐殺、レイプ、、 ひと...続きを読むはなぜここまで残酷になれるのか。 これは、持って生まれた「性(さが)」なのか? それとも、教育、洗脳によってついた悪知恵なのか。。 虐殺は古今東西至るところで生じているのを見ると、さが、なのかもしれない。 酷すぎる、、、 所詮命あるものは必ず死ぬわけで、日本ではむしろ医療が進みすぎて死ねないことが 問題になったりしているわけだが、まだ幼い子が生贄として殺されるとは、、 それも昔からの風習というのではない、資本が入ってきて、大きなビルを建てるには 大きな犠牲が必要ということで、当初は家畜でよかった生贄が、子供の躰の一部に なり、さらに子供そのものになるとは、、 ある意味虐殺より残酷かもしれない。 海外資本の経済が生んだ殺人。 後半はショートエッセイになり、ここまでの酷い話は減っていく。 最後の世界一の星空の話には、私もあこがれを持たせてくれる。 ナミビアのナミブ砂漠一帯。 一生行けるかどうかわからないところだが、覚えておこう。 はじめに 沸騰大陸を旅する前に 第一章 若者たちのリアル 傍観者になった日――エジプト タマネギと換気扇――エジプト リードダンスの夜――スワジランド 元少年兵たちのクリスマス――中央アフリカ 九歳の花嫁――ケニア 牛跳びの少年――エチオピア 自爆ベルトの少女――ナイジェリア 生け贄――ウガンダ 美しき人々――ナミビア 電気のない村――レソト 第二章 ウソと真実 ノーベル賞なんていらない――コンゴ 隣人を殺した理由――ルワンダ ガリッサ大学襲撃事件――ケニア 宝島――ケニア・ウガンダ マンデラの「誤算」――南アフリカ 結合性双生児――ウガンダ 白人だけの町――南アフリカ エボラ――リベリア 「ヒーロー」が駆け抜けた風景――南アフリカ 第三章 神々の大地 悲しみの森――マダガスカル 養殖ライオンの夢――南アフリカ 呼吸する大地――南アフリカ・ケニア 「アフリカの天井」で起きていること――エチオピア 強制移住の「楽園」――セーシェル・モーリシャス 魅惑のインジェラ――エチオピア モスクを造る――マリ 裸足の歌姫――カーボベルデ アフリカ最後の「植民地」――アルジェリア・西サハラ 第四章 日本とアフリカ 日本人ジャーナリストが殺害された日――ヨルダン ウガンダの父――ウガンダ 自衛隊は撃てるのか――南スーダン 世界で一番美しい星空――ナミビア 戦場に残った日本人――南スーダン 星の王子さまを訪ねて――モロッコ
著者は新聞社の海外特派員として アフリカ大陸に約三年間駐在した。文字どおりあの広大な大陸を東奔西走。いつも命の危険を感じながら、身体を張って。 日本に居ては想像すらし得ない事柄を見聞きし、体験した。三作品は本になり賞を貰っている。 そこからこぼれ落ちたアフリカの大自然や市井の人々暮らしに焦点を当...続きを読むてたものが 今作品。 とは言え それすらアフリカ大陸の人々が置かれている状況は 過酷。特に子供と女性。やはり弱い人たちの立場は 暴力と欲望が渦巻く世界においては ここまで人間はするか、してしまうのかと。読むのも辛く、何度も涙してしまった。 日本に生まれ育って 何と幸せなことかと思ったが、それで良いのか。アフリカ大陸の人々に悲惨な状況をもたらした一因、大本は西洋諸国、先進国。日本もその責任は逃れられない。 まさしく“沸騰大陸” まったく知らなかった世界。 三浦英之氏の作品はほとんど読んでいるが 今作品も 私にアフリカという未知の世界に目を向けさせてくれる。
2025.03.05 日本で生活保護の業務にあたっている身としては、アフリカの「庶民」「貧民」の生活レベルを思うと日本人に生まれただけで「ガチャ」で当たっているということだと痛感。
アフリカに赴任したジャーナリストの 3年間のレポート 紛争 感染 格差 外国からの搾取 暴力 失われる自然 難民 なんとも言えないものが渦巻く世界 これから地球はどうなっていくのか 心が痛くなる そんな中でも人は生きていく 星の王子の ほんとうに大切なものは目に見えない か そうねみえる心が必要...続きを読むかな
三浦英之氏は、1974年神奈川県生まれの新聞記者・ルポライター。京大大学院を卒業後、朝日新聞社に入社し、国内外の社会問題や紛争地・災害現場などを精力的に取材してきた。『五色の虹~満州建国大学卒業生たちの戦後』で開高健ノンフィクション賞(2015年)、『牙~アフリカゾウの密猟問題を追って』で小学館ノン...続きを読むフィクション大賞(2018年)、『帰れない村~福島県浪江町「DASH村」の10年』でLINEジャーナリズム賞(2021年)、『太陽の子~日本がアフリカに置き去りにした秘密』で新潮ドキュメント賞と山本美香記念国際ジャーナリスト賞(いずれも2023年)等、受賞歴多数。 本書は、著者が2014~17年に、特派員としてアフリカに駐在した際の取材記録をもとに、2023~24年に、集英社のウェブサイト「イミダス」に連載した「アフリカの長い夜」を加筆してまとめた、いわゆるエッセイ集で、2024年に出版された。 著者は冒頭で「取り憑かれたように大陸中を飛び回り、這いつくばるようにして写真機を構え、そこで暮らす人々と牛の血を飲みながら移動し、サバンナの雨にうたれて深く眠った・・・」と書いているが、34編のエッセイには、21世紀のアフリカの実に多様な面が取り上げられている。 登場する国は、マグレブからサブサハラ、及びインド洋や大西洋の島国まで、23ヶ国。 登場する人々は、アラブの春の後の軍事クーデターに反対する民衆(エジプト)、クリスマスに踊る元少年兵たち(中央アフリカ)78歳の老人と結婚させられた9歳の少女(ケニア)、イスラム過激派に誘拐され、体に爆弾を巻き付けられて自爆テロを強要される少女たち(ナイジェリア)、社会的成功を渇望する者に誘拐され、生贄にされる子供たち(ウガンダ)、全身に赤土と牛脂などを混ぜ合わせた「オカ」を塗り、伝統的な装具を身につけて、大型スーパーで買い物をするヒンバ民族の女王(ナミビア)、電気のない村で暮らす、しかし、明るく楽しそうな人々(レソト)、紛争地でレイプ被害に遭った女性たちの治療を続けている、ノーベル平和賞を受賞した医師デニ・ムクウェゲ(コンゴ)、人類史上最悪の大虐殺後、お互いに隣人として生きる加害者と被害者たち(ルワンダ)、アパルトヘイトを克服したはずの国で、今排斥の対象とされる移民たち(南アフリカ)、白人だけが暮らす街の白人たちと、その白人たちとも協力して国を成長させたいと語る、支局の黒人助手(南アフリカ)、エボラ出血熱の治療にあたる医師(リベリア)、スポーツハンティングの獲物として使用するライオンを「養殖」するハンティング業者(南アフリカ)、米軍基地建設のために、インド洋チャゴス諸島から強制移住させられた人々(セーシェル/モーリシャス)、泥のモスクを造る男たち(マリ)、アフリカ最後の植民地・西サハラから逃れた難民たち(アルジェリア)、ウガンダで50年間シャツを作り続け、「ウガンダの父」と呼ばれる日本人(ウガンダ)、戦闘の激化で自衛隊が撤収した後も、現地に残り避難民のために働く日本人シスター(南スーダン)等、である。(自然や文化を取り上げたものも一部にはあるが、大半は人に焦点が当てられたものだ) 改めて列挙してみると、著者の基本的な取材スタンスから当然とはいえ、暗くネガティブな印象を持つものが多く(中には、少々気分が悪くなるような描写すらある)、日本人からは、前時代的にすら見えるもの(文化・因習的なものに限らない)も少なくないのだが、著者はそうした一面的な捉え方をしていない。 著者はこう書いている。「人口が爆発し、人間の生と性、暴力と欲望が激しく入り乱れているアフリカは、まさしく「沸騰大陸」そのものです。・・・かの地のむき出しの日常の中にこそ、閉塞感に覆われた日本を生き抜くヒントのようなものが隠されているのではないか。人間の本質を真摯に見つめ直すことにより、我々はより正直に――そしてより強靭に――与えられた日々を主体的に過ごすことができるのではないか。人は人を殺し、人は人を愛する――。その大いなる矛盾の鏡に映っているのは、きっと「彼ら」ではなく、私たち「人間」の姿だと思うのです。」 私は、群れることを好まず、大好きな旅(国内外)をするときも多くの場合は一人だ。しかし、どこへ何をしに行くかというと、大自然の絶景を見に行くよりも、人の暮らしている様を感じに行くことが、はるかに多い(トランプが米国大使館をテルアビブからエルサレムに移すと宣言した頃に、一人でエルサレムとヨルダン川西岸を訪れたのもその一つだ)。たとえ、その旅が多少快適さを欠くことが分かっていても。。。(少々僭越だが)私はおそらく、著者に近い感性と認知パターンを持っているように思う。 一般の旅人では到底することができない数々の体験を共有してもらえる、貴重な一冊といえるだろう。 (2025年10月了)
表紙と題名からアフリカのオモシロ情報が載ってるかと、軽い気持ちで手にした本書。 違った、重い社会問題が羅列されていて目の玉が飛び出しそうな、ゾッとする内容だった。 島国、日本にいると分からない事が沢山あらるんだと、今まで知ってた情報はほんの表面的なものなんだと痛感した。 自分が日本人で、幸せな...続きを読む生活を送れているのは偶然で、世界の裏側には、何のために産まれてきたのか分からない、理不尽で残酷な状況におかれた人達が大勢いるんだと、いろいろ考えさせられた。
アフリカ・・・ ホントに何も知らない国です。 この本自体も2010年代のことを中心に書かれているけど、今はもっと露骨に中国の影響があるのではないかな?
著者がアフリカ大陸に駐在したときの取材記録をもとにまとめたものである。 目にすることで現実なんだと思うのが驚きであり、信じられない気持ちである。 民族の違いとはいえ「児童婚」や「生け贄」があることに何故⁇としか言いようがない。 人とは何故こんなにも残酷になれるのか? 何よりも怖いものだと痛感する...続きを読む。 日常のなかにある悲劇の一部かもしれないが、変わることはないのだろうか。
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